ドリーム小説
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「ん~~~、りょーたっ!やっと起きたよお。
ずっと寝てるから寂しかったよーぉ…」
今日は彼女の梓紗と家デート。
ホントは7時とかで帰らせるつもりだったんだけど、
2人して寝ちゃって、起きたら9時半というまさかの展開。
ヤバい帰さないと!って起き上がったら、
梓紗が俺のあぐらの膝にまとわりついてる。
しかも、なんか知らんが完璧に酔ってる。
顔が少し赤くて、目がトロンとしてる。
「ちょっと、なんで酔ってんの?」
「酔ってないよ~、酔ってないも~ん!」
「何、何飲んだの?」
「ん~、起きたらねえ、喉が渇いてたの!」
「んで何か飲んだの?」
「冷蔵庫に入ってたね、キラキラしてたやつ」
まとわりついてる梓紗を払って(名残惜しいけど笑)、
シンクの上に無造作に転がってる缶を見る。
「母さんのチューハイじゃん…」
ガックリと肩が落ちるのを自分でも感じた。
寝ぼけて、ただ単においしそうなの飲んだなコイツ…
「りょーたあー!なんか言った?」
「言ってない言ってない」
「あれー?そう?言ってないー?」
「うん」
ふう、と梓紗の横に腰を下ろすと、俺の腰に抱きついてきた。
ふいーと幸せそうな顔をしてる…可愛いなあ。
俺は頭をポンポンと撫でた。
「へへっ」って言ってすりすりし始めた。
「へへっ」って言ってすりすりし始めた。
やばい、可愛いぞ。
「梓紗?」
「ん~?」
「いい加減、離してくれる?」
「なんでえ?涼太あたしのこと嫌いなんだあ」
「いやいや、そーじゃなくて」
「嫌いならもー別れるもん。ばいばい涼太……」
「……はぁ」
「やっぱヤダあ、別れたくないよおー、大好きだもん」
「はいはい、ありがとう」
「りょーたはあ?あたしのこと好きぃー?」
「ん?好きだよ」
「やったあー、あたしも大好きだよお」
「はいはい」
すると、パッタリと声が途絶えた。
寝たかな、と思ってこのままじゃ俺が危険だと思い、
腰にへばりついてる梓紗を剥がそうと手を伸ばした時。
「りょおたぁ?」
「うお、起きてたの」
「あたしのこと好き?」
「好きだよ」
「んじゃあねえ…ちゅーしてぇ」
「……はい?!」
待て待て、酔いすぎなんじゃないのコイツ。
こんなこと絶対言わないよな、コイツ。
ていうか今までの会話とか冷静に考えたら、あり得ないよな?!
「はやくぅー。あたしのこと好きじゃないのお?」
「え、や、ちょ…」
完全うろたえてるよ、俺。
かっこわりー…、けど、どうしたらいいんだ俺。
んっ、て目を閉じて澄まし顔してるけど…。
…ええい、してしまえ。
なんで今だけこんなに緊張してるんだ、いつも通りにしろ!
…て、そんな軽い気持ちでいつもしてるわけじゃないけどね?
いや、いつもしてるわけでもないし、って完全うろたえてる!
「いいの?」
「はーやくぅ」
目を閉じてる梓紗にゆっくり近づく。
なんか、歯止めが利かなくなって、
今までしたことないくらい、深いキスになってしまった。
かつてない梓紗の可愛さに、理性がなくなった。
「…ん!」
梓紗が突然声をあげた。
俺はビックリして、唇を離す。
「ちょ、涼太!?」
「……え?」
明らかにさっきと違う。
「な、え、何?ちょっとどうしたの?!」
梓紗がうろたえ始めた。
「いや、こっちが何なんだけど、え?はあ?」
「涼太こそどうしたの!あ、あんなの…」
「お前さっきまで、え?よ、酔ってたじゃん!」
「……はい?全然覚えてない、何、酔うって」
何コイツ、こんな短時間で酔いってキレイに覚めるの?
はー?何俺、突然襲った最悪な奴みたいになってんじゃん!
「お前、冷蔵庫のチューハイ勝手に飲んで、勝手に酔ってたの」
「え」
「超可愛かったんだよ~、あたしのこと好きぃ?って」
「嘘つけ」
「まじだって!ずーっと俺の腰にまとわりついてたの」
「えー、なんかヤダ」
「うっわ、さっきとの違い!」
デレデレの梓紗から、急に元の梓紗に戻られると、
なんかさっきの引きずって調子狂うなあ…
「涼太ばっかり、なんかずるい」
「はあ?」
「あたしもそーいう涼太見たい」
「ヤダよ、やんないよ俺」
「演じろなんて言ってないよキモイ」
「……キモイってお前なあ」
「チューハイ飲んで?」
その後、無理矢理チューハイ飲まされて。
気が付いたら朝でした。
梓紗には「元の涼太がいい」って言われた。
梓紗によると、甘えられ過ぎて収拾つかなかったらしい。
でも、俺はたまに酔った梓紗に逢うって決めたんだ。
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バカは風邪ひかないんじゃなかったの?
「風邪ひいたから、今日学校休むね。
ひかる、ごめんね」
俺の彼女・梓紗が風邪ひいたみたい。
朝は毎日一緒に行ってるから、メールが届いた。
まあ、バカつっても頭は俺よりいーけど笑
学校にも俺休みって連絡入れたし、
コンビニで風邪ひきグッズ買ってきたし。
ゼリーとか熱冷ましのシートとか。
ピンポーン。
さっきから何度も鳴らしてるんだけどなー、
ダルくて起き上がりたくないのも分かるけど。
開けてくれなきゃ、俺、入れないじゃん!
おそるおそるドアに手を伸ばして引いてみる…あれ、開いちゃった。
「おっじゃましまーす…」
ゆっくりと家の中を伺いながら、足を踏み入れる。
…誰もいないみたいだ、梓紗はどこだ?
居間を覗いてもいなかった。
ってことは、部屋にいるのかな。
階段を音をたてないようにのぼって、部屋の前に立つ。
…梓紗は風邪をひいている。
そう肝に銘じて、部屋の中に入る。
「んぅ……」
部屋に入るなり、可愛い声を出す風邪ひきさんを発見。
昨日寝たままの格好で布団にくるまってる、寝てるみたい。
「梓紗ちゃーん?照くんがお見舞いに来ましたよー」
そう言ってベットの横に屈んでも反応は無し。
ちょこっと出てる頭を撫でてみると、「む」と言った…可愛い。
コンビニの袋を机の上に置いて、もっかい呼んでみる。
「梓紗?」
「ひかる?!」
「アレ、気付いた?」
「な、なんでいるの?!」
風邪ひきさんは、風邪ひきさんじゃないみたいに驚きだした。
「え、だからお見舞い」
「うつっちゃうよ」
「大丈夫ですー」
そう言ってガバッと布団にくるまりだした。
「?」
「ダメ…ひかるにうつしたくない」
「うつんないよ、だいじょーぶ」
「学校に行って、あたしは大丈夫だから」
「あー…、あっそ。じゃ、学校行くわ」
「…」
「んじゃ、コンビニで買ってきたの置いとくから。
なんかあったら連絡してね、ばいばい」
風邪ひいてる彼女相手にちょっと意地悪してみる。
…風邪ひいてるんだってば、優しくしろよ俺。
部屋を出た…フリをする。
梓紗はくるまってるから、分かんないかな?
「…バカひかる。ホントに帰んなくていーじゃんバカ」
弱々しく呟いた梓紗。
ありゃ、弱ってるのにさすがに今のはなかったか。
「バカ2回も言うなよ」
「ひかる」
目だけ出してる梓紗はちょっと涙目だった。
ごめんね、でもなんだか可愛いよ…じゃない、風邪ひいてるの!
「ほ、ほんとに帰っちゃったと思った…」
「俺が風邪ひいてる彼女置いて帰るような奴に見える?」
「………うん」
「言ったな、お前ー!」
布団を強引にめくって、梓紗の顔を見る。
熱い…だろうね、布団かぶってたんだから。
少し汗かいてて赤くて、楽にしてあげたいと思った。
「ひ、かる…」
「ん?」
「うつるから、もちょっと離れて…」
「やだ」
そう言って無理矢理キスをした。
風邪がちゃんと俺にうつってくるように、深いキス。
「だめ」って小さい声で言ってたけどお構いなし。
梓紗に抵抗する力なんてないから、俺は続行する。
梓紗がさすがに苦しそうだったから、ゆっくりと顔を離す。
「これでうつったと思う?」
「完全、に、うつっちゃ…ったよ、」
息が整えきれなくて、途切れてる言葉も愛しい。
「じゃあ、梓紗が楽になるから良かった」
「ひか、るってホント、ばか…」
「バカでいいよー」
その後は梓紗の額にシートを貼って、寝かしつけた。
歌ってやろうか?って言ったけど、あっけなく却下された笑
「そのかわり、手つないでて」って可愛いお言葉をもらえたので、
別に何に問題もなかったけどね。
明日は俺が学校休む予定だから、看病に来てな。
の、はずだったのに。
俺は全くピンピンして、完全平熱。
「うつんなくて良かったじゃん」
「アレじゃ足りなかったんだよ、もっと深くなきゃ」
「ばかじゃないの?!超苦しかったし」
「まあ可愛かったからいーじゃん」
「うるさい!」
ま、可愛かったからいーじゃんっ♪
『ねえっ、辰哉っ!』
彼氏・辰哉からの返事はない。
ゲームに夢中。
『さっきからゲームばっか…』
「んー?」
ゲームって言ったから反応したんだな…
なんか最近あたしばっかり好きみたいでヤダなあ…
ヤダっていうかホントにそうだったらどうしよう
だって辰哉からあたしのこと好きな素振りないし…
今も辰哉の部屋に2人きりなのに
辰哉はあたしなんか気にせずゲームだし。
…あたし?あたしの色気が足りないせい?!
『辰哉ぁー、そんなにゲームやる人だったっけー』
「…」
無視というより、どこか違和感のある沈黙された。
なんか変なこと言ったか?
…しばらくしても反応はなし。
さっきのウソ。
沈黙なんかじゃなくてシカト!
『もう知らない!話しかけないもん!』
プイッとわざとらしくそっぽを向いた。
バッと立ち上がって部屋の隅に行く。
…ここで怒って部屋を出て行けないのが辰哉に弱い証拠。
「梓紗~」
ピクリ
我慢だ。
そんな簡単に振り向いたら軽い女になってしまう…
「梓紗ちゃーん…」
呼び続ける辰哉……優しいなあ
じゃなくて!
さっきまでのあたしの気持ち味わってもらわなきゃ!
「ねぇ…ごめんってば、もうゲームやめたから」
…
……うぅ。
負けそう…
いつになく辰哉の声が甘い…。
「イイ子だから、こっち来な」
ばかぁ…
辰哉からのそういう言葉、
あたしが弱いの知ってて言うんだもん
『たつやぁー』
立たずにテクテク辰哉の元へ。
辰哉もあたしに近づいてきてくれる。
そして、あたしの頭を腕でつつみこんで撫で始めた。
「はい、イイ子だねぇ」
『なにそれ、うざい…』
「あ、イイ子じゃなくなった」
『ゲームばっかりやってる辰哉の方がイイ子じゃない…』
「だってさあ……ねぇ、引かない?」
『うん、何?』
「彼女と自分の部屋で2人だよ?
なんかしてないと危ないっつの…」
あぁ
この人はあたしをどれだけ溺れさせれば気が済むんだろう…
『ゲームばっかの辰哉よりだったら危ない辰哉のがいい…』
「…お前、言ったかんな?」
妖しい笑顔を見せた。
…あれ?こんな辰哉知らないぞ…?
『ちょっ、待っ…色々準備が…』
「大丈夫っ!すぐ可愛くしてあげるからっ♪」
意味分かんない、何この状況。
さっきまで全然こんな感じじゃなかったじゃん!
「ねえ、」
『ちょっと亮平、待って』
「なんで?」
『だって、なんかキャラ変わってない?』
「別に?」
いつもみたいに一緒に下校して、そのまま仲良く亮平の家へ。
…のはずだったんだけど。
いや、一緒に下校して仲良く亮平の部屋に来るとこまでは。
そこまではいつもと…というかつい昨日と一緒だった。
…なのに今のこの状況、何??
『な、だって、いつもこんなことしないでしょ…』
「…そうだね」
あたしがいつも座ってる亮平のベット。
いつもどおりに座ったら、亮平が壁にバンッて手をつけて、
すごく近い距離で攻められてる。
こんなに顔近いことなんて…初めてだよ。
…やばい。
腕の力がもたない…倒れちゃうよ…。
『…なんか怒ってんの?』
おそるおそる聞いてみると、ピクっと亮平は反応した。
「あのさあ!いっつも俺以外の男としゃべってるよねえ?」
ビックリした。
『亮平とだってしゃべってるじゃん!いっつもじゃないよ…』
「いつもじゃなくても、妬くもんは妬くの」
『妬くって…』
「分かってくれないの?」
違う、亮平じゃない。
ごめん、気付けなくて、亮平…ごめん。
やだ、別れるとか言わないよね?…ヤダよ亮平。
「分かってくれないなら教えるしかないよね」
『え』
乱暴にあごを持ち上げられる。
グッと距離が近くなる。
あたしは無意識に目をつむった。
唇がくっついた。
すると、ちゅっと音をたてて少しで離れた。
あたしはゆっくり目を開ける。
予想外のことが起こってパニック状態だった。
そこにはさっきとは違う、いつもの微笑みの亮平。
『りょ、へ…』
とまで言うと、ピシッとデコピンをくらった。
『い、たっ…』
「どー?分かった?」
『え、な…』
「うそうそ、あんなの俺じゃないよ、疲れたあ。
あー、いつもこうしてる人の気がしれない」
ケラケラと笑いながら、デコピンしたとこを撫でてくれた。
『な、…何それ!』
「いやー友達が阿部は優しすぎるから
1回彼女に教えてあげた方がいいよって言うからさぁ」
『ちょっと…なにそれもう』
「ビックリした?ごめんごめん」
いつもの亮平だ…
安心したら涙が出そうになっちゃった。
必死で堪えてた。
『うぅ…』
「あら」
『わ、別れるって…言われたらどうしよう…かと、』
「俺がこんなにお前を好きなのに?」
一粒こぼれちゃった。
泣いてるのを隠そうとして亮平に抱きついた
…というのは口実で、ただ亮平に触りたくなった。
「ごめんね…泣かないで」
…バレてた。
頭をポンポンしてくれる。
んー…亮平の匂いがする…。
「もうしないから…ね?」
『…うん』
「大好きだよ、心配しないで」
『うん…あたしも好き、大好き』
「あーなにそれ、可愛いっ」
『~~~~っ、ねえ!
さっき言ってくれたことホント?』
「妬くってやつ?
んー半分くらいね、でもいや大丈夫だから」
『逆にショックなんだけど…
妬いてくれるってちょっと嬉しい…』
「そう?じゃあ迷惑かけない程度に妬いとく。
…っていうか妬かせないでよ!」
『はは…そうだね』
そう言うと優しく抱きしめてくれた。
迫られた時、怖いって思ったけど、ちょっとカッコいいと思ったのは秘密。
同時に亮平にならグチャグチャにされてもいいって思っちゃったのも…秘密。
「ねーえ、少しはかまってよー」
『ダメ!落ちる!!』
ただいま1つ上の彼氏の照とあたしの家でデート中…
って堂々と言えたらいいんだけど。
もうすぐ高校受験を控えている。
あたしはバリバリ受験勉強中…。
「大丈夫、お前頭いいから落ちないよ!
だからちょっとはかまってくれてもいいじゃあ~ん!!」
本当は2学期の時点でちゃんと志望校決めてた。
でもやっぱり照と同じ高校が良いな…と不覚にも思ってしまった。
照は何も言わないから別にいいんだろうなと思ってたから、
あたしはそこに行くつもりだった。
でも志望校最終決定先を学校に提出する締め切り1日前。
電話がきた…照から。
「ごめん、黙ってたけど…我慢してたけど言うわ!
お前と同じ高校がいい!どこ受けんの!?
お前がこっち来ないんだったら、俺がそこに編入する!!」
とか言い出した。
嬉しかった、死ぬほど。
嬉しかった、死ぬほど。
でもさすがに照の編入なんて無理に近いし…。
というか自分は女子高に行くつもりだったので確実に無理だった。
『あたしが行くよ』
そうは言ったものの…
照の学校は特殊学科ばかりのところで、
あたしが行こうとしていた普通科のところとは全然違う。
1から勉強やり直しって言われた時は血の気が引いた。
「ねー、なんでそんなに勉強すんの?」
『照のせいでしょ』
「俺のせい?!だから俺が行くってば~」
『ばっかじゃないの?!女子高だから…』
「じゃ、しょうがないじゃん!ねっ?」
『お蔭で睡眠不足ですよ…』
カリカリ勉強を続ける…
あたしだってせっかく一緒にいるんだからかまいたいよ…
分かってよ、照!!
「…じゃ、ちょっとだけ」
『え?』
さっきまでとは違う低いトーンの声で言われた。
勉強してるあたしを後ろから抱き締めた。
いつもはギューッて強くなんだけど、
今はいつもとは違って、ふわっと包まれてる感じだった。
『何?どうしたの?』
「何が?」
『なんかいつもと違くない?』
「優しいから?」
『…うん』
「俺だっていっつも力任せに抱き締めないよ」
『そっか…』
「今はね…充電中なの」
『あたしの?』
「俺のだよ」
勉強だって、照にかまうの我慢してるのだって、全部照のため。
歳だって1つ下だけど、対等に接してくれるし。
照だって忙しいのに、こうして受験勉強見に来てくれたりするし。
(ちょっと集中できなくなるけど、それがなんだか嬉しい…)
そんな照が大好きだから、あたしはこうして頑張れるんだ。
『ひかる…』
「ん?」
『あたし頑張るね』
「おう…ていうかお前にばっかり頑張らせてごめん」
『あたしが勝手に頑張ってるだけだもん』
「…あっそ」
頭をあたしの首にすりすりしてくる照。
…嬉しいくせに、とか思っちゃう。
うそ、嬉しいのはあたしの方。
あたしは鎖骨らへんにある照の右手に、あたしの左手を絡ませた。
いつもは絶対こんなことしないけど…
なんだか急に照が可愛くなっちゃって、触らずにはいられない。
きゅーっと恋人つなぎにした。
「お?」
『…』
「珍しいね、そゆことしてくんの」
『たまには…』
「照れちゃって」
『照れてない』
「はいはい」
そしたら照が急にギューッて手を握ってきた。
お得意の力加減を考えない、最強の握力で。
『いっ…たいから!』
「だって俺の手いじいじしてるの可愛くて」
『可愛くない』
「可愛いよ~」
『じゃあもうしないもん』
「あら、離しちゃった」
今度は抱きしめてくれていた腕の力もグッと強くなる。
あ、いつもの照の感じだ。
『ん~…』
「何?」
『こっちのがいい』
「強さ?」
『うん』
「お前、俺のこと大好きなのね」
『…』
「黙っちゃった」
『好きじゃなきゃこんなに頑張らないもん』
「……そうだね」
より一層ギューッてしてくれた。
…照だ。
「よし!じゃあお前はまた頑張りなさい」
なんか切ない感じもしたけど、あと少しの我慢だ。
『うん』
ふと離れ際に照の口があたしの耳元に近づく。
ひっ、とちっちゃく声が漏れそうになったのを堪えて。
『ちょっと!そーいうこと言うとさあ!!』
「何?集中できなくなっちゃうー?」
『~~~っ、もう!!』
「顔真っ赤だよ?どうした?」
『べ、勉強するの!静かにして!!』
「はーい」
『愛してるよ』