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ドリーム小説
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知念くん小説

「やぁーっぱり知念クンは可愛すぎるよー」
「何言ってんの?侑李はアタシの彼氏、だからぁー♪」

アタシの目線の先には常に周りに人がいる、
彼氏の知念侑李。
侑李はジャニーズに入って最近デビューしたばっかり。
只今人気は急上昇の反面、
「あの人が知念クンの彼女?」みたいな目で見られたりもする。
実際雑誌とかでは恋したコトないとか書いてるしね…。
侑李はアタシより背低いし、顔だって下手したら女の子より可愛いかも…。
そんな侑李がアタシを好きになってくれるなんて奇跡じゃない??







あの子はクラスのアイドル








「あーずっさっ♪早く帰ろうよー」
「うんっ」

いっつも帰りは誘ってくれるけど、かなりの人を断ってるみたい。
男子でも女子でも侑李を誘ってる人はよく見る。
先輩からも後輩からも、ちやほやされてるもんなー。
可愛い女子の先輩とかに話しかけられてるの見ると妬けるけど…。

「今日もねー、梓紗ムスッとしてるコト多かった!!!」
「え?!何でよ、どこがだよ。アタシはいつでもニコニコしてるでしょ!!!」
「えー何か、僕が話しかけられてる時なんかいっつもムスッとしてるー。
 たまに梓紗が気になってチラッて見るんだー。
 そーすると、梓紗いっつも何か不機嫌そーな顔してるー」

可愛い顔してるくせに、さらっとカッコいいコト言うし。
そんなこ恥ずかしいこと、アタシなら絶対言えないし!!

「梓紗の怒ってる顔も可愛いとは思うよ?
 でも笑った顔の方がもっとスキ♪だから笑ってね」
「何を言ってんの!!そんな恥ずかしいコトを堂々と…。
 それにアタシはいつでも侑李の好きな笑顔ですー!!!」
「……あ!!!分かった!!!梓紗もしかして……妬いてるの??」

ななななな、何を言ってるのこの子は。
全くこんな可愛い顔のどこにこんなカッコ良さがあるかなー…。

「……はい。そーです」

きっと顔赤いんだろーなー…。
侑李が顔ひとつ変えず、ずっとアタシを見てるのが気まずい。

「な、なんですか」
「もー!!!梓紗可愛すぎー!!!大好きー!!!」
「ちょ、ちょっと!!」

侑李は腕ごとアタシをぎゅーってした。
侑李から「大好き」なんて、実は久しぶりに聞いた。
下校中なのに、何してんだアタシらは。



「放課後、屋上に来て…下さい?!」
「うん。2組の蒼井さんに呼ばれたんだけど…どーしたらいい?
 もうそろそろ行かないと、蒼井さん帰っちゃうかもしれないんだけど…」
「え!!!どーしたらいい…て。アタシが決めることじゃないよ」
「えー…でも」

侑李はすごく困ったような顔をしてから、
「よし」と何か決めたようにアタシを見てきた。

「梓紗、僕の彼女でしょ?」
「うん」
「だったら、やっぱり梓紗が決めてよ!!!僕じゃ決められない。
 僕に行ってほしくなかったら僕行かないから!!!」
「…えー…何だよぉそれ」

…どうしよう。
行ってほしくない。絶対告白に決まってる。
でも…向こうだって彼女いるのに勇気出したんだよねー…。
そういうの考えると、行ってほしくないけど行った方がいいよね。
アタシは侑李信じてるから。

「行ってきなよ!!!」
「え?!絶対【行かないで】って言うと思ってた…。
 でも梓紗そう決めたなら行ってくるね!!でも帰りは一緒に帰ろう?待っててくれる?」
「あ、当たり前じゃんっ!!」
「じゃぁ教室で待っててね」
「侑李、信じてるからね!!」

走って屋上へと向かう侑李の背中に叫んだ。
振り返りはしなかったけど、声が聞こえたのか手を振ってくれた。
うわー…カッコいい……。

それから10分後くらいにはもう侑李は戻ってきた。
息を切らしてる様子もなく、ただ笑顔だった。

「アレ?早いね。蒼井さんいなかったの??」
「いや、いたよ。【彼女がいるのは知ってます。1回でいいんでデートしてください】
 って言われたんだ」
「…ふーん」
「アレ?僕がなんて言ったか聞かないの?」
「うん!!!信じてるから!!!」
「へへ、そっか」

そう言っていつもどおり帰ったけど、恐ろしいコトは次の日に起こった。

アタシは放課後、少し仕事があったので侑李に教室で待っててもらい、
グラウンドの用具室で片付けをしていた。

「ねぇ」
「え?」

突然話しかけられて振り返るとそこには蒼井さんと他に女の子2人だった。
まさか…昨日侑李が断ったコトに対して…??
こんなの予想しないよー…。
アタシは蒼井さん以外の2人に連れられて体育館横に連れてこられた。

「あのさぁ、知念クンの彼女だからって最近調子乗ってない?
 アタシは絶対にアンタより知念クンのコト好きだし!!!」
「知念クンだってホントは何か理由があってしょうがなくなんじゃないの?!」
「何にしても、アタシの方が知念クン好きだから!!」

アタシはその言葉にキレる。

「あんたは侑李のなにを知ってるっていうんだよ!!!」
「調子乗るなって言ってんの!!
 知念クンにあんなこと、言わせるなんて…あんた最低だから!!」

アタシ以上に感情が高ぶった蒼井さんはアタシの肩を強く押した。
その衝撃で床に倒れこみ、勢いで唇を噛んでしまって血が流れる。
足も少しくじいたみたいで、立ち上がろうにも立ち上がれない。
侑李にアタシが何を言わせたっていうの…?!
アタシが強く蒼井さんを睨むと少しひるんだように後ずさった。
蒼井さんは手段に困り、近くにあった掃除用のモップを手に取る。
【殴られる】一瞬で察知したアタシは無意識に目を瞑る。

(侑李―――――……)


「それ以上やったらどーなるかわかってんのー?」

アタシは目を瞑っていて状況がわかんなかったけど、明らかに侑李の声。
カランと音がしたのでモップを落としたのだろう。

「ねぇ、何してんの?」
「え、いや、その」
「そこにいるの、完全に僕の梓紗だよね??」
「えっ…っと」
「侑李?」

顔を上げて侑李を見ると今までに見たことない程怒ってる顔してる。
いつもの可愛さのカケラもない。
全く別人格だ。
目が合ったかと思うと、一瞬にして侑李の顔が真っ青になったのが分かった。

「ねぇ、その傷、…何で口から血が流れてんの?」
「な、何の話?」
「侑李、大丈夫だよ、ちょっと噛んだだけだし」
「ほら、そう言ってるじゃん、アタシ知らないよ?」
「ふーん…」

侑李はため息をひとつついたかと思うと言い放った。

「アンタら、最低だね」

それを聞いた蒼井さんは一気に泣き崩れた。
泣き崩れて座りこんでしまった蒼井さんの膝元に侑李はゆっくりと立ちはだかる。

「これから僕らの前に姿を現すな。こんな最低な人間見たくねぇんだよ」

そう言った侑李の顔はアタシからは見えなかった。
蒼井さんは【ごめんなさい】と呟き、3人で走って行ってしまった。
クルッと振り返った侑李の顔は、今までに見たコトのない程心配そうだった。

「はぁ…ごめん。何で梓紗1人に仕事させちゃったんだろう…。
 口に傷までつくっちゃって…ホントごめん」
「大丈夫だよ?侑李が来てくれなかったら大変だった。ありがとう」
「う、うん」

「それにしても、カッコ良かったなぁ…侑李」
「へ?」
「【こんな最低な人間、見たくねぇんだよ】だって!!!カッコいいー!!!」
「…何の話?」

この顔は?ホントにきょとんとしてるけど。

「僕さ、あまりにキレすぎると自分でも何やってるか分かんなくなるんだよね。
 僕、最低な人間、とかって言ったの?酷くない?!」

あー…何だ、この人。
大好きだ。

「侑李大好き」
「僕も大好きだよ?」





その日の帰り道。

「ねえ、蒼井さんに…なんて言って断ったの?」
「えー、それ聞きたい?」
「知念クンにあんなこと言わせないで!!…みたいに言われたんだけど」


「僕は梓紗しか愛せないから、梓紗を裏切ることはできません、ごめんね
 …て、言いました……」

大好き。

「侑李っ」
「ん?」
「アタシも愛してるよっ」
「んなっ…恥ずかしい事を…」

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