ドリーム小説
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ただただ泣くアタシに祐樹はただ傍にいてくれた。
理由は聞かないで、そっと肩を抱いてくれていた。
ちょっと経って、泣きやんできた頃にアタシは祐樹を離れた。
『ごめ……突然、もう大丈夫だから』
「そかー、まぁ言って解消できるんなら俺使っていーからさ。
あんまためんなよー、ストレスは身体に悪いからさ…、んじゃ帰るかー」
気にしないふりをしてくれてるのか、
いつもより少し高めのトーンで、適当な感じに答えてくれた。
アタシ…やっぱり祐樹が好きなんだ…ごめん佑馬。
『うん…でも資料まとめろって言われてて…』
「…どうすっかなぁ、やる?」
『……めんどくさい』
「おいおい笑」
『先生に言ってくるよ、祐樹玄関行ってて!!』
「分かったぁー」
どうしよう…、アタシ。
祐樹に相談…した方、いいのかな。
でも佑馬の気持ち、考えなきゃ。
付き合っててゆーわけじゃない、そー言ってたけど…。
でも、どんな結果でもアタシは佑馬とは付き合えないだろーし。
かと言って、祐樹と付き合おうなんて感情も全くない。
やっぱり、いつまでもずーっと今のままなんて…無理だったんだ。
『あ、ごめんね!祐樹』
先生に了承を得たアタシは祐樹のもとへ走った。
「はいはいー、んじゃ行くか」
『うん、』
やっぱりさっきのことがあった後だもんな…
祐樹の方が気まずいよね…
少しの間、ちょっと居心地の悪い沈黙が続いた。
『ねえ…』
「…ん、っん?」
『(油断してたな…)佐倉さん…どーなった?』
「ど、どーなったって…別にどーしようとも思ってないよ」
『何それ!好きなんじゃないの?!』
「なんかさ…付き合いたいとかって好きじゃないのかもなーって。
普通に可愛いなって思うくらい?」
…ばか
どんだけ悩んだと思ってんだ。
『それ、本気で言ってる?』
「んま…結構本気?」
『はあ…もう、ふざけんなよぉ』
「なんでよ」
『ど、どどうやって協力すればいーか分んなかったの!!』
「あそー」
…、
祐樹が可愛いと思ってただけっていうのを聞いて、
安心したのもあったけど、
もう逃げ道はない、とも確信した。
本当に好きじゃないかどうかわからないけど…
祐樹が信じてくれたようにアタシも祐樹信じよう!
『祐樹…あ、あのさ』
佑馬のこと…どうしよう…。
明日の朝、一緒に行くときだって…気まずくならないかな。
4人で仲良く過ごせてた前までに戻れないのかな。
…でも、そんなこと言うのは佑馬に失礼だよね…。
祐樹には…やっぱり相談できないよ。
「なに?どうした?」
『あ、ごめん、なんだっけ、忘れちゃった…ごめんっ』
「うっわー、マヂそういうの気になるんだけど…」
『もういーの、忘れちゃったから!!』
もうすぐ家だ…
やっぱり佑馬が来たことだって口にできなかった。
すごい臆病者。
祐樹は「何しにきた?!」てしつこく聞くような人じゃないって分かってる。
でも、もし少しでも聞かれちゃったら?
ていうか…聞かない方がおかしいでしょ…。
上手くごまかす自信がなかった。
黙ってるのは…秘密にするのは、アタシには荷が重くて…。
黙ってることが辛いから、聞かれたらすぐ答えちゃいそうで。
「…んじゃ、」
『うん、ばいばい』
少し気まずい雰囲気を残して、アタシ達は別れた。
次の日。
「梓紗ー!」
『ごめんごめん…あ、れ?』
玄関を出ると、そこにはニコニコの良亮と少し澄ました祐樹。
佑馬は…いなかった。
『えーっと、佑馬どうしたの?』
理由なんて分かってる。
ただ、やっぱり聞かないのはおかしいと思ったから。
いないのに放っておける…あたし達はそんな間柄じゃない。
良「あー、なんかねえ行事近くて朝練とか言ってた!」
祐「あいつんとこに、今頃行事あったっけ?」
『へー…そうなんだ…』
良「んま、ぴーも頑張ってることだし!俺らも頑張ろうっ」
祐「何を?」
『何を?』
良「…またハモった…んまあ、色々だよ!」
祐「また適当にするもんなーお前」
『いーじゃん、色々頑張ろう!笑』
やっぱり…そうだよね。
そりゃー気まずいよ。
今日普通に来てくれて、いつもみたいに
「おせーよ!」なんて言ってくれるかな…って、
そんなのを期待してなかったって言ったら嘘になる。
佑馬がいるのが当たり前。
だったのに、ホントはそんなことなかったのに気付く。
祐樹と良亮がいつもと変わらない他愛もない会話ができるのは
今日佑馬がいないホントの理由を知らないだけ。
もし、2人が知っちゃったら…どうなるんだろう…。
でも佑馬のせいでこうなったわけじゃない。
いつか…必ず訪れる日が、少しだけ早く来た…それだけ。
『もーすぐ夏休みだねー』
祐「もう休みの話かよ!」
良「俺もそろそろ受験生意識しなきゃなー」
『お、そうだね!』
祐「えー、はっしが高校生…考えつかない…」
良「何それ、俺がずっとお子様ぽいってこと?!」
祐「そーいう意味じゃなくてさー」
『もう志望校決めてるの?』
良「うん、一応…でも今のままじゃそこに点数足りなくて…」
祐「大丈夫かよ」
『頑張ってよー』
良「頑張る!も少ししたらどこ目指してるか言うよ!」
祐「はいはい」
夏休み…か。
このまま佑馬が終業式まで来なくて、
夏休みに入っちゃったら…どうしよう…。
あー!…もう、こんなこと思うのは佑馬の気持ちに対して
失礼だって、ちゃんと分かってるのに…。
前みたいに戻りたいって…すごくそう思う。
でも佑馬の気持ち無視して、今までみたいに過ごすのって…
やっぱりおかしいのかな?
きっといつかはあたしも祐樹に想いを伝えるかもしれない。
こんな風に…なっちゃうのが怖くて、勇気がなくて…。
告白して、付き合いたい…とか思わないけど…、
多分…佑馬のあたしを想ってくれてる気持ちと、
あたしが祐樹を想ってる気持ちは似ているんだと思う。
「って聞いてる梓紗?」
『えっ』
祐樹に突然話しかけられてビックリした。
今は…昼休み。
色々考えすぎて、時間感覚も狂ってきてる。
『あー、ごめん何だっけか?』
「うわ、どこから聞いてないの?」
『うーん、最初からあ?笑』
「…も、いいや…はっしーに梓紗が勉強教えてあげればいんじゃん?」
『…え、』
「点数足りないって言ってたじゃん?」
『うん』
「夏休み、お前どーせ暇でしょ?はっしに教えてあげればいんじゃないかなーて」
『何であたしが暇だって分かんだよ!』
「…暇じゃないの?」
『暇だけどさ…』
「んじゃ、決定ね!」
もしかして…こいつ、変なこと企んでたりしない?!
『ちょ、待って!』
「何?」
『あんたさあ…何か変なこと考えてない!?』
「変なことって…何?」
『あ、あたしと良亮をどーにかしようとしてない?』
「…はあ?」
『わ、分かった!気にしないで!何でもない』
「んま、そー思うってことは、少しでもまだ意識してんだな♪」
『はー?そういう意味じゃないってば!』
「わーってるって」
アタシが気にしてんのは、良亮じゃないよ。
あたしと良亮が2人でいても、気にならないんだな…て。
すこーしだけ、ホント少しだけ、ショック受けただけ。
別に祐樹があたしをただの幼馴染だとしか思ってないのは、十分分かるし。
祐樹があたしらの中で1番幼馴染感が高いと思う。
『あーあ、こういうのを【辛い】っていうんだろーねえ…』
「は?なんか言った?」
『別にー』
今はとにかく、佑馬と顔を会わせたい…それだけ。
聞きたくなかった。
聞きたくなかった。
聞きたくなかった。
「B組の…佐倉さん」
祐樹の好きな人は…ふんわりとしていて可愛い女の子だった。
アタシなんて到底かないもしないような美人。
中学同じだったのに…何の素振りも見せてなかったのに…。
少しでもアタシじゃないかって期待したのがばかばかしい。
あーあ、やっぱりアタシって口走って後悔するタイプだ。
ホント、聞かなきゃ良かった。
祐「んで、ホントに協力してくれんの?!」
『す、するするっ!!するに決まってんじゃーんっ!!!』
祐「ホントか?まぁ、あんま変なことしなくていーよ、んじゃ」
『えー…』
あーあ、ホントヤダなぁ。
でも実際協力するって言っちゃったし…まずは佐倉さんと友達になんなきゃ。
そっから、色々聞きだして祐樹に伝えて…。
『もう…アタシの、ばーか』
「お、独り言かぁ?」
声がしてみて振り返ると、『ゆ、佑馬ぁ?!』
そこには手をヒラヒラとさせてニッコリ笑っている佑馬の姿が。
『は、はぁ?!なんでいんの』
佑「いやー…ねぇ」
『な、なによっ』
佑「んー…ちょっと遊びに来ただけーっ」
『遊びにって…アタシまだ居残りあるんだけど…』
佑「なにー?追試?」
『違うよ、バカっ!!資料まとめてって言われたの!!』
佑「ねぇつか、のんはー?」
『スルーかよ…さっきまでしゃべってたけど、どっか行っちゃった。
帰っちゃったのかも…』
佑「まさか、のんは梓紗置いて帰らないでしょ」
『そー…かなぁ』
周りの生徒がみんなブレザーなのに対し、
佑馬は1人学ランを着こなしている。
結構視線を感じた。
『まずさ、どっかの教室…入らない?』
そう言って入った教室はやっぱり自分の教室だった。
そこには大量に積み重ねられている、4つの紙の山が。
1つ山を覗けば【右から順に上にしてホチキスで留めて】とだけ書いてあった。
やるしかないねー、と机をガタガタと動かして、2つくっつけた。
「手伝うから、一緒やろ」
佑馬の笑顔が輝いた。
初めて見たかもしれない、佑馬のこんな顔。
いつものゲラゲラ笑ってて、すぐ調子に乗るような佑馬じゃないような気がした。
凛としてて、だけど少しあどけなさが残ってる…みたいな。
上手く表現できないけど…初めての顔だった。
『てゆーか佑馬何しに来たの??中にどーやって入ったの。
よくここまで先生に見つからないで来れたね』
「んー…何か意外に行けたよ?先生に会ったし」
『はぁ?スルーされたの?』
「うん、こんちぁー言ったら、はいこんにちわだって。俺学ランなのに」
『つ、強いな』
「うん」
そこからはしばらく沈黙で作業を進めた。
佑馬との沈黙なんて…初めてじゃないかな。
いつも佑馬が話しかけてくれるから、か。
んじゃ、アタシが話しかけてみよう…でも何て言えばいいのかな。
「あのさ、」
佑馬が沈黙を破った。
え?と言って顔をあげたアタシは驚いた。
さっきの微笑みとはまた別の、違う大人っぽいってゆーか、なんつーか。
『な、何、どした?』
「あ、あのさ」
『なんだよっ』
「密室で2人きり」
『ん?』
佑馬は下を俯いて、ポソリと言った。
アタシは何のことはよくわかんなかった…とゆうか聞こえにくかった。
「だから、教室で2人っきりなんだよ?今」
『う、うん』
今度はしっかり聴こえた。
だからといって、さっきと変った返事をする必要はなかった。
…なんで、そんなこと聞く?
すると、佑馬はパッと顔をあげた。
その顔はなぜかすごく悲しそうだった…今にも泣きそうな。
「やっぱり梓紗は俺を男として見るわけねぇーか」
『え、』
佑馬は突然悲しそうに呟く。
な、何それ。
よく、意味がわかんな「まだ分かんない?」……『うん、』
「だよな、ずっと兄弟だったし」
『待って、何、佑馬とは兄弟じゃなくて』
「そうじゃなくてさっ!!…恋愛対象じゃなかった、てこと」
う、……嘘。
『え、や、な、何ゆってんの、待って、』
「何年待ったと思ってる?」
『ちょ、ゆー、ま?』
「ずっと、梓紗が好きだった」
『う、うそでしょ、またゆーまのコトだからさ、冗談で』
「俺がこんな冗談つけるわけないじゃん」
『待ってよ、な、何で、何でアタシ?』
「ずっと好きだったって言ったじゃん、小学校の頃から好きだった。
理由なんてないよ、ただ1番好きだった、最初っから」
『今まで、ずっと…?』
「うん」
し、信じらんない。
アタシが祐樹のコトで揺れてる間、佑馬は想ってくれてた。
しかも時間だって半端ない。
小学校の頃からってことは…最低でも3年以上って…何で気付かなかった。
…そっか、佑馬もアタシと同じ気持ちだったんだ。
――――【この関係を壊したくない】
みんなお互いを家族のように思ってるから、自分よりも先に他の3人を考えちゃう。
今ここで想いを打ち明けたらどーなるのか、想像しただけで切なくなる。
佑馬は今、それを超えたんだ。
「ちょ、梓紗?!」
『な、なんだよぉ』
「だって、何泣いてんだよ、そんなに俺じゃダメか?」
『そーじゃなくて…』
涙が…勝手に流れ出てた。
佑馬の今までと、アタシに想いを打ち明けるのにどれだけ勇気が必要だったか。
今の関係を壊す、そーなったとしても佑馬はアタシを想ってくれた。
そう考えてたら、自然と今までのアタシがずるいように思えてきた。
自分のズルさと、佑馬の強さが……アタシの涙を誘った。
『佑馬が、どんなに悩んだんだろうって思ったら…泣けてきた』
「おいおい…しょうがねぇなぁ」
『だって、そんなの勇気いるじゃん、なのに、こんなアタシなのに…
ずっと佑馬の気持ちに失礼なコトしたこといっぱいあると思うし…』
「そ、そんなコト思わせるために俺告ったわけじゃないからっ!!
マヂ泣くなってっ!…もー、大丈夫だから、な?」
『嘘つけ、絶対苦しいほど悩んだくせに』
「別に、付き合ってってゆーわけじゃないから。
だた伝えたかっただけ。そのために今日来たのっ、最初から。
んじゃ俺帰るわ、のん居るんでしょ?いつも通りのんと帰ってっ…そんじゃ」
佑馬はアタシの肩をポンと押すと、アタシは少しフラついた。
佑馬の優しさと佑馬の強さが、温かく染みてきた。
教室を出て行った佑馬の背中はすごく大きくて、違って見えた。
アタシは泣きやんで、資料のまとめに入ろうとした時、祐樹は入ってきた。
祐「お、いたー。帰ったと思ってた…って、目ぇ赤くない?
何か…あったの?俺いない間に」
とっくに泣きやんでたはずなのに、祐樹は何故か泣いてたことに気付いてくれた。
あれからどれだけ経ったと思う?
目だってもう赤くないはずなのに。
なんで、なんで分かってくれたの。
今でもすごく泣きたいよ。泣きたいよ。泣きたいんだよ。
泣きたい、泣きたいよ、誰か……泣かせて、泣かせてよ。
『別に、泣いてないよー。何で泣くんだよ
あ、風かもしれない、さっきまで窓開けてたからさぁ』
「……無理すんな」
アタシは祐樹の言葉に全てを奪われた。
今まで引っ掛かってた心の奥のモヤモヤが解消されたみたいに。
我慢してた涙が次々に溢れ出した。
『ゆ、祐樹ぃ、祐樹ぃ……ゆーき…』
突然泣き崩れたアタシに引きもせず、静かに頭をなでてくれた。
アタシは今までにないほど泣いて、なかったコトにしようとしてた。
だけど、そんなコトできるはずなくて。
「大丈夫だから、泣け泣け、俺で解消しろ」
ちょっと照れくさそうに言った祐樹がすごくカッコ良かった。
アタシは…やっぱり祐樹が好きなんだよ。
…、ゆーまぁ…ごめんね?
聞きたくなかった。
聞きたくなかった。
「B組の…佐倉さん」
祐樹の好きな人は…ふんわりとしていて可愛い女の子だった。
アタシなんて到底かないもしないような美人。
中学同じだったのに…何の素振りも見せてなかったのに…。
少しでもアタシじゃないかって期待したのがばかばかしい。
あーあ、やっぱりアタシって口走って後悔するタイプだ。
ホント、聞かなきゃ良かった。
祐「んで、ホントに協力してくれんの?!」
『す、するするっ!!するに決まってんじゃーんっ!!!』
祐「ホントか?まぁ、あんま変なことしなくていーよ、んじゃ」
『えー…』
あーあ、ホントヤダなぁ。
でも実際協力するって言っちゃったし…まずは佐倉さんと友達になんなきゃ。
そっから、色々聞きだして祐樹に伝えて…。
『もう…アタシの、ばーか』
「お、独り言かぁ?」
声がしてみて振り返ると、『ゆ、佑馬ぁ?!』
そこには手をヒラヒラとさせてニッコリ笑っている佑馬の姿が。
『は、はぁ?!なんでいんの』
佑「いやー…ねぇ」
『な、なによっ』
佑「んー…ちょっと遊びに来ただけーっ」
『遊びにって…アタシまだ居残りあるんだけど…』
佑「なにー?追試?」
『違うよ、バカっ!!資料まとめてって言われたの!!』
佑「ねぇつか、のんはー?」
『スルーかよ…さっきまでしゃべってたけど、どっか行っちゃった。
帰っちゃったのかも…』
佑「まさか、のんは梓紗置いて帰らないでしょ」
『そー…かなぁ』
周りの生徒がみんなブレザーなのに対し、
佑馬は1人学ランを着こなしている。
結構視線を感じた。
『まずさ、どっかの教室…入らない?』
そう言って入った教室はやっぱり自分の教室だった。
そこには大量に積み重ねられている、4つの紙の山が。
1つ山を覗けば【右から順に上にしてホチキスで留めて】とだけ書いてあった。
やるしかないねー、と机をガタガタと動かして、2つくっつけた。
「手伝うから、一緒やろ」
佑馬の笑顔が輝いた。
初めて見たかもしれない、佑馬のこんな顔。
いつものゲラゲラ笑ってて、すぐ調子に乗るような佑馬じゃないような気がした。
凛としてて、だけど少しあどけなさが残ってる…みたいな。
上手く表現できないけど…初めての顔だった。
『てゆーか佑馬何しに来たの??中にどーやって入ったの。
よくここまで先生に見つからないで来れたね』
「んー…何か意外に行けたよ?先生に会ったし」
『はぁ?スルーされたの?』
「うん、こんちぁー言ったら、はいこんにちわだって。俺学ランなのに」
『つ、強いな』
「うん」
そこからはしばらく沈黙で作業を進めた。
佑馬との沈黙なんて…初めてじゃないかな。
いつも佑馬が話しかけてくれるから、か。
んじゃ、アタシが話しかけてみよう…でも何て言えばいいのかな。
「あのさ、」
佑馬が沈黙を破った。
え?と言って顔をあげたアタシは驚いた。
さっきの微笑みとはまた別の、違う大人っぽいってゆーか、なんつーか。
『な、何、どした?』
「あ、あのさ」
『なんだよっ』
「密室で2人きり」
『ん?』
佑馬は下を俯いて、ポソリと言った。
アタシは何のことはよくわかんなかった…とゆうか聞こえにくかった。
「だから、教室で2人っきりなんだよ?今」
『う、うん』
今度はしっかり聴こえた。
だからといって、さっきと変った返事をする必要はなかった。
…なんで、そんなこと聞く?
すると、佑馬はパッと顔をあげた。
その顔はなぜかすごく悲しそうだった…今にも泣きそうな。
「やっぱり梓紗は俺を男として見るわけねぇーか」
『え、』
佑馬は突然悲しそうに呟く。
な、何それ。
よく、意味がわかんな「まだ分かんない?」……『うん、』
「だよな、ずっと兄弟だったし」
『待って、何、佑馬とは兄弟じゃなくて』
「そうじゃなくてさっ!!…恋愛対象じゃなかった、てこと」
う、……嘘。
『え、や、な、何ゆってんの、待って、』
「何年待ったと思ってる?」
『ちょ、ゆー、ま?』
「ずっと、梓紗が好きだった」
『う、うそでしょ、またゆーまのコトだからさ、冗談で』
「俺がこんな冗談つけるわけないじゃん」
『待ってよ、な、何で、何でアタシ?』
「ずっと好きだったって言ったじゃん、小学校の頃から好きだった。
理由なんてないよ、ただ1番好きだった、最初っから」
『今まで、ずっと…?』
「うん」
し、信じらんない。
アタシが祐樹のコトで揺れてる間、佑馬は想ってくれてた。
しかも時間だって半端ない。
小学校の頃からってことは…最低でも3年以上って…何で気付かなかった。
…そっか、佑馬もアタシと同じ気持ちだったんだ。
――――【この関係を壊したくない】
みんなお互いを家族のように思ってるから、自分よりも先に他の3人を考えちゃう。
今ここで想いを打ち明けたらどーなるのか、想像しただけで切なくなる。
佑馬は今、それを超えたんだ。
「ちょ、梓紗?!」
『な、なんだよぉ』
「だって、何泣いてんだよ、そんなに俺じゃダメか?」
『そーじゃなくて…』
涙が…勝手に流れ出てた。
佑馬の今までと、アタシに想いを打ち明けるのにどれだけ勇気が必要だったか。
今の関係を壊す、そーなったとしても佑馬はアタシを想ってくれた。
そう考えてたら、自然と今までのアタシがずるいように思えてきた。
自分のズルさと、佑馬の強さが……アタシの涙を誘った。
『佑馬が、どんなに悩んだんだろうって思ったら…泣けてきた』
「おいおい…しょうがねぇなぁ」
『だって、そんなの勇気いるじゃん、なのに、こんなアタシなのに…
ずっと佑馬の気持ちに失礼なコトしたこといっぱいあると思うし…』
「そ、そんなコト思わせるために俺告ったわけじゃないからっ!!
マヂ泣くなってっ!…もー、大丈夫だから、な?」
『嘘つけ、絶対苦しいほど悩んだくせに』
「別に、付き合ってってゆーわけじゃないから。
だた伝えたかっただけ。そのために今日来たのっ、最初から。
んじゃ俺帰るわ、のん居るんでしょ?いつも通りのんと帰ってっ…そんじゃ」
佑馬はアタシの肩をポンと押すと、アタシは少しフラついた。
佑馬の優しさと佑馬の強さが、温かく染みてきた。
教室を出て行った佑馬の背中はすごく大きくて、違って見えた。
アタシは泣きやんで、資料のまとめに入ろうとした時、祐樹は入ってきた。
祐「お、いたー。帰ったと思ってた…って、目ぇ赤くない?
何か…あったの?俺いない間に」
とっくに泣きやんでたはずなのに、祐樹は何故か泣いてたことに気付いてくれた。
あれからどれだけ経ったと思う?
目だってもう赤くないはずなのに。
なんで、なんで分かってくれたの。
今でもすごく泣きたいよ。泣きたいよ。泣きたいんだよ。
泣きたい、泣きたいよ、誰か……泣かせて、泣かせてよ。
『別に、泣いてないよー。何で泣くんだよ
あ、風かもしれない、さっきまで窓開けてたからさぁ』
「……無理すんな」
アタシは祐樹の言葉に全てを奪われた。
今まで引っ掛かってた心の奥のモヤモヤが解消されたみたいに。
我慢してた涙が次々に溢れ出した。
『ゆ、祐樹ぃ、祐樹ぃ……ゆーき…』
突然泣き崩れたアタシに引きもせず、静かに頭をなでてくれた。
アタシは今までにないほど泣いて、なかったコトにしようとしてた。
だけど、そんなコトできるはずなくて。
「大丈夫だから、泣け泣け、俺で解消しろ」
ちょっと照れくさそうに言った祐樹がすごくカッコ良かった。
アタシは…やっぱり祐樹が好きなんだよ。
…、ゆーまぁ…ごめんね?
良「あ、梓紗ぁ…」
『もぉ…良亮そんなに泣かないでってばぁ』
良「のんとぴぃも…何で一気に卒業なんだよぉー」
佑「うっせぇなぁ、しょうがねぇーだろって」
祐「とりあえず泣くな笑」
『もーっ、佑馬だって泣き目なってんじゃぁんっ!!』
佑「はぁ!?なってな……くねぇーか笑」
祐「おい、もらい泣きすっから泣くなってマヂでぇ!」
そう言ってアタシ、佑馬、祐樹は良亮を残して中学校を卒業した。
その時見たみんなの泣き顔は一生忘れられないものになるんだと思う。
Childhood friend love? 01
祐「あずさぁー」
『はぁーい、待ってぇ』
佑「俺らさぁ…中学ン時と変わってないな」
良「登校することだけだったらね…みんな制服違うし…
学校行ったら俺は誰1人いねぇんだぞ?!」
佑「俺だっていねぇし!!」
良「その分いーよねっ、のんは」
佑「梓紗が教室に!!いるからねぇ…??」
良「ホントは付き合ってんじゃないのー?」
祐「お前ら…冗談もほどほどにしろよ…?」
アタシ達は4人、小さい頃から家族ぐるみで付き合わされた仲。
初めて出会った時の記憶すらのない程。
それでも、なんでも良亮だけが1人、1つ年下で、取り残されることが多かったと思う。
……現に今そーだしね…。
家も近くて、小学校1年生から4人で登校してる。
今はアタシと祐樹が咲王高校、佑馬が真崎高校、良亮が赤川中学校。
アタシと祐樹が同じクラスなんて…想像もしてなかったけどね。
『ごめんーっ、佑馬、学校間に合う?!』
佑「残念ながらこれくらい余裕ですっ、いつもより3分も早ぇからね」
祐「ははっ、その言い方っ!!超癪に障る!!」
良「俺さぁ…今日日直なんだよねぇー…」
祐「は、早く言えよっ!!」
『は、早く言ってよ!!』
こうして毎日同じように生活が続いて行くと思ってた…。
だけど、そう簡単には、いかないんだね。
アタシは思い知らされた。
『ったくさぁー、参ったよねぇ良亮。
いっつもギリギリでそーいうコト言うじゃんっ?!しっかりしろーって笑』
祐「ねぇ、やっぱり梓紗さぁはっしのコト抜け切れてないんじゃない??」
『は、はぁ?!何言ってんの』
アタシは中学校の時、良亮が好きだった。
2年生になった頃から3年生の途中まで。
卒業する時には小学校の頃と同じような気持ちに戻ってた。
アタシは良亮を好きだったとき、祐樹を相談相手にしてた。
『今は良亮のコト、幼馴染の好きとしか思ってないからっ!!
結構前に言わなかったっけ?【やっぱりアタシの良亮を好きな気持ちは恋愛じゃない】って』
祐「言われたよ。でも嘘つくことだってできるじゃんっ」
『アタシは祐樹に嘘ついたって言いたいのかー?』
祐「そーじゃないよ、ま、梓紗が違うってんなら俺はそう思うけどっ!!」
『だからそーなのっ』
…いつからだろう。
アタシが祐樹を好きなのは。
これは幼馴染の兄弟感覚での好きじゃない筈。
だって、良亮の時と全然違うから。
でも佑馬にも良亮にも相談なんて、できなかった。
多分、祐樹に相談できたのは自分でもこの気持ちは、
恋愛じゃないってどこかで気付いてたからだ。
でも今のアタシはどう?
きっとこの気持ちを打ち明けたら今のままじゃいられなくなる。
毎日が同じように繰り返されなくなる。
今が1番楽しい、そう思うから……余計言えなくなるんだよ。
祐「あそ。じゃぁ後で【やっぱり好きみたーい、協力して】なんて言われたって
ぜってぇ協力なんてしねぇかんな!!」
『絶対ありえませんーっ』
祐「ふーん笑」
アタシばっかりイジメられて、少し腹が立った。
そんな口角を片方だけ上げて笑う祐樹もカッコよくて、
こっちがちょっと意地悪をしてやりたくなった。
『そーゆう祐樹はどーなんだよぅ』
祐「…俺?!なんで俺に振るんだよ、そこで」
『その顔は好きな人いるってコト?!』
祐「なんですぐそーなる…」
『んじゃ、いないの?!』
祐「え、と…そーいう訳じゃなくなるかもだけど」
ずん、とアタシの身体に突き刺さった。
祐樹はアタシの知らないところで誰かと付き合ったり、
誰かを好きになるなんて想像もしていなかったから、重かった。
別に、自分が自意識過剰とかじゃなくて…家族のような存在だったから…。
でもこの気持ちは家族じゃない。
それを自覚してるアタシには相当な重さがのしかかった。
『だ、誰?!』
祐「なんでお前に言わなきゃいけないんだよっ」
『いーじゃん、アタシだって良亮の時打ち明けたじゃんっ』
祐「それとは別だろーが」
『同じーっ!!』
祐「ちげーよっ!!」
『…教えてくれたっていいじゃん、協力するよ?』
バカ。
協力なんてできるはずないのに。
祐樹が好きな子を見てトロンとなってる目なんか見れるはずもない。
それなのにアタシはすぐに勝手に口走る。
それで後になって後悔するんだ。
自分でもよーっく分かってるよ。
祐「まぢでー…?」
『う、うんっ!!できることならね』
祐「あー…ほんっと言いたくないんだけど…言えばいいの?」
『うんっ』
祐「B組の…佐倉さん」
『う、うわっ、めっちゃ可愛い子選ぶねぇ祐樹も!!
やっぱり男子はかっわいーい子が好きなんだよねぇ…』
祐「うせぇ!」
聞きたくなかった。
『もぉ…良亮そんなに泣かないでってばぁ』
良「のんとぴぃも…何で一気に卒業なんだよぉー」
佑「うっせぇなぁ、しょうがねぇーだろって」
祐「とりあえず泣くな笑」
『もーっ、佑馬だって泣き目なってんじゃぁんっ!!』
佑「はぁ!?なってな……くねぇーか笑」
祐「おい、もらい泣きすっから泣くなってマヂでぇ!」
そう言ってアタシ、佑馬、祐樹は良亮を残して中学校を卒業した。
その時見たみんなの泣き顔は一生忘れられないものになるんだと思う。
Childhood friend love? 01
祐「あずさぁー」
『はぁーい、待ってぇ』
佑「俺らさぁ…中学ン時と変わってないな」
良「登校することだけだったらね…みんな制服違うし…
学校行ったら俺は誰1人いねぇんだぞ?!」
佑「俺だっていねぇし!!」
良「その分いーよねっ、のんは」
佑「梓紗が教室に!!いるからねぇ…??」
良「ホントは付き合ってんじゃないのー?」
祐「お前ら…冗談もほどほどにしろよ…?」
アタシ達は4人、小さい頃から家族ぐるみで付き合わされた仲。
初めて出会った時の記憶すらのない程。
それでも、なんでも良亮だけが1人、1つ年下で、取り残されることが多かったと思う。
……現に今そーだしね…。
家も近くて、小学校1年生から4人で登校してる。
今はアタシと祐樹が咲王高校、佑馬が真崎高校、良亮が赤川中学校。
アタシと祐樹が同じクラスなんて…想像もしてなかったけどね。
『ごめんーっ、佑馬、学校間に合う?!』
佑「残念ながらこれくらい余裕ですっ、いつもより3分も早ぇからね」
祐「ははっ、その言い方っ!!超癪に障る!!」
良「俺さぁ…今日日直なんだよねぇー…」
祐「は、早く言えよっ!!」
『は、早く言ってよ!!』
こうして毎日同じように生活が続いて行くと思ってた…。
だけど、そう簡単には、いかないんだね。
アタシは思い知らされた。
『ったくさぁー、参ったよねぇ良亮。
いっつもギリギリでそーいうコト言うじゃんっ?!しっかりしろーって笑』
祐「ねぇ、やっぱり梓紗さぁはっしのコト抜け切れてないんじゃない??」
『は、はぁ?!何言ってんの』
アタシは中学校の時、良亮が好きだった。
2年生になった頃から3年生の途中まで。
卒業する時には小学校の頃と同じような気持ちに戻ってた。
アタシは良亮を好きだったとき、祐樹を相談相手にしてた。
『今は良亮のコト、幼馴染の好きとしか思ってないからっ!!
結構前に言わなかったっけ?【やっぱりアタシの良亮を好きな気持ちは恋愛じゃない】って』
祐「言われたよ。でも嘘つくことだってできるじゃんっ」
『アタシは祐樹に嘘ついたって言いたいのかー?』
祐「そーじゃないよ、ま、梓紗が違うってんなら俺はそう思うけどっ!!」
『だからそーなのっ』
…いつからだろう。
アタシが祐樹を好きなのは。
これは幼馴染の兄弟感覚での好きじゃない筈。
だって、良亮の時と全然違うから。
でも佑馬にも良亮にも相談なんて、できなかった。
多分、祐樹に相談できたのは自分でもこの気持ちは、
恋愛じゃないってどこかで気付いてたからだ。
でも今のアタシはどう?
きっとこの気持ちを打ち明けたら今のままじゃいられなくなる。
毎日が同じように繰り返されなくなる。
今が1番楽しい、そう思うから……余計言えなくなるんだよ。
祐「あそ。じゃぁ後で【やっぱり好きみたーい、協力して】なんて言われたって
ぜってぇ協力なんてしねぇかんな!!」
『絶対ありえませんーっ』
祐「ふーん笑」
アタシばっかりイジメられて、少し腹が立った。
そんな口角を片方だけ上げて笑う祐樹もカッコよくて、
こっちがちょっと意地悪をしてやりたくなった。
『そーゆう祐樹はどーなんだよぅ』
祐「…俺?!なんで俺に振るんだよ、そこで」
『その顔は好きな人いるってコト?!』
祐「なんですぐそーなる…」
『んじゃ、いないの?!』
祐「え、と…そーいう訳じゃなくなるかもだけど」
ずん、とアタシの身体に突き刺さった。
祐樹はアタシの知らないところで誰かと付き合ったり、
誰かを好きになるなんて想像もしていなかったから、重かった。
別に、自分が自意識過剰とかじゃなくて…家族のような存在だったから…。
でもこの気持ちは家族じゃない。
それを自覚してるアタシには相当な重さがのしかかった。
『だ、誰?!』
祐「なんでお前に言わなきゃいけないんだよっ」
『いーじゃん、アタシだって良亮の時打ち明けたじゃんっ』
祐「それとは別だろーが」
『同じーっ!!』
祐「ちげーよっ!!」
『…教えてくれたっていいじゃん、協力するよ?』
バカ。
協力なんてできるはずないのに。
祐樹が好きな子を見てトロンとなってる目なんか見れるはずもない。
それなのにアタシはすぐに勝手に口走る。
それで後になって後悔するんだ。
自分でもよーっく分かってるよ。
祐「まぢでー…?」
『う、うんっ!!できることならね』
祐「あー…ほんっと言いたくないんだけど…言えばいいの?」
『うんっ』
祐「B組の…佐倉さん」
『う、うわっ、めっちゃ可愛い子選ぶねぇ祐樹も!!
やっぱり男子はかっわいーい子が好きなんだよねぇ…』
祐「うせぇ!」
聞きたくなかった。