ドリーム小説
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「ねーえ、少しはかまってよー」
『ダメ!落ちる!!』
ただいま1つ上の彼氏の照とあたしの家でデート中…
って堂々と言えたらいいんだけど。
もうすぐ高校受験を控えている。
あたしはバリバリ受験勉強中…。
「大丈夫、お前頭いいから落ちないよ!
だからちょっとはかまってくれてもいいじゃあ~ん!!」
本当は2学期の時点でちゃんと志望校決めてた。
でもやっぱり照と同じ高校が良いな…と不覚にも思ってしまった。
照は何も言わないから別にいいんだろうなと思ってたから、
あたしはそこに行くつもりだった。
でも志望校最終決定先を学校に提出する締め切り1日前。
電話がきた…照から。
「ごめん、黙ってたけど…我慢してたけど言うわ!
お前と同じ高校がいい!どこ受けんの!?
お前がこっち来ないんだったら、俺がそこに編入する!!」
とか言い出した。
嬉しかった、死ぬほど。
嬉しかった、死ぬほど。
でもさすがに照の編入なんて無理に近いし…。
というか自分は女子高に行くつもりだったので確実に無理だった。
『あたしが行くよ』
そうは言ったものの…
照の学校は特殊学科ばかりのところで、
あたしが行こうとしていた普通科のところとは全然違う。
1から勉強やり直しって言われた時は血の気が引いた。
「ねー、なんでそんなに勉強すんの?」
『照のせいでしょ』
「俺のせい?!だから俺が行くってば~」
『ばっかじゃないの?!女子高だから…』
「じゃ、しょうがないじゃん!ねっ?」
『お蔭で睡眠不足ですよ…』
カリカリ勉強を続ける…
あたしだってせっかく一緒にいるんだからかまいたいよ…
分かってよ、照!!
「…じゃ、ちょっとだけ」
『え?』
さっきまでとは違う低いトーンの声で言われた。
勉強してるあたしを後ろから抱き締めた。
いつもはギューッて強くなんだけど、
今はいつもとは違って、ふわっと包まれてる感じだった。
『何?どうしたの?』
「何が?」
『なんかいつもと違くない?』
「優しいから?」
『…うん』
「俺だっていっつも力任せに抱き締めないよ」
『そっか…』
「今はね…充電中なの」
『あたしの?』
「俺のだよ」
勉強だって、照にかまうの我慢してるのだって、全部照のため。
歳だって1つ下だけど、対等に接してくれるし。
照だって忙しいのに、こうして受験勉強見に来てくれたりするし。
(ちょっと集中できなくなるけど、それがなんだか嬉しい…)
そんな照が大好きだから、あたしはこうして頑張れるんだ。
『ひかる…』
「ん?」
『あたし頑張るね』
「おう…ていうかお前にばっかり頑張らせてごめん」
『あたしが勝手に頑張ってるだけだもん』
「…あっそ」
頭をあたしの首にすりすりしてくる照。
…嬉しいくせに、とか思っちゃう。
うそ、嬉しいのはあたしの方。
あたしは鎖骨らへんにある照の右手に、あたしの左手を絡ませた。
いつもは絶対こんなことしないけど…
なんだか急に照が可愛くなっちゃって、触らずにはいられない。
きゅーっと恋人つなぎにした。
「お?」
『…』
「珍しいね、そゆことしてくんの」
『たまには…』
「照れちゃって」
『照れてない』
「はいはい」
そしたら照が急にギューッて手を握ってきた。
お得意の力加減を考えない、最強の握力で。
『いっ…たいから!』
「だって俺の手いじいじしてるの可愛くて」
『可愛くない』
「可愛いよ~」
『じゃあもうしないもん』
「あら、離しちゃった」
今度は抱きしめてくれていた腕の力もグッと強くなる。
あ、いつもの照の感じだ。
『ん~…』
「何?」
『こっちのがいい』
「強さ?」
『うん』
「お前、俺のこと大好きなのね」
『…』
「黙っちゃった」
『好きじゃなきゃこんなに頑張らないもん』
「……そうだね」
より一層ギューッてしてくれた。
…照だ。
「よし!じゃあお前はまた頑張りなさい」
なんか切ない感じもしたけど、あと少しの我慢だ。
『うん』
ふと離れ際に照の口があたしの耳元に近づく。
ひっ、とちっちゃく声が漏れそうになったのを堪えて。
『ちょっと!そーいうこと言うとさあ!!』
「何?集中できなくなっちゃうー?」
『~~~っ、もう!!』
「顔真っ赤だよ?どうした?」
『べ、勉強するの!静かにして!!』
「はーい」
『愛してるよ』
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