忍者ブログ
ドリーム小説
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
【ごめんきょういけなくなった
 なんかフラフラする
 
 
 
 
 
 
翔太からそれだけのメールが届いた。
 
 
 
「え?!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
待ち合わせの1時間前。
家を出て、駅に向かってる途中だった。
 
いつもは絵文字でキラキラなのに、文字だけ…。
しかも漢字に変換されきれてないあたり、相当ヤバいんじゃないか…。
 
 
【フラフラって…熱はあるの?!】
 
そう送ろうとしたけど、無理させたくないなと思い、
送信せずに携帯を閉じる。
 
 
 
 
(翔太ん家に変更だ…)
 
 
もう1度携帯を開いて【いまいく】とだけ打って送信した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
翔太の家に着く。
チャイムを鳴らしても物音はしなかった。
…寝てる?
恐る恐るドアを開けてみると、鍵はかかってなかった。
 
 
「おじゃましまーす…」
 
 
 
渡辺家に人の気配はしなかった。
 
翔太の部屋に直行。
 
 
 
 
 
 
 
「しょーた?」
 
 
 
ゆっくりとドアを開けると、ベッドで毛布にくるまって壁を向いてる翔太。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「フラフラするなんてレベルじゃないじゃん…もう」
 
あたしは翔太に近づき、毛布を少しだけ剥いでみた。
 
 

 
 「しょーた!!」
「…な、なんでいるの?!」
 
聞いたことがないくらい弱々しい声で静かに驚いた。
 
「メールしたじゃん」
 
「え…分かんなかった…」
 
「鍵開いてたよ?」
 
「あ……閉めるの忘れてた…」
 
「もう…しっかりしてよ~…ってそんな状態じゃないか」
 
 
 
ごめん…と呟いて、またもぞもぞと毛布にくるまり元の態勢に戻りだした。
 
 
 
……可愛い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あ、ちがう!
可愛いじゃない!看病しなきゃ!!
 
 
「翔太、熱測って?」
 
「ん~…めんどい」
 
「…もー、じゃあこっち向いて?」
 
「………ヤダ」
 
「な、なんでよ!」
 
「……だって今の俺超情けないじゃん。
 デートさぼってあげくに彼女に看病してもらうってありえない…」
 
 
 
 
 
アホじゃないの…この可愛い子。
 
 
「ヤダじゃない!看病くらいさせてよ!
 お父さんとかお母さんいないの?妹さんは?」
 
「親は2人で2泊3日の海外出張で、妹は部活の遠征で1泊」
 
「じゃあ翔太ずっと1人じゃん!」
 
「ん~…」
 
 
 
もうしゃべるのしんどいのかな…。
汗も掻いてるし、呼吸もどことなく忙しない感じするし…
 
「ごめんごめん、しゃべるのしんどいよね。
 もう話しかけないから仰向けになって?お願いだから」
 
んん…と言いながら素直に仰向けになる翔太。
…どうしよう、可愛すぎる!
 
 
 
「熱、測らなくてもあるよね…冷蔵庫開けるね?
 おでこに貼るの持ってくるよ」
 
 
「ヤダ」
 
「え?」
 
 
 
 
 
 
部屋を出ようとしたら何かにグンッと引っかかった感覚。
 
 
振り返ると、服を翔太に引っ張られてた。
 
あと少しあたしが動くとダランとなってしまいそうな程弱い力で。
 
 
 
 
 
「どうした?」
 
「……いて」
 
「へ?」
 
「行かないで…ここにいてよ…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
キューン
 
 
素直!
素直だし、なんかすごい弱ってる!可愛い!!
 
「いかないよ、ちょっと取ってくるだけだから…ね?」
 
 
そう言って頭を撫でてみた…翔太のこと撫でるなんて初めてなんだけど。
 
翔太はふいーっと気持ち良さそうに目を細めたかと思うと、ちょっと考えてから
 
 
「ん」
 
と言って手を離してくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
戻ると、スヤスヤ眠ってる翔太がいた。
 
(急いできたのに…)
 
 
 
そっとおでこに手を添えてみる…すごく熱い。
辛いよね、大丈夫だよ、そばにいるからね。
 
 
前髪をあげて、額の汗を拭いて、シートを貼る。
顔もすごく汗を掻いてたからポンポンと起きないように拭いてあげて…
 
 
 
 
 
すーすーと、寝息をたてて寝る翔太がすごく愛おしく思えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次に気付いた時は翔太の顔は目の前にあって、唇には違和感があった。
 
 
 
 
…あ、無意識にキス……かぁ。
 
 
 
 
 
 
 
 
気付いた自分に恥ずかしくなって、
 
そっと翔太の手を握ってあたしも一緒に寝ることにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
*数日後
 
 
「何熱出してんだよ」
 
「翔太からうつったんじゃないの…」
 
「近くにいたからってうつるもん?」
 
「……………そうじゃない?」
 
 
 
「お前、寝てる俺に熱うつるよーなことしたんでしょ」
 
 
ニヤニヤしてる。
 
この前の可愛い天使の寝顔はどこいったんだ…。
 
「し、してないし…」
 
「動揺してる…まあお前のことだからキスくらいで済んだ?」
 
「う、うるさい!」
 
「病人がデカい声出すなよ!」
 
「………もうヤダぁ」
 
「俺が看病してやるってw」
 
「…怖いな」
 
 
 
 
「ほらほら、早く眠りなさいっ♪」
 
 
 
 

拍手

PR
 
『本日も始まりました、ザ少年倶楽部ー!!』
 
 
 
 
あ、始まった。
 
あ、祐樹出てきた!カッコいいな…
 
 
祐樹…今日もまたこんなにカッコつけちゃってさ。
 
 
 
 
 
 
彼氏の祐樹はジャニーズJr.で活動中…というか活躍中。
 
少クラは毎回かかさずチェックしてるし、雑誌も買ってる。
 
ひとまず見て瞬間的に思うのは「カッコいい」。
 
でもそれから少し経つと「遠いな」って淋しくなる。
 
 
あたしには祐樹しかいないのに、
祐樹にはたくさんの人がいるって思っちゃう。
あたしも祐樹を応援してるファンのうちの1人…なのかな。
 
 
 
なんか今日は深く考えすぎちゃう。
いつもは夢中になれるのに…こんなことばっか考えてる自分がヤダ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「遠いなあ…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「何が?…俺じゃないよね?」
 
 
 
 
 
 
 
声がした。
 
ふっと何かの糸が切れたように安心する声。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「野澤祐樹が遠いんだよおっ……!」
 
 
 
 
 
振り返ると、バカだな、とでも言いたそうな口角の上がった笑顔。
 
なんでいるの?とか、稽古あるんじゃないっけ?とか、
色々思わなきゃいけないことはあったんだろうけど、
目の前に祐樹がいることが嬉しくて、それだけしか考えられなかった。
 
 
 
 
 
「ゆうきぃ…」
 
 
「そろそろ考えすぎてる時期かな、と思いましてね」
 
「ばかぁ…」
 
 
 
 
 
あたしは祐樹の腕もしっかりぎゅーっと抱きしめた。
 
 
 
だってなんか、捕まえとかないとどっかに行っちゃいそうで。
 
 
 
 
 
 
 
 
参ったな…腕ごと?」
 
 
 
 
祐樹は「はは…」と笑いながら、むりむりとあたしの腕の中から腕を出した。
 
 
腕が出た瞬間、バランスを崩して祐樹にもたれかかる。
 
 
 
「う、わ」
 
「…淋しいのはお前だけじゃないんだから」
 
 
 
 
 
 
そう言って頭をポンポンしてくれた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「俺が好きなんはお前だけ。
 
 
 
 
 遠いとか言わないの…俺が悲しくなるでしょ」
 
 
 
「ごめんね…あたしも祐樹だけだよ」
 
「んなの知ってるよ?改めてありがとう」
 
 
 
 
「ばか…」
 
 
 
 
 
 
 
 
「でもそんな俺が好きなんでしょ?」
 
 
 
 
「大好きだよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「じゃ、もうちょっとこのままでいよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

拍手



久しぶり!
 
 
 
 
照、久しぶり!!
 
 
 
 
 
 
…なのに。
 
照はさっきからずっと寝てる。
だって会えたの1ヶ月ぶりなんだよ?
照の仕事とか稽古、あたしの部活とかカブっちゃってて、
やっとの思いで重なった休みなのに…!!
そりゃあもう寝てれば色々し放題なんだけど…そこは我慢するもん。
起きてて意識のある照じゃなきゃ意味がない!
 
外に遊びに行くのもいーけど、
家でゆっくり照を充電したいなーって思ってたのに。
 
 
照のバカーー!!
 
 
 
 
 
「いいもん…雑誌見るし」
 
「…ぇ?」
 
 
あたしは小さい声で照に対抗してみた。
寝言なのか、かすかに聞こえて反応したのか分かんないけど、
ちっちゃい返事が返ってきた。
 
 
 
 
ペラペラとページをめくる…あ、照だ。
 
あたしといるときとは違う笑顔。
作ってるのかな?
…そう思って別の雑誌を見ると、メンバーと笑い合ってる顔があった。
あ、この顔はあたしと居る時もしてくれるな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
疲れてんのか。
 
 
 
そうだよね、1ヶ月ほとんど毎日仕事だし。
あたしだって毎日部活だったけど、
照みたいに人と接したり、人前に立ったりしてるわけじゃないし。
 
疲れてんのか…ごめん、照。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「何泣いてんの」
 
 
 
 
 
ふわっと後ろから抱きしめられた。
 
雑誌がゴンッと床に落ちる。
 
落ちた音にビックリして床を見る…涙が落ちてた。
 
 
 
 
…泣いてたみたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
「…だよな、泣くよな、全然会ってないもんな…」
 
 
「ちが…、違うよ、ごめん泣くつもりなかったのに…」
 
 
 
「うん…」
 
 
 
 
ちっちゃく頷くと、ぎゅーって強く抱きしめられた。
 
「ひか、る…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちょっとだけ我慢して…もうちょっとでいいから」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やっぱり疲れてるんだね…。
ごめんね、バカとか思っちゃって。
あたしが音立てたから起きちゃったのかな…
寝てて良かったのに、気付くのが遅かったね。
ごめん、静かにしてれば良かったね。
 

 
 
会えてなくて寂しいのはあたしだけじゃなかったんだ、って思ったら
すごく嬉しくなったのと同時に、すごく切なくなった。
 
 
「照、ちょっと放して」
 
「…え?」
 
 
 
 
 
 
そう言ってあたしは照の手をほどいた。
 
 
 
 
「あたしだって、充電したいもん…」
 
 
 
 
 
 
振り返って照に抱きついた。
 
照はビックリしたみたいだったけど、
すぐにぎゅーって抱き返してくれた。
 
 
 
「ちょっとじゃなくていーよ、照」
 
「…ん」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
会えなくても、照のことずっと好きな自信あるよ。
 
でも、たまにはこうしてお互い充電し合おうね。
 
そしたらまた頑張れるから。
 
 
 

拍手


ただただ泣くアタシに祐樹はただ傍にいてくれた。
理由は聞かないで、そっと肩を抱いてくれていた。
ちょっと経って、泣きやんできた頃にアタシは祐樹を離れた。

『ごめ……突然、もう大丈夫だから』 
「そかー、まぁ言って解消できるんなら俺使っていーからさ。
 あんまためんなよー、ストレスは身体に悪いからさ…、んじゃ帰るかー」

気にしないふりをしてくれてるのか、
いつもより少し高めのトーンで、適当な感じに答えてくれた。
アタシ…やっぱり祐樹が好きなんだ…ごめん佑馬。

『うん…でも資料まとめろって言われてて…』
「…どうすっかなぁ、やる?」
『……めんどくさい』
「おいおい笑」
『先生に言ってくるよ、祐樹玄関行ってて!!』
「分かったぁー」

どうしよう…、アタシ。
祐樹に相談…した方、いいのかな。
でも佑馬の気持ち、考えなきゃ。
付き合っててゆーわけじゃない、そー言ってたけど…。
でも、どんな結果でもアタシは佑馬とは付き合えないだろーし。
かと言って、祐樹と付き合おうなんて感情も全くない。

やっぱり、いつまでもずーっと今のままなんて…無理だったんだ。



『あ、ごめんね!祐樹』

先生に了承を得たアタシは祐樹のもとへ走った。

「はいはいー、んじゃ行くか」
『うん、』

やっぱりさっきのことがあった後だもんな…
祐樹の方が気まずいよね…
少しの間、ちょっと居心地の悪い沈黙が続いた。

『ねえ…』
「…ん、っん?」
『(油断してたな…)佐倉さん…どーなった?』
「ど、どーなったって…別にどーしようとも思ってないよ」
『何それ!好きなんじゃないの?!』
「なんかさ…付き合いたいとかって好きじゃないのかもなーって。
 普通に可愛いなって思うくらい?」

…ばか
どんだけ悩んだと思ってんだ。

『それ、本気で言ってる?』
「んま…結構本気?」
『はあ…もう、ふざけんなよぉ』
「なんでよ」
『ど、どどうやって協力すればいーか分んなかったの!!』
「あそー」

…、
祐樹が可愛いと思ってただけっていうのを聞いて、
安心したのもあったけど、
もう逃げ道はない、とも確信した。
本当に好きじゃないかどうかわからないけど…
祐樹が信じてくれたようにアタシも祐樹信じよう!

『祐樹…あ、あのさ』

佑馬のこと…どうしよう…。
明日の朝、一緒に行くときだって…気まずくならないかな。
4人で仲良く過ごせてた前までに戻れないのかな。
…でも、そんなこと言うのは佑馬に失礼だよね…。
祐樹には…やっぱり相談できないよ。

「なに?どうした?」
『あ、ごめん、なんだっけ、忘れちゃった…ごめんっ』
「うっわー、マヂそういうの気になるんだけど…」
『もういーの、忘れちゃったから!!』


もうすぐ家だ…
やっぱり佑馬が来たことだって口にできなかった。
すごい臆病者。
祐樹は「何しにきた?!」てしつこく聞くような人じゃないって分かってる。
でも、もし少しでも聞かれちゃったら?
ていうか…聞かない方がおかしいでしょ…。
上手くごまかす自信がなかった。
黙ってるのは…秘密にするのは、アタシには荷が重くて…。
黙ってることが辛いから、聞かれたらすぐ答えちゃいそうで。

「…んじゃ、」
『うん、ばいばい』
少し気まずい雰囲気を残して、アタシ達は別れた。



次の日。

「梓紗ー!」
『ごめんごめん…あ、れ?』

玄関を出ると、そこにはニコニコの良亮と少し澄ました祐樹。
佑馬は…いなかった。

『えーっと、佑馬どうしたの?』

理由なんて分かってる。
ただ、やっぱり聞かないのはおかしいと思ったから。
いないのに放っておける…あたし達はそんな間柄じゃない。

良「あー、なんかねえ行事近くて朝練とか言ってた!」
祐「あいつんとこに、今頃行事あったっけ?」
 『へー…そうなんだ…』
良「んま、ぴーも頑張ってることだし!俺らも頑張ろうっ」
祐「何を?」
 『何を?』
良「…またハモった…んまあ、色々だよ!」
祐「また適当にするもんなーお前」
 『いーじゃん、色々頑張ろう!笑』

やっぱり…そうだよね。
そりゃー気まずいよ。
今日普通に来てくれて、いつもみたいに
「おせーよ!」なんて言ってくれるかな…って、
そんなのを期待してなかったって言ったら嘘になる。

佑馬がいるのが当たり前。
だったのに、ホントはそんなことなかったのに気付く。
祐樹と良亮がいつもと変わらない他愛もない会話ができるのは
今日佑馬がいないホントの理由を知らないだけ。
もし、2人が知っちゃったら…どうなるんだろう…。
でも佑馬のせいでこうなったわけじゃない。
いつか…必ず訪れる日が、少しだけ早く来た…それだけ。

 『もーすぐ夏休みだねー』
祐「もう休みの話かよ!」
良「俺もそろそろ受験生意識しなきゃなー」
 『お、そうだね!』
祐「えー、はっしが高校生…考えつかない…」
良「何それ、俺がずっとお子様ぽいってこと?!」
祐「そーいう意味じゃなくてさー」
 『もう志望校決めてるの?』
良「うん、一応…でも今のままじゃそこに点数足りなくて…」
祐「大丈夫かよ」
 『頑張ってよー』
良「頑張る!も少ししたらどこ目指してるか言うよ!」
祐「はいはい」


夏休み…か。
このまま佑馬が終業式まで来なくて、
夏休みに入っちゃったら…どうしよう…。
あー!…もう、こんなこと思うのは佑馬の気持ちに対して
失礼だって、ちゃんと分かってるのに…。
前みたいに戻りたいって…すごくそう思う。
でも佑馬の気持ち無視して、今までみたいに過ごすのって…
やっぱりおかしいのかな?
きっといつかはあたしも祐樹に想いを伝えるかもしれない。
こんな風に…なっちゃうのが怖くて、勇気がなくて…。
告白して、付き合いたい…とか思わないけど…、
多分…佑馬のあたしを想ってくれてる気持ちと、
あたしが祐樹を想ってる気持ちは似ているんだと思う。



「って聞いてる梓紗?」
『えっ』

祐樹に突然話しかけられてビックリした。
今は…昼休み。
色々考えすぎて、時間感覚も狂ってきてる。

『あー、ごめん何だっけか?』
「うわ、どこから聞いてないの?」
『うーん、最初からあ?笑』
「…も、いいや…はっしーに梓紗が勉強教えてあげればいんじゃん?」
『…え、』
「点数足りないって言ってたじゃん?」
『うん』
「夏休み、お前どーせ暇でしょ?はっしに教えてあげればいんじゃないかなーて」
『何であたしが暇だって分かんだよ!』
「…暇じゃないの?」
『暇だけどさ…』
「んじゃ、決定ね!」

もしかして…こいつ、変なこと企んでたりしない?!

『ちょ、待って!』
「何?」
『あんたさあ…何か変なこと考えてない!?』
「変なことって…何?」
『あ、あたしと良亮をどーにかしようとしてない?』
「…はあ?」
『わ、分かった!気にしないで!何でもない』
「んま、そー思うってことは、少しでもまだ意識してんだな♪」
『はー?そういう意味じゃないってば!』
「わーってるって」


アタシが気にしてんのは、良亮じゃないよ。
あたしと良亮が2人でいても、気にならないんだな…て。
すこーしだけ、ホント少しだけ、ショック受けただけ。
別に祐樹があたしをただの幼馴染だとしか思ってないのは、十分分かるし。
祐樹があたしらの中で1番幼馴染感が高いと思う。



『あーあ、こういうのを【辛い】っていうんだろーねえ…』


「は?なんか言った?」

『別にー』




今はとにかく、佑馬と顔を会わせたい…それだけ。

拍手

<< 前のページ 次のページ >>
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新コメント
最新記事
(05/09)
(12/02)
(11/30)
(03/25)
(12/30)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
美羽莉
性別:
女性
職業:
高校生
趣味:
パソコン
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
カウンター
アクセス解析
アクセス解析
忍者ブログ [PR]