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ドリーム小説
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幼馴染から恋人へ



それは、とてつもなく突然の出会い。
あれから12年の年月が経った。
そんなアタシ達の物語は、きっとあの日から再スタートしたんだ。











アタシは、橘梓紗。高校3年生。
幼馴染の雄也とは、小学校1年生の時からクラスがずっと一緒。
それに、雄也は中3の時に突然ジャニーズ事務所に入り、
今ではかなりの人気絶頂アイドルに。
それに、2007年にははHey!Say!7としての活動、同年9月にはジャニーズ新ユニットの、
Hey!Say!JUMPのメンバーとしても活躍してる。
J.J.Expressとしても活動していたから、雄也の身体が壊れないかいつも心配。
でも、テレビで笑って歌ってる雄也を見ると安心できる。
たまに「カッコつけてんなぁ」とか思うこともあるけど・・・笑

・・・アタシはそんな雄也が好き。

気づいたときには、もう遅かった。
Jr.に入ったことにより、雄也の知名度は瞬く間に上がった。
背も高いし、顔もカッコいいんだろう。歌も上手い方だと思うし、バスケ部だし。
誰もが憧れるバスケ部の先輩、みたいな校内人物になってきてる。
すれ違う女子は通り過ぎざまに振り返り、改めて雄也を見てノロける。
アタシが一緒になんかいたりすれば、聞こえるようにコソコソ言われていた。
そんなアタシが今更告白したってどう?
他に可愛い子はいっぱいいるだろう。
昔から一緒にいるアタシには恋愛感情なんてないでしょ?
そう思うと、しようしようと思っていても、想ってもないことを口走ってしまう…。
でも、アタシはあの時から変われたんだ。
あの日の、あの言葉をかけられた、あの瞬間から・・・―――。



バシッ!
「痛っー」
「あー、悪ィ悪ィ、手が滑ったぁー」
「あ、ちょ、雄也、絶対わざとっしょ」
「何の話ー笑?じゃあ、俺は当番あるから先行きますー」
「あ、そう?遅れんなよー?」
「わぁーってるって!いちいちうるせぇなぁ、梓紗は!」

雄也は走って行った。
グランドの真ん中を走っていく雄也はカッコよくて。
校舎の窓から顔を出している女子生徒が声をあげて見てる。
雄也は気にしないのか、気付かないのか、ただただ走ってる。

その時、雄也のポケットから何かが落ちる。
・・・・えーっと、何コレ。・・・鍵??
家の鍵?自転車の鍵?まあ、何の鍵でも後で返しておかなきゃ。
まったく、拾ったのがアタシじゃなかったら雄也、終わってたね笑
すぐに何の鍵か調べられて、すっごい危ない目に遭うかもだし…。
今日中に、返す機会、あるかなぁ・・・?




・・・現在6校時目。
いまだに返す機会がなく、鍵はアタシの手元に。
どうしたらいいかなー。掃除始まったら返す機会ないし。
かと言って、放課後部活終わるまで待ってるってのも、無理ない?
彼女じゃないんだし、そんなコトしても迷惑って思うかも…。
雄也ー、アンタ鍵落としたんだよー、気付いてないのー??
ねえー、雄也ってば―。鍵、いつ渡せばいいー??
そんなコト思ってたら雄也のコトをずっと見てた。
少し離れたトコにある、雄也の姿を、ずっと。

・・・・・?!

え?なんで?なんで、今、目が合ったよ?
なんで?!へっ・・・!?授業中に目が合うなんて、そんな偶然…ないよね?
お互いがお互いの姿を見ようとしなきゃ、ないよね・・・?
それとも、そんな感情はなくて、ただ視線が合っただけ?
でもでも、え、雄也・・・ちょっとだけ期待してもいいのかなぁ・・・。



「きりーっつ、れぇえーい、さよーならあー」
「さよならー」

・・・残念ながら今もまだ鍵はアタシの手に。
クラスで雄也と話すコトなんて、あんまりないから、返す機会がないよーっ。
あ、今。
「雄也ー、ねえ、ちょっと渡したいものが「ごめん!」」
「え、何?」
「あ、それって今じゃなきゃダメ?今、超急いで部活行かなきゃいけねぇの!ごめんな!」
「え、いや、ままま、すぐ終わるから!」

そう言ったけど、アタシの声は雄也には届かず、廊下を走って行ってしまった。
今日は、仕事ないのかなぁーとかボーッとしながら雄也の後ろ姿を見る。
雄也が1つ教室を通り過ぎる度に女子生徒の歓声があがる。
・・・妙に心に突き刺さった。
アタシも、もしかしたら、そうやって教室の出窓から雄也を見て、
きゃあきゃあと、友達と歓声をあげてる方が良かったのかも知れない。
例えその恋が憧れで終わったとしても、自分は貴方が好きと言うことを、
安易に伝えることが可能なのだから。それが叶わない恋だとしても。
・・・だけど、ただ歓声をあげているだけの女子たちには分からない雄也を、
アタシはいっぱい知っている。
それだけは堂々と胸を張って言える。
だけど、それを人に知られるのも、自分だけに閉まっておくのも、もったいない。
アタシはそんな、ズルい人間。

アタシは、そんな走ってる雄也の後ろ姿にポツリ呟いてみた。



「雄也、好きだよ」









その声は、貴方の背中には届かなくて。









「うあー、呼び出しくらうとかどんだけだよーっ!」
「梓紗!声デカいって!とりあえず、カバン持ってきな。
 ウチ、ここで待ってるから」
「・・・あー、いいよ!先帰ってても、ちょっと用事あるし」
「マヂでー?じゃあ、帰っちゃうよ?」
「うん、じゃあねー♪」
「うん、気をつけて帰れよー♪」
「バカすんなってwじゃあねー!!」

・・・1人になっちゃった。
今は5時半。夕日が差し込んで辺りはオレンジ色に染まる。
でもまあ、雄也の鍵、持って帰っちゃって家に入れないとかって
家に来られても困るし……まぁ、嬉しいんだけど。
部活中でも、靴の上とかカバンの上とか、目につく所に置いて帰ろう。
まず、教室にアタシのカバン取りに行かなきゃなぁー・・・ん?










「・・・・雄也?!」




そこには、机に座って何か考え込んでる雄也の姿が。
オレンジの光が角度良く雄也の顔を照らす。
丁度よく影の付いた雄也の姿はいつもより、一段とカッコよく見えた。
アタシは嬉しくて驚いて大声を出してしまった。




「あ、梓紗ー!!まだ学校にいたの」
「え、あ、うん・・・何してんの?」
「ちょっとさー、俺、探しものしてて。超大事なんだって、アレ!」
「何探してンのー・・・?」
「えっとね、鍵でね、キーンホルダーとかはついてなくてね、
 どこでなくしちゃたんだろー!!!」
「・・・雄也、」
「何?」
「もしかして、これのこと」

そう言ってアタシは、手の中の鍵を雄也に見せる。
すると、たちまち雄也の顔は笑顔になり、アタシの手を握る。


「マヂで?!梓紗持ってたのかよ!もっと早く言えよ~っ!!」
「いや、だってさ、返す機会なくて・・・」
「え、返す機会なくてってコトは結構持ってたってこと??」
「うん、朝から」
「うわーマヂで?朝から無かったもーんっ!教室行ってポケット見たら無くてさー!」

こうやって、雄也と自然体で話せる時間が何よりもうれしい。
アタシはこんな時間をずっと望んでたんだろう。

「あのさ、梓紗」
「なにぃ?」

「俺さ、授業中にあみと目ェあった時に決めたんだ」
「な、なにを?」

少しだけ、ほんの少しだけ期待しているアタシがいる。


「俺、梓紗が好きだ。ずっと長い間一緒にいたけど、この気持ちに気付いたのは、
 俺がジュニアに入ってすぐで。言いたかったけど、言いだせなくて」

雄也がアタシを好き?なんかの冗談じゃないの?
だって、雄也はジャニーズだし、ファンの子いっぱいしるし、
そんな中でアタシが好きなんて、思ってもみなかったし、
なんかもう訳わかんなくなってきたし!雄也はまだアタシの手、掴んでるし!!!

「ままま、待って!頭が、回らなくて、どういうこと?」
「いや、だから、俺は、梓紗が、好きなの!」
「・・・・え?!嘘?!ホントに???そんな、待ってヤバい!
 嬉しすぎて、涙出てきたぁーっっっ!!!」
「え?ってコトは、梓紗も、俺のコト好きなん??」
「ああああ、当たり前じゃん!アタシなんか、もう、好きで好きでたまんなかったんだから!」
「うわ、何そのキレ口調の告白っ!超うけるwww」
「うるさいっ!雄也が急すぎなんだってば!!!!」

嬉しくて嬉しくて、涙止まんないし、雄也が超笑顔だし、
力入んないし、もう、立てなくなってくるし。でも雄也が目の前にいる。


「こんな俺でも、付き合ってくれますか?」
「こんなアタシでも、付き合ってくれますか?」


こんな一言から、アタシの世界は一瞬にして変わった。
12年間の付き合いだもん、これからずっと壊れるコトはない。
いつも一緒にいたけど、これからの“一緒”は今までの“一緒”は違うんだ。
雄也のファンの子から恨まれるかも知れない。
仕事の面でも影響が出るかもしれない。
でも、そんなこと考えてる時間はなかった。
だけど、1つ堂々と胸を張って言えることが1つあります。



アタシは、雄也のおかげで変わるコトができた。








この先何があっても、雄也を愛せなくなるなんて、一生ないってこと。

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