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ドリーム小説
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Can I love? *six* ~main side~

 


「おはようー」

裕翔といつものように登校してたら涼介が来た。
向こうが何か「はは…」って感じで笑うから、どーしたらいいか分かんなくなった。
なんなんだよー

『な、あのさぁ、涼介どーした最近?』
「はっ?俺なんかした?」
「何何??何の話?」

裕翔が異様なテンションで涼介を覗き込む。
なんだよっ!!!って言って手で払いのけてたけど。

『なーんか、最近涼介の態度がおかしい。しかも急に』
「なんでー?」

裕翔がまた覗き込む。
何か楽しそうだったし、涼介がどんな顔してんのか気になったからアタシも覗く。

『なによー!』
「うっわ、お前までやんなっつの!!!」
『ひど、アタシは怒るんだぁー…』
「つか、普通やらないでしょ!!」

やっぱりおかしい…。

「あ!!!」

涼介が叫ぶ。

「何?忘れもの?」
「いや、言うの忘れてた!!!」
『どした』
「突然だけどって今日の朝電話きてさ、【明後日から1週間孤島ロケやるから】だって。
 明後日…水曜日でしょ?そっから来週の木曜だか金曜までらしいよ」
『えー何それーいいなぁ』
「楽しそうでしょっ♪神木クンとかとも結構仲良くなったんだよ」
「へぇー今度紹介してよ」
「裕翔に紹介すると、取られるんだよなー…」
「何言ってんの山ちゃん!!いつ僕が取ったって?!」

裕翔はそう言うと【ねぇ?】って怪しげな笑顔でアタシを見た。
アタシはゆっくりうなずいた。
すると涼介は「ばーか」って言って裕翔を叩いた。
なんなんだか。

『りょーすけぇー』
「何だよ」
『志田さんって…志田未来ちゃんでしょ??』
「うん」
『今度アタシにも紹介してよー!!!』
「えーっ…別にいいけど…」
『じゃぁ、神木クンも!!!神木クンとかいいよねー?!』
「そーだね…。すごい優しい人だよ」
『裕翔と今度撮影現場行ってもいい??』
「俺も巻き沿い?!…なんて、俺も行きたいんだけどー??」
「うん。じゃぁいいよ。今度聞いてみるから」
『大丈夫、未来ちゃんは取らないからっ♪』
「どーいう意味ですか、それ」

まぁ、涼介みたいなおちゃらけさんが未来ちゃんみたいな
大人っぽい子を好きになるわけないかー。
未来ちゃんが涼介を好きになる事はもっぱらねーな笑。
神木クンとも会ってみたいなー。



「じゃぁ、来週の金曜までさよなら!!!携帯は通じるらしいから」

気がつけば水曜日だった。
涼介は朝早くにアタシに電話をよこした。
内容はそれだけだった。
アタシは寝ぼけてたせいで「いってらっしゃーい」と言った記憶しかなかったから、
学校に行く途中でメールを送った。
【撮影頑張ってねー。寝坊と風邪に注意しろよ笑!!!金曜、無事に帰ってください♡←】
そしたらそっけなく「了解」のみだった。

裕翔に「何送ってんの?」って言われたけど
「別にー」って言ったら「山ちゃんにラブメールでしょー?」だって。
「違いますー」って控え目に言ったけど、実際ビックリした。
何で涼介にって分かったんだろう…ラブメールは違うけど笑

携帯が鳴った。 
裕翔と笑ってた自分から我に返って携帯を開く。
…はっしーからだ。

【今日山ちゃん行くんだよね??孤島に行くなんて羨ましいね。いつ帰ってくんの?】
【無事に撮影が終われば来週の金曜日だって。アタシも行きたーい!!】

「今度は誰ー?」
『秘密ー』
「ていうか、登校中にメールしちゃって…先生にバレたらヤバいでしょ」
『大丈夫だよー』

【金曜日かぁ…。ありがとー♪何かあったら山ちゃんの代わりにでもメールしてね☆
 あ、裕翔がいるのか。ま、よろしくー♪授業ガンバっ】

メールを見終わり、携帯を閉じた瞬間、裕翔に携帯を取られた。
アタシは突然過ぎてあっさりと奪われてしまった携帯に手を伸ばす。
生憎裕翔はアタシよりも背が高くなってきてる。
しかも、最近急に。
だから、思いっきり手を伸ばして上の方で携帯をイジってる裕翔の手にある携帯は
アタシの手の届く場所には無かった。

『んなー…!!!何見てんの?!メール見てんの?!やめてよー!!!』
「いいじゃんっ別に♪見られてイヤな内容を送ってるとか?!
 …あ、やっぱり山ちゃんにメールしてんじゃーんっ」
『だからなんだよー!!別にいいじゃんよー!!!』
「別にいいなら教えてくれてもいいじゃんっ」
『うるさいなぁ』
「うわ、その次ははっしーだ。どんだけだよ、この小悪魔女!!」
『は、何が小悪魔女だよ!!別にいいじゃんって!!!』

すると、1人声の高い子が入ってきた。

「ねぇねぇ、2人とも声がデカいですよ??」

ハッと気付くと、結構な声のデカさだったらしい。
周りにチラチラ見られてる。
注意してくれたのは、侑李クンだ。
ニコニコ笑ってるけど…ホントは怒ってそー…。

『ご、ごめんね』
「梓紗が声デカいんだよ、基本的に」
『はぁ?!またそーいうコト言うから声デカくなるんでしょーが!!!』
「声デカいのは自覚してるんだ笑」

3人で笑いながら学校に行くけど、何か物足りない。
ホントは何が足りなかったのか気付いてたけど、気付かないフリしてたのかもしれない。
このまま、気付かないで過ごせれば何も変わらないでいれるって…。
自分はどこかで気付いてたんだと思う。
あー…どうしてあの時気づいちゃたんだろう。
気付いたって切ないままなのに。

だけど、今のアタシは「物足りない」だけで終わった。
そこまで考えることをしなかった。
まだ【気付いていないアタシ】だった。

~*END*

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