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ドリーム小説
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宏光…待って、宏光
 
 
いや、行かないで…お願い…!
 
 
 
あたしを置いてかないでよ!
 
 
 
 
 
 
「梓紗!」
 
 
 
 
 
 
 
目が覚めた。
 
 
目の前には宏光が覗き込んでいた。
 
 
 
 
…保健室?
 
 
 
「お前…大丈夫か、」
 
「ごめん、よくわかんない」
 
「倒れたかと思ったら、今度は呼吸荒くなるし…」
 
「…ごめん」
 
「いや…なんともない?」
 
「…うん」
 
 
 
「…どした?」
 
 
 
 
 
宏光の声が優しく響いた。
 
「何か…変な夢でも見たの?」
 
 
 
 
 
 
 
 
思い出した。
 
 
宏光があたしを振り返らずにいなくなっちゃう夢。
 
 
 
 
「…ええ?!何、何したってば!」
 
 
気づけば泣いてた。
 
別に最近宏光が冷たいわけじゃない。
 
ただ少し、宏光があたしを面倒くさく思ってるように思う。
 
そんなに深く考えてはいなかったけど、
 
夢に出てきちゃうほどだった…精神的にヤバかったみたい。
 
 
 
「ううん、なんでもない…ごめん」
 
「言って」
 
「いや…大丈夫だから」
 
「言って…ね?」
 
 
 
 
負けた
 
 
「宏光がいなくなる夢見た」
 
 
「ば、ばっかじゃないの?」
 
「ばかってなによ!」
 
「俺がいなくなるわけないでしょ?お前の前から」
 
「そう…思ってるけど…」
 
わかったから離せって…な?」
 
「え?」
 
 
 
あたしは宏光の腕をぎゅーっと掴んでいた。
 
無意識のうちに、宏光がどっか行かないように掴んでた。
 
 
 
「あ、…ごめん」
 
パッと手を離す。
 
ちょっと…不安になった。
 
 
「大丈夫、俺はどこにも行かないよ」
 
優しくなでてくれた。
 
 
もうこんなに好きになる人はできるはずないよ。
 
ずっと一緒に居てね…
 
 
 
 
 
「絶対俺の方がいつも心配してるって」
 
「なんで?」
 
「今日みたいに倒れるなんて…一切想像してないから!」
 
「いやー、うん、それはごめん」
 
「ま、いっか!梓紗の可愛いとこも見れたしw」
 
「…うるさいなあ」
 
 
「そんな顔するんだったら、どっか行っちゃうよ?」
 
「…そーいうこと言う…」
 
「冗談だって!」
 
 
 
 
 
 
 
 
「心配すんな、
 
 お前がどんなに離れて欲しいって言っても
 
 絶対離れないから!」
 
 

拍手

 
 
ねぇ…お前はいっつもアイツばっかり。
 
 
 
こっちは見てくんねーの?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「橘ーっ」
 
 
「お、二階堂ーっ、何?」
 
「別にー…ただ呼んでみただけー」
 
 
 
「ははっ、何だそれ」
 
 
 
そう言ってほほ笑みかけては、また戻っちゃう。
 
 
 
 
 



 
だって、声かけないと一生こっち向かない気がして。
 
 
 
 


 
 
ずーっと、アイツばっかり見てる。
 
 
 
 
 
俺の方なんか全然向いてくれないんだもん。
 
 
 


 
そんなの…橘可愛いんだから、
 
告ったらすぐ付き合えちゃうじゃん。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
たまにはこっち見てよ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ん?二階堂なんか言った?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いや?別に」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この声が届くだけ、いいと思おう。
 
 
 
 
 
 
 
 
繋がりがあるだけいーじゃんか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…それだけじゃ満足できないのに、




自分にいいきかせてみたり。








大丈夫、

もっと素敵な人が見つかるって。










なーんて、思えればいっそ楽なのに。



 
 

拍手

 
「ふっかあーっ!よし、今日も行くぞ」
 
「…行くぞって…、学校でしょ?もう…」
 
「そんなめんどくさそうな顔しないでくださーい?」
 
「梓紗が元気過ぎなだけしょ…?」
 
 
 
 
 
そんな俺らは親同士の付き合いがあってか、
誕生日が近く、生まれた病院も同じ…なんて、
生まれてこの人の隣を離れたことがないんじゃないか…と、
思うくらいずーっと、一緒に居て飽き飽きしてる…
 
なーんて、一切思ったことない。
やっぱり幼馴染しか知らない一面とか…あるんだよね。
そーいうの見ちゃうとやっぱり…
 
 
俺、梓紗好きなんだな、
 
なんて改めて1人で実感し、恥ずかしくなったり笑、
もうこれ以上進展はないなあー、とセンチメンタルになったり苦笑、
まあ色々ですね。
 
 
 
 
 
「おいー、深澤って橘と付き合ってんのー?」
 
「えー?別に付き合ってはない」
 
 
梓紗は意外に隠れファンみたいなのが多い。
先輩にも後輩にも、結構多いみたいだ。
今日聞かれたのは隣のクラスの友達…
 
「何?お前梓紗好きなん?」
「いっやー、俺じゃなくて友達がさー、可愛いて言ってて。
 深澤いつも一緒だから付き合ってんのか聞いてきて!みたいな?」
「あー、まあ…付き合ってはないけど」
「んじゃそいつに言ってきてもいい?」
 
 
「付き合ってないけど、渡すつもりはない…て言っといて?」
 
 
 
 
…と、俺は何人に言ったものか。
彼氏じゃないのに、渡す気はない…どんだけ傲慢だ笑。
でも何故かそれは梓紗の耳には一切入ってないみたいだった。
多分…俺がそーいう感情で言ってることに誰も気づいてないから?
そうしてるうちに、梓紗には好きな人ができて…、
俺の知らないとこで俺の知らない誰かと付き合ったりするんだ…。
 
 
早く幼馴染を抜け出したい。
 
 
 
 
 
「あーもう…いつになったら終わんの?
 
 
 
 
 
「何がよー?」
 
 
「うっわ、お前いつからいんだよ」
 
 
 
そこには不思議そうな顔して…でもちょっと笑った梓紗。
 
 
「何が?教えてよっ」
 
「いや、別に…?お前には言えないこと」
「何それっ、ひっど!」
 
「だってお前絶対引くし…困ると思うし?」
 
「じゃあ絶対引かないし、絶対困らない…ど?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「お前といつになったら幼馴染終わんのかなー…みたいな?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…だよねー。
 それ、あたしもずっと思ってたんだよ」
 
 
 
「は?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いつ、ふっかが言ってくれるかな…なーんて笑」
 
 
 
 
 
 
 
 
「ば、…ばっかかお前!」
 
「照れなくていーじゃんっ」
 
 
 
 
 
「今日から…幼馴染じゃなくて、
 ふっかはあたしの彼氏ねっ♪」
 
「…都合いーな、全く…」
 
「嬉しいくせにっ」
 
「…はあ…、もう」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「深澤先輩っ」
「何ー?」
「橘先輩といつも一緒いますよね」
「おー」
「橘先輩って美人っすよね」
「そーだねえ」
 
「友達が今度告りたいって言ってるんすけど…
 
 見込みあるか聞いてもらえますか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「俺は彼女を渡す気ない…て言っといて?」
 
 
 
 
 

拍手

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