ドリーム小説
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「大丈夫?」
「え?」
仲の良かった友達が、引っ越ししちゃったの。
公園に行ってくる、そう言ってアタシは家を出た。
お家では泣けなかったから、公園のブランコに揺られながら。
声を殺しながら泣いたアタシに手を差し伸べてくれた。
何歳くらいだった?
記憶が曖昧だったから、3.4歳だったかな…?
曖昧だけど…鮮明に思い出せる。
顔を上げるとそこには3人の男の子。
全員の顔が奇麗な夕日の逆光で見えなかった。
その中でも手を差し伸べてくれた子…、
少しだけ微笑んでる、目から鼻筋だけが見えた。
そっと手をとり、ゆっくり起き上がらせてくれた子。
横の2人は心配そうにアタシを見ていた。
「そろそろ帰ってきなさーい」
3人の誰かのお母さんかな?
キレイな女の人の声が聞こえてきたのを覚えてる。
はーい、と言ってみんな行っちゃった。
アタシに手を伸ばしてくれた子は、「じゃあね」と言って、
2人を追いかけるように、遅れて走ってった。
最後に走ってった子からポトンと何かが落ちた………A?
何かにくっついてたと思われる、ちっちゃな金属で銀色したA。
「おとしたよっ」
幼いながら声をかけても、小さくて届かなかった。
その後何日か公園に行ってみたけど、あれから1回も逢えなかった。
知らない間に、アタシはその子をAの男の子と呼んで、
恋をしてしまった。
今も好きかどうかと聞かれれば、
少し悩むけど、忘れてしまうことはないんじゃないかな。
今でも少し、行方を追ってる――――。
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