ドリーム小説
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「梓紗ーっ♪」
「ほら、今日の朝の分きたよっ」
「早綾…うるさいなあ」
「梓紗っ、今日も可愛いねっ☆」
「可愛くないから」
「そーいう冷ややかな感じに否定するとこも可愛いw」
「翔太、ほんっと梓紗好きだよね」
「うん、もう、めっちゃ好き!」
「もー…分かったってばあ…」
「え、じゃ付き合ってくれんの?!」
「それとは別」
なんてのが毎日の繰り返し。
なぜ翔太が突然こんな感じになったのかは不明。
「可愛い」
て突然言われて、訳がわからず赤面する暇もなく笑。
そのまま何日間か「可愛い」と言われ続け、
最終的には毎日「好き」と言われる始末に。
「もー、ホント翔太なんなの?!」
「付き合っちゃえばいーのに」
「何言ってんの!?…知ってるくせに」
「知ってるよー!…宮舘のこと好きなことでしょ?」
「うっわ、ばか!声デカいよ!」
「翔太の友達だし…だから突き放せないのもある?」
「全くない!」
「あ、そ」
あたしは宮舘が好き。
クラス替えで「校内で人気のある宮舘」と有名だったアイツと
同じクラスになったのが原因。
校内人気なんて、どんだけ調子乗ってんだ…と思った矢先だった。
一目惚れ。
いや、前から廊下ですれ違ったりだとかはあったけど
同じクラスになって少し気になり始めて。
席が近いのもあって、すぐに仲良くなれた。
…そこで宮舘の友達だった翔太がでてきたんだ。
初めのうちは普通にしゃべってた…けど。
やっぱ突然の「可愛い」発言で、宮舘もそういう目に。
【翔太は梓紗が好きだから俺、遠慮しとこ】
みたいな?
でもまー、今みたいな関係が崩れるのも嫌だな…
とか思い始めてる。
翔太を口実に宮舘と話すことだって多いし…。
でも、その時も少し遠慮気味なんだけどね;
翔太のことはアタシと早綾は冗談だととらえてるし。
「あーあ、何でだよー!」
「何が?」
「翔太!」
「何が何でだよなの?」
「え、声に出てた?!」
「逆に出てないと思ってたんだ…そこが可愛」
「分かったよ、んで可愛くないから!」
「で?何が?」
「え、っとー…宮舘のこと」
「あー…」
「俺の前ですんな…って感じ?」
「うん☆」
「もー…そういうことを…」
翔太もあたしが宮舘を好きなのを知ってる。
それでも好き好き言ってるんだもん…冗談でしょ。
「そろそろさー」
「何?」
「告っちゃえばいーんじゃん?」
「はあ?!」
「あ、宮舘!」
「ちょ、何してんの!」
「何?呼んだ?」
「いや!呼んでない!大丈夫!」
「あ、そ?」
「…梓紗言えばいーのに」
「なんかその、翔太に協力してもらったてのがヤダ!」
「なにそれー」
「何?何の話してんの?」
「い、っや!別に…こっちの話…」
「何だよ2人してー、ホントは付き合ってんじゃないの?」
「ないない!」
「えー、そんな全否定しなくてもいーじゃん!」
「まー翔太がそんなうちは付き合ってくれないんじゃない?!」
「そうそう!」
「えー…」
なんて、普通の会話もできるんだけど。
でもやっぱ翔太がいないと会話ができない…なんて。
ちょっとそんなこと思ったり。
できなくはないんだけど、翔太がいた方が心強い?
「ほら、帰りの好き好き来たよ」
「梓紗ー、明日も可愛く来てね」
「なんだそりゃ」
「要するに、常に可愛いってこと☆」
「ほらー、来たよ猛アピール笑」
「翔太ー、帰んぞー」
「うーい」
「やっぱさー、翔太のあれは冗談なのかな?」
「何?今更気になってるの?」
「いやーそういう訳じゃないんだけどさ」
「じゃあ何?」
「翔太にも【宮舘に告れば】て言われてさ」
「まー梓紗見てれば、そー思うことは少なくない」
「うっわ、ひどいな」
「だってアンタら、絶対両想いだよ?」
「やめてよ!そーいうポジティブなこと言うの!」
「んじゃ、明日告ってみなよ」
「…できたらね」
「あー!じゃああたしがセッティングしたげる!」
「はー?」
「呼び出してあげるよ!」
「ああ…そりゃあどうも…」
次の日、何やらあたしは宮舘に告ることになってた。
何か…緊張して眠れない、なんてこともなく、
告白するって決めてもこんなもんなのかな、って感じで…。
でも何か…、もやもやするものがずーっとあった。
それは緊張とかフラれるのが怖いとか…
そーいうことじゃなくて、なんてゆーか…。
放課後
「梓紗!宮舘呼び出しといたから!」
「うん…」
「何?緊張?」
「いやー、今日翔太と話してないなと思ったり」
「そういえば、今日好き好きないよね」
「ま、いっか!屋上だよねっ!行ってくる!」
「頑張れ!」
あたしは早綾に後ろ姿で手だけかざして歩き始めた。
でも少しだけ…翔太が気になった。
あんなに毎日話しかけてきた翔太が、今日だけ…
今日だけ一切話しかけてこない…。
これって何かの前兆?
「あ、」
「…梓紗」
「なんでこんなとこいんの、翔太」
翔太に会った。
なんかいつも違う雰囲気。
顔がキリッとしてる…っていうのかな?
「何、そんな顔して」
あたしは少しほほ笑んだ。
そしたら翔太はいつもとは違う顔になった。
くしゃっとした笑顔じゃなくて、ふわっとしたほほ笑み。
「今から、行くんだっけ?宮舘んとこ」
「あー…うん」
「頑張れよ…」
「あ、ありがとう…何?なんかあったの?」
「…って言いたいんだけどさあ…」
「ん?」
「ごめん、
……行かないで」
「…え?」
「だよなー…だって俺が【告れば?】て言ったんだもん。
そりゃーびっくりするよね」
「え?何?ごめん、よくわかんない…いつもの翔太じゃないよ?」
「梓紗が…好きなんだけど」
…翔太?
何?ちょっと待って?
「な、何改まって!そんなの毎日聞いてるよ!」
「違う…今までのが冗談て言ったら嘘になるけど、今回のは本気。
俺は、真剣に梓紗のこと好きです…
これでフラれたら諦めようと思ってる。
今までみたいに軽々しく可愛いなんて言わないよ」
「ちょっと待って、ずるいよ…あたし今から…」
「分かってる!…すごく困らせてるのは分かる…でも、
梓紗が宮舘のものになってから伝えるんじゃ遅いと思った…」
「翔太?」
「ごめん、突然…返事は今すぐじゃなくていーから。
今は宮舘に想い、伝えてきて…」
そう言ってて、翔太はあたしに背中を残して去った。
あたしは少し経ってから、屋上へ足を運んだ。
「ごめん、待たしたでしょ?」
「ん、いや…だいじょうぶ」
宮舘はフェンスに寄りかかり、風を浴びてた。
風に髪がなびいて、すごくカッコいい…って、
いつもなら思うはずなのに…翔太で頭がいっぱいだった。
「話しって?」
「話し…あ、ああ…ごめん、あのさ」
「ちょっと待った!…俺から言いたいんだけど」
「え?」
「俺、梓紗のこと好きだった!」
「みや、だて…」
「なんか、梓紗の方がそんな気しないって感じだったし、
呼び出したの、早綾だし?
実際来てみたら、なんかホントに浮かない顔だし。
だから俺から言った!」
「宮舘…あのさ、」
「いーよ、今じゃなくて。
悩んでるんだったら、解決してきて。
俺は待てるけど…梓紗は今じゃないとダメなんじゃない?」
優しかった。
宮舘に「好き」って言われるなんて、全然想像してなかった。
でも、素直に嬉しいと感じることができなかった。
早綾に両想いだって言われても、何か引っかかった。
でも、なによりも
翔太に「宮舘に告れば」…そう言われた時が、
1番もやもやして、何か、すごく嫌だった。
翔太が好きなんだ。
「ごめん、あたし、行ってくる!」
「頑張れよ!」
「うん!」
頑張れよ、そー言った宮舘は清々しい顔をしてた。
翔太が「頑張れよ」て言ったときなんか、
もう見ていられないくらい、切なくて悲しそうな顔だった。
翔太のいつもと違う【好き】を聞いた時、
「なんでいまなんだろう」
って、率直に思った。
その答え、なんでなのか今なら分かる。
翔太が好きだから!
「翔太!」
誰もいない廊下に1人、渡辺翔太の姿があった。
振り返ってくれない。
もう、遅いの?
返事、待ってはくれなかった?
待ってくれるって言ったじゃん!
「翔太ってば!」
「え?」
「翔太!」
なんか掴んでないと、遠くに行っちゃいそう。
あたしはとっさに翔太の腕を両手で握りしめた。
「ば、お前、宮舘んとこは?!」
「宮舘に告白されたの!」
「はあ?」
「でもね…何か、素直に喜べなかったの!
翔太のせいだからね!翔太でいっぱいで…」
「んまあ…俺のせいだよな…てか、腕、」
「責任とってよ!」
「何?さっきからつじつまが合ってないよ」
「あんたのせいで、翔太が好きなんだって、気付いちゃったの!」
「…は?待って、宮舘は?」
「宮舘で誤魔化して、翔太への気持ち隠してたの…」
「え、じゃあそれって…?」
「翔太のこと好きなの、付き合って…」
「嘘、ほんとに?」
「ん…」
「待って、まぢ可愛いんだけど!」
「可愛いって軽々しく言わないって言ったじゃん!」
「そりゃー、俺の女になったなら別でしょ!」
「俺の女って…調子良すぎ…」
「いや、でももう軽々しく言わないよ!
2人の時だけ、十分に言わせてもらうからw」
「そーなるのね」
後日、宮舘・早綾に報告したら、
「俺らの作戦が成功したね」
…だって。
「あなた2人はあたしの手のうちで転がされてたの!」
どうやらいつからなのか、
あの2人の作戦でくっついたらしい。
「それって…翔太的にはどーなの?」
「ま、梓紗が俺のこと好きでいてくれんなら、
いーかなあ…なんて?」
「んまー、なんてこと言うの!」
「好きじゃないのー?」
愛してますっ!!
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