ドリーム小説
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分かってる。
分かってるんだけど…、
もっとじゃれたいって思うのは欲張り?
「祐樹、」
「ん?」
ほら出た、
祐樹お得意の無愛想な笑顔。
「なんでもなーい」
「あ、そ」
そう言って元の体勢になった。
そーやっていつも何事もなかったように前を向いちゃう。
アタシの心が音をたてて崩れてるというのに…!!!
祐樹は無口なのか、クールなのか…、
まあどっちも似たような意味だけど、
会話が盛り上がったっていう経験が…ないかもしれない。
ちょっとした会話はするけど、すぐに消滅。
デートだって、連れてってくれるけど歩いてるだけって感じ。
手つないだり、騒ぎながらご飯食べたり…してみたい。
仕事が忙しいのも分かってるよ、
祐樹がそーいう性格なんだってのも分かってるんだけど…、
もっとカップルになりたいって思うのはアタシだけ?
「はあ…もうヤだ」
と、呟いたのも束の間。
「危ない」
「えっ、」
祐樹に手首を引っ張られ、すっぽりと祐樹の腕に収められた。
「な、何、ちょ…」
驚き過ぎて言葉が上手く出てこない。
すると、アタシの足すれすれを自転車が通り過ぎた。
…けど、その時気付いた。
隣で見ていたら、女の子のようにキレイなスタイル。
だけど掴まれている手首を見ると、細くてキレイなはずだった手が、
意外にゴツゴツしていて【男の子】だったことに気付く。
背、高いな…と思ってたけど、
祐樹の腕の中にすっぽりと隠れてしまうほどに収まってしまった自分。
こんなに近づいたことが無い…と言っても過言ではない。
「じ、自転車…?あ、ありがとう…」
「いや…、うん」
とは言うものの、なかなか解放してくれない。
「ゆーき?」
上を見上げると、すぐ真上にあった祐樹の顔と目が合う。
「ああ…もうヤだ」
「…え?」
さっきよりみたいに支えられてる感じじゃなくて、
力を込めてぎゅっと抱きしめられた。
「わっ、祐樹、どうしたのっ」
力を込めてぎゅっと抱きしめられた。
「わっ、祐樹、どうしたのっ」
「あー…もう崩壊したか…、」
…ほ、崩壊?
「ダメだ……今日、このまま俺ン家行くぞ、
そろそろ俺が本気だって見せてやんねーと」
ま、まさか…こんな展開になるとは…
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