ドリーム小説
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今でも鮮明に思い出せる。
「……、すいません…よく分かんないんですけど…
Ya-Ya-yahの…解散、てことですか、」
頭が真っ白になった。
薮と光は、次のバレーのイメージソングでデビューらしい。
そう、
俺ら4人での活動に終止符をうって。
そして、そんな俺にさらに追い打ちをかけたのが…
太陽が活動しなくなった。
正直言って、今ここで太陽と一緒にやめるのがいーのかもしれない。
同じグループだった薮と光を心から応援することは、できる。
でも…俺と太陽のいない他のメンバーと笑っているのを、
歌っているのを、踊っているのを見るのは……辛い。
その時は突然過ぎて泣かなかった、
でもその後…事の重大さに気付いてからじゃ、泣くに泣けなかった。
俺はまだ一筋も涙を流していない。
薮と光に申し訳ないと思っていたから。
「翔央?」
我に返る。
俺はあの日からフリーズすることが多くなってきている。
誰かに声をかけられるまで、あの日のことが走馬灯のように流れ出す。
いまだに抜け切れていない自分に、腹が立つ。
振り返ると、そこには幼馴染の梓紗。
「…翔央、大丈夫なの?」
「ああ…ごめん、大丈夫」
「…Ya-Ya-yahのこと、でしょ?……アタシも同じだから。
1人で悩んだりしないで…お願い…、翔央、アタシを頼って?」
梓紗の涙声が俺の涙腺を壊す。
「だ、大丈夫だって、そんなんじゃねーしっ!気にすンなって、」
強がって見せる。
こんなこと言ったって、梓紗には全部バレてるのに。
涙がこぼれそうで不意に梓紗に背を向けた。
「もう嫌だよ翔央っ!!」
フワリと背中に温もりが、
「お願いだから…もうそんな顔しないで…、
翔央には笑っていてほしいから、お願い…泣くの我慢しないで…。
アタシの前では強がらなくていいよ…?」
俺の顔を梓紗が覆ってくれている
そうか…我慢、しなくてよかったんだ。
そうか…我慢、しなくてよかったんだ。
「ホント情けないんだけどさあ…、
明日からちゃんと梓紗の好きな笑顔に戻る…だから、
今だけでいいから、このままでいてくれる?」
その時、俺は静かに、一筋だけ涙を流した。
薮、光、おめでとう。
太陽…今度、逢いに行くから―――……
PR
この記事にコメントする