ドリーム小説
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「わ、ちょっと!宏光待ってよっ」
危なっかしく凍った道路を歩く梓紗。
「宏光、凍ってんのに何でそんな平気で行けるかねえー?」
「さーあ、慣れてるからじゃない?」
「転ばない自信あるの?」
「ねーよ笑」
何も考えないで歩いてると、梓紗より進んでっちゃうから、
俺は相当気を遣って、梓紗の横をゆっくりと歩く。
これでも、ゆーっくり歩いてるつもりなんですけどー…?
「あんま急がなくていいから、ゆっくり行けばいいじゃん?」
「そう言ってる宏光のが早いじゃんっ」
「…それはしょーがねえだろ、合わせてやってんじゃんっ」
「はいはいー」
ぷぅと頬を膨らませて、ちょっと機嫌が悪くなったみたいだ。
でも左手は滑った時に掴めるように、俺の右手のすぐそばにある。
そんなトコが可愛いんですよ、コレが。
「ちょっと、宏光早いよ!」
「あ、悪ぃ!!」
ほら、すぐ梓紗のスピードを無視しちゃってた。
ダメだなー俺、とか思ってたら梓紗が大声をあげた。
「う、ひゃっ!!!」
氷で滑った梓紗が俺の方へ滑ってきた。
の、勢いで梓紗は俺の右手をグイッと引っ張った。
ふ、普通に痛いんですけど…、
「…っぶねぇーな」
「ご、ごめん…」
「けが、してねー?」
「うん、大丈夫…、」
「つかさあ、ひとつ言ってもいい?」
「な、何ですかっ」
「あのお、リアルに…手、痛いんだけど?」
「うわ、ごめんっ!!」
パッと手を離されてしまった。
そーいう意味じゃないんだけどお!!!
…まあ、普通はそーなっちゃうよなあ。
「痛くなきゃいーんですっ」
そう言って俺は梓紗の手を握り返した。
「宏光だって…相当痛いんですけどー?」
梓紗はちょっと頬を赤らめて、俺の方をゆっくり見た。
「またコケたりされたら、俺の心臓がもちませんー」
「アタシ…宏光頼ってんだから、宏光がコケないでよ?
転ばない自信、ないって言ってたじゃん、さっき」
「言っとくけど、梓紗の手握ってんだから、コケない自信あるよ?」
「う、うっせぇっ」
梓紗は照れ隠しなのか、ぎゅっと強く握ってきた。
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