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ドリーム小説
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「ねえー、渉くーん?」
 
 
「なんですかー?」
 
 
「さっきから雑誌読みすぎですー」
 
 
 
 
今、俺の部屋で彼女と家デート中…なんだけど。
 
「だってこれ梓紗くれたんじゃーんっ」
 
「そうだけどさーあ」
 
 
【昨日、渉の好きそうなのが特集されてるの見つけたから、
 買ってきた!!あげる!!】
 
なんて満面の笑みで差し出されたもんですから…。
 
しかも、中身は俺の趣味に超合ってる。
 
 
「ねえー、渉ー」
 
「んー?」
 
 
「かまってくださいよー」
 
 
 
お、可愛い発言だ。
 
「梓紗がかまってきてー?」
 
 
「なんだそれ」
 
 
 
 
とか言いつつも、ほら、
 
 
雑誌読んでる俺の後ろ姿にきゅーって抱きついてきた。

俺は最高潮に嬉しいのを我慢して、冷静を装う。
 
「…暇、」
 
俺の背中でポツリと呟く。
 
 
 
「何か他にすることないのー?遊ぼうよ」
 
俺に抱きついたまま左右に揺れ出した。
 
「雑誌…読めねー…」
 
「買ってこなきゃ良かった」
 
 
次は縦に揺れ出した。
 
 
 
 
もう、疲れた
 
俺がポツリと言った。
 
 
 
梓紗は聞き取れなかったのか、確認なのか、
「え?」
と漏らしていた。
 
 
雑誌をバタンと閉じ、テーブルの上にバサッと置いた。
 
あ、怒ってると思ってるんじゃない?
 
 
 
 
「わ、たる?」
 
 
俺はゆっくりと梓紗の方へ向き直る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「今度は俺が梓紗にかまう番ね、」
 
 
 
妖笑を浮かべた俺に、梓紗は少し顔をひきつらせた。
 
 
 
 
 
 
 
「ほ、ほんとに?」
 
 
「この状況でこの嘘はないでしょー?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何して遊ぼうかなっ
 
 
 

拍手

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「わ、ちょっと!宏光待ってよっ」
 
 
 
 
危なっかしく凍った道路を歩く梓紗。
 
 
 
「宏光、凍ってんのに何でそんな平気で行けるかねえー?」
 
「さーあ、慣れてるからじゃない?」
 
「転ばない自信あるの?」
 
「ねーよ笑」
 
 
 
何も考えないで歩いてると、梓紗より進んでっちゃうから、
 
俺は相当気を遣って、梓紗の横をゆっくりと歩く。
 
 
これでも、ゆーっくり歩いてるつもりなんですけどー…?
 
 
 
 
「あんま急がなくていいから、ゆっくり行けばいいじゃん?」
 
「そう言ってる宏光のが早いじゃんっ」
 
「…それはしょーがねえだろ、合わせてやってんじゃんっ」
 
「はいはいー」
 
 
ぷぅと頬を膨らませて、ちょっと機嫌が悪くなったみたいだ。
 
でも左手は滑った時に掴めるように、俺の右手のすぐそばにある。
 
そんなトコが可愛いんですよ、コレが。
 
 
 
 
「ちょっと、宏光早いよ!」
 
「あ、悪ぃ!!」
 
ほら、すぐ梓紗のスピードを無視しちゃってた。
 
ダメだなー俺、とか思ってたら梓紗が大声をあげた。
 
 
「う、ひゃっ!!!」
 
 
 
 
氷で滑った梓紗が俺の方へ滑ってきた。
 
の、勢いで梓紗は俺の右手をグイッと引っ張った。
 
ふ、普通に痛いんですけど…、
 
 
 
 
「…っぶねぇーな」
 
「ご、ごめん…」
 
 
「けが、してねー?」
 
「うん、大丈夫…、」
 
 
「つかさあ、ひとつ言ってもいい?」
 
 
「な、何ですかっ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あのお、リアルに…手、痛いんだけど?
 
 
 
 
 
「うわ、ごめんっ!!」
 
 
パッと手を離されてしまった。
 
そーいう意味じゃないんだけどお!!!
 
…まあ、普通はそーなっちゃうよなあ。
 
 
 
 
「痛くなきゃいーんですっ」
 
そう言って俺は梓紗の手を握り返した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「宏光だって…相当痛いんですけどー?」
 
 
 
梓紗はちょっと頬を赤らめて、俺の方をゆっくり見た。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「またコケたりされたら、俺の心臓がもちませんー」
 
 
 
 
 
「アタシ…宏光頼ってんだから、宏光がコケないでよ?
 転ばない自信、ないって言ってたじゃん、さっき」
 
 
 
「言っとくけど、梓紗の手握ってんだから、コケない自信あるよ?」
 
「う、うっせぇっ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
梓紗は照れ隠しなのか、ぎゅっと強く握ってきた。
 
 
 
 

拍手

 
 
今でも鮮明に思い出せる。
 
 
「……、すいません…よく分かんないんですけど…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 Ya-Ya-yahの…解散、てことですか、」
 
 
 
 
頭が真っ白になった。
 
薮と光は、次のバレーのイメージソングでデビューらしい。
 
 
そう、
 
 
 
俺ら4人での活動に終止符をうって。
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、そんな俺にさらに追い打ちをかけたのが…
 
 
 
太陽が活動しなくなった。
 
 
 
 
 
正直言って、今ここで太陽と一緒にやめるのがいーのかもしれない。
 
同じグループだった薮と光を心から応援することは、できる。
 
でも…俺と太陽のいない他のメンバーと笑っているのを、
 
歌っているのを、踊っているのを見るのは……辛い。
 
その時は突然過ぎて泣かなかった、
 
でもその後…事の重大さに気付いてからじゃ、泣くに泣けなかった。
 
俺はまだ一筋も涙を流していない。
 
薮と光に申し訳ないと思っていたから。
 
 
 
「翔央?」
 
 
 
 
 
我に返る。
 
俺はあの日からフリーズすることが多くなってきている。
 
誰かに声をかけられるまで、あの日のことが走馬灯のように流れ出す。
 
いまだに抜け切れていない自分に、腹が立つ。
 
 
振り返ると、そこには幼馴染の梓紗。
 
「…翔央、大丈夫なの?」
 
「ああ…ごめん、大丈夫」
 
 
「…Ya-Ya-yahのこと、でしょ?……アタシも同じだから。
 1人で悩んだりしないで…お願い…、翔央、アタシを頼って?」
 
 
 
 
梓紗の涙声が俺の涙腺を壊す。
 
 
「だ、大丈夫だって、そんなんじゃねーしっ!気にすンなって、」
 
 
強がって見せる。
 
こんなこと言ったって、梓紗には全部バレてるのに。
 
 
 
 
涙がこぼれそうで不意に梓紗に背を向けた。
 
 
「もう嫌だよ翔央っ!!」
 
 
 
フワリと背中に温もりが、
 
 
 
 
 
「お願いだから…もうそんな顔しないで…、
 
 翔央には笑っていてほしいから、お願い…泣くの我慢しないで…。
 
 アタシの前では強がらなくていいよ…?」
 
 
俺の顔を梓紗が覆ってくれている








そうか…我慢、しなくてよかったんだ。
 
 
 
 
 
「ホント情けないんだけどさあ…、
 
 
 
 明日からちゃんと梓紗の好きな笑顔に戻る…だから、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 今だけでいいから、このままでいてくれる?
 
 
 
 
 
その時、俺は静かに、一筋だけ涙を流した。
 
 
 
 
 
 
 
薮、光、おめでとう。
 
 
太陽…今度、逢いに行くから―――……
 
 
 
 

拍手

 
「ちょ、アレ…梓紗だよな?」
 
 
 
野澤と遊びに来ている。
 
今はいつものファーストフード店で、外の見える位置に座っている。
 
 
 
 
 
「…隣、誰」
 
「知らねーよ、」
 
 
 
梓紗には男の兄弟はいないはずだ…。
 
 
 
俺は咄嗟になって店を出た。
 
「ちょ、真田?!」
 
 
野澤が呼び止めていたけど、俺は梓紗の元へ。
 
「梓紗!!」
 
「ゆ、佑馬?!」
 
「…ごめん、俺…その人知らないんだけど…、」
 
 
 
「あ、この人?いとこなの!!…田舎から最近上京したらしくってー…
 
 
 
 
 …て、佑馬どうした?」
 
梓紗は切ない笑顔を浮かべた。
 
 
 
 
 
 
 
「良かった…」
 
 
自分の声にビックリして目が覚めた。
 
周りには誰もいない…教室だった。
 
…にしても、今の夢はリアルすぎる。

最後に思い出す、梓紗の切ない笑顔…何か気にかかった。
 
 
 
すると、ひょっこりと野澤が教室に入ってきた。
 
 
「お、真田!!まだいたの?…ちょっと、寄ってかね?」
 
 
 
野澤の提案でいつものファーストフード店へ。
 
さっきの夢なんか忘れて、野澤との談笑を楽しんだ。
 
 
 
 
「ちょ、真田…変なこと聞いていい?」
 
「何」
 
「梓紗とまだ付き合ってるよね?」
 
「……なんで、」
 
「まず」
「当たり前じゃん」
 
 
 
 
 



 
「アレ……誰、」
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…、マヂかよ」
 
 
 
そこには、楽しそうに笑う梓紗
 
 
 
 
そして、さっきのイトコの男とは違う誰か。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺は梓紗の元へ駆け寄った。
 
 
野澤は呼びとめなかった。
 
 
 
「おい、」
 
 
振り返った梓紗は青ざめた。
 
 
 
 
 
 
 
「どーいうこと?」
 
 
イトコ…
 
 
 
 
 
「…、ごめん」
 
 
じゃねーよな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
夢なら良かったのに……、
 
 
 
梓紗の可愛い顔に一粒のキレイなモノが流れ落ちていった
 
 
 
 
 
 
 
これも夢じゃないのか?
 
 
 
 
 
俺は涙をこらえて言った、      
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ありがとう…好きだったよ、




梓紗の切ない笑顔は…、なかった








拍手

 
 
分かってる。
 
 
分かってるんだけど…、
 
 
 
もっとじゃれたいって思うのは欲張り?
 
 
 
 
 
 
「祐樹、」
 
「ん?」
 
 
ほら出た、
 
祐樹お得意の無愛想な笑顔。
 
 
「なんでもなーい」
 
「あ、そ」
 
そう言って元の体勢になった。
 
そーやっていつも何事もなかったように前を向いちゃう。
 
 
アタシの心が音をたてて崩れてるというのに…!!!
 
 
 
祐樹は無口なのか、クールなのか…、
まあどっちも似たような意味だけど、
会話が盛り上がったっていう経験が…ないかもしれない。
 
ちょっとした会話はするけど、すぐに消滅。
デートだって、連れてってくれるけど歩いてるだけって感じ。
手つないだり、騒ぎながらご飯食べたり…してみたい。
 
仕事が忙しいのも分かってるよ、
 
祐樹がそーいう性格なんだってのも分かってるんだけど…、
 
 
もっとカップルになりたいって思うのはアタシだけ?
 
 
 
 
 
「はあ…もうヤだ
 
 
と、呟いたのも束の間。
 
 
 
 
 
「危ない」
 
「えっ、」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
祐樹に手首を引っ張られ、すっぽりと祐樹の腕に収められた。
 
「な、何、ちょ…」
 
驚き過ぎて言葉が上手く出てこない。
 
すると、アタシの足すれすれを自転車が通り過ぎた。
 
 
 
 
…けど、その時気付いた。
 
隣で見ていたら、女の子のようにキレイなスタイル。
 
だけど掴まれている手首を見ると、細くてキレイなはずだった手が、
 
意外にゴツゴツしていて【男の子】だったことに気付く。
 
背、高いな…と思ってたけど、
 
祐樹の腕の中にすっぽりと隠れてしまうほどに収まってしまった自分。
 
 
こんなに近づいたことが無い…と言っても過言ではない。
 
 
 
「じ、自転車…?あ、ありがとう…」
 
「いや…、うん」
 
 
 
 
とは言うものの、なかなか解放してくれない。
 
「ゆーき?」
 
上を見上げると、すぐ真上にあった祐樹の顔と目が合う。
 
 
 
「ああ…もうヤだ
 
 
 
 
 
「…え?」
 
さっきよりみたいに支えられてる感じじゃなくて、

力を込めてぎゅっと抱きしめられた。

「わっ、祐樹、どうしたのっ」

 
 
 
 
「あー…もう崩壊したか…、」
 
 
 
…ほ、崩壊?
 
 
 
 
 
「ダメだ……今日、このまま俺ン家行くぞ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そろそろ俺が本気だって見せてやんねーと」
 
 
 
 
 
ま、まさか…こんな展開になるとは…
 
 
 
 
 
 
 
 

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