ドリーム小説
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「ふっかあーっ!よし、今日も行くぞ」
「…行くぞって…、学校でしょ?もう…」
「そんなめんどくさそうな顔しないでくださーい?」
「梓紗が元気過ぎなだけしょ…?」
そんな俺らは親同士の付き合いがあってか、
誕生日が近く、生まれた病院も同じ…なんて、
生まれてこの人の隣を離れたことがないんじゃないか…と、
思うくらいずーっと、一緒に居て飽き飽きしてる…
なーんて、一切思ったことない。
やっぱり幼馴染しか知らない一面とか…あるんだよね。
そーいうの見ちゃうとやっぱり…
俺、梓紗好きなんだな、
なんて改めて1人で実感し、恥ずかしくなったり笑、
もうこれ以上進展はないなあー、とセンチメンタルになったり苦笑、
まあ色々ですね。
「おいー、深澤って橘と付き合ってんのー?」
「えー?別に付き合ってはない」
梓紗は意外に隠れファンみたいなのが多い。
先輩にも後輩にも、結構多いみたいだ。
今日聞かれたのは隣のクラスの友達…
「何?お前梓紗好きなん?」
「いっやー、俺じゃなくて友達がさー、可愛いて言ってて。
深澤いつも一緒だから付き合ってんのか聞いてきて!みたいな?」
「あー、まあ…付き合ってはないけど」
「んじゃそいつに言ってきてもいい?」
「付き合ってないけど、渡すつもりはない…て言っといて?」
…と、俺は何人に言ったものか。
彼氏じゃないのに、渡す気はない…どんだけ傲慢だ笑。
でも何故かそれは梓紗の耳には一切入ってないみたいだった。
多分…俺がそーいう感情で言ってることに誰も気づいてないから?
そうしてるうちに、梓紗には好きな人ができて…、
俺の知らないとこで俺の知らない誰かと付き合ったりするんだ…。
早く幼馴染を抜け出したい。
「あーもう…いつになったら終わんの?」
「何がよー?」
「うっわ、お前いつからいんだよ」
そこには不思議そうな顔して…でもちょっと笑った梓紗。
「何が?教えてよっ」
「いや、別に…?お前には言えないこと」
「何それっ、ひっど!」
「だってお前絶対引くし…困ると思うし?」
「じゃあ絶対引かないし、絶対困らない…ど?」
「お前といつになったら幼馴染終わんのかなー…みたいな?」
「…だよねー。
それ、あたしもずっと思ってたんだよ」
「は?」
「いつ、ふっかが言ってくれるかな…なーんて笑」
「ば、…ばっかかお前!」
「照れなくていーじゃんっ」
「今日から…幼馴染じゃなくて、
ふっかはあたしの彼氏ねっ♪」
「…都合いーな、全く…」
「嬉しいくせにっ」
「…はあ…、もう」
「深澤先輩っ」
「何ー?」
「橘先輩といつも一緒いますよね」
「おー」
「橘先輩って美人っすよね」
「そーだねえ」
「友達が今度告りたいって言ってるんすけど…
見込みあるか聞いてもらえますか?」
「俺は彼女を渡す気ない…て言っといて?」
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「ねぇ、健人知らないー?」
「えっ…っとー?」
「何だよそれ、知ってるってことでしょっ」
「知ってるっちゃー、知ってるけど…」
「えー、じゃあ教えてよっ!一緒帰る約束してるんだけどっ」
「傷つかないでね?」
「…え?」
ありえないありえないありえないありえない!!!!
何それ!
…浮気ってこと?!
アタシの彼氏、健人は何やら女の子と2人で屋上にいるらしい。
しかも、今日だって誘ってきたの健人だし!!
…もう…これで終わりなんてヤダよ?
屋上への階段。
もし、ここで屋上に入っていって、
健人と気まずくなって、
ごめん…なんて言われたらどうしたらいいんだろう。
そう考えたら、登れなくなった。
「健人…、」
「あ、梓紗?!」
「け、健人」
「ごめん!!」
あ、…そう、
隣にいたのは、隣のクラスの美少女さん。
もう終わったのか、
ほんとに…
ごめん、て言われちゃうとはな…
「俺から誘っといて、待たせてごめんな?!
今行くから!!」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「ん?」
「あの…なんで、2人で屋上…に?」
自分でも驚いた。
まさか自分から探りに入ろうとするなんて、
思ってもみなかった。
…それほど、健人が好きなんだと思う。
「2人で…なに、してたの?」
涙が、目に溜まってくのが分かった。
やばい、アタシ今…すっごいうざい女だ。
「ご、誤解だって!!」
「…え?」
「あーもう、これ言わなきゃダメじゃんっ」
何?
言わなきゃダメって…あたしに何か隠してたってこと?
「来週、誕生日でしょ!」
「あ、そっか」
「だから梓紗がどんな物欲しいのか、リサーチ!!…してたの」
「え」
「もー驚かそうと思ってたのに…
でも、俺も悪いか…2人で屋上なんておかしーもんな」
「んもー…健人ぉ…ほんとびっくりしたよー…」
言い訳でしょっ!!
…って疑うこともできた。
だけど、真っ先に健人の優しさが身にしみて、
そんなこと思う余裕は一瞬もなかった。
何より、健人が嘘をついてるようになんて、
全然見えなかったし、見ようともしなかったから。
「ほんとに、何もないんだよね…?」
「だから、誤解だってば」
「うん、じゃ健人信じる」
「んじゃー、お詫びといってはなんですが、」
そっとキスがおちる
「うっわ、ちょっと!ここ学校!!」
「いーじゃんっ、誰もいないしー」
「いないったって」
「何かキスしないと、梓紗は疑いが消えない気がしたしー?」
「ちゃんと信じてますよ、もう!!」
そのあと、ちゃんと友達にも誤解を報告し、
以前より、更に仲良くなりましたっ
「はい、プレゼントっ」
「ん?」
「梓紗の誕生日は休日!!…とゆーことで、
1日俺を自由に使っていいよとゆープレゼントですー!!」
「んじゃ、ずっと一緒いよ?」
「それ、今日限り?」
「…でもいーの?」
「やだっ」
今、地方コンサートについて4日目。
「そろそろ、会いたいなあ…」
「梓紗ちゃんですか」
「うっわ、いつからいたの翔太ッ」
「うーん…、何かコイツ目がとろんとし始めてきた…
あー梓紗ちゃんのこと考えてんのか、うざいなあ…
って頃からいましたけど」
「…はあ、なんで隣にいるのお前なんだよ」
「失礼だなっ!!」
今は夏休み。
先輩のコンサートにつくことになった!
それはすごく嬉しいことなんだけど、
地方周りってことで、全く会えていない…しかも今日で4日目。
電話も忙しくて、初日しかできてない。
梓紗はこっちが無理しないようにかけないようにしてくれてるんだと…
「はーい、じゃあ10分休憩とりまーす」
レッスンの休憩っ
いつもはメンバーのみんなと話したりバカやったりするけど…
今日は電話するぞ!!
俺は携帯を持って、ウキウキで稽古部屋を出た。
「……」
で、出るかな
【っだ、大介?!】
「おおっ出た」
【そりゃ出るよ、かかってきたもん】
「…まあ、そっか」
【……な、何よ、なんかしゃべってよ】
「なんかさあ…」
【ん?どうした?】
「やっぱり学校とかで毎日会ってたからさあ…」
【うん】
「声だけじゃ物足りないんだよねえ…」
【な、何を急に…】
「…会いたい」
【なんかもう一生逢えないみたいな言い方…しないでよ?】
「いやー、まあ今の俺にはそれくらい笑」
【だ、大丈夫なのかよっ】
「軽い梓紗シックだな、これは…」
ガタンッ
「…は?」
【どうしたの?】
「いやあ…どうも」
「仲良いんですね、はは」
「ちょ、は?待てよ…いつからいんの?」
「もう、最初っからですね、はは」
音がして、慌てて振り返ってみると、
そこには翔太、宮舘、真田の3人。
しかも、よりによってこの3人…。
「…会いたい、だって!」
「佐久間って意外にそーいうこと言えるタイプか…」
「はっ?」
「梓紗シックか…俺も彼女にそーいうこと言いてぇ…」
「その前にお前彼女いねーだろーっ」
「ああそっかあっ」
「その前にお前彼女いねーだろーっ」
「ああそっかあっ」
「あーもう、何コイツら!」
【大介?何?どうした?】
「あ、や、何かさ…ておい!」
「あ、どうもー、梓紗ちゃん、翔太ですーっ」
【え、あっと、いつも大介がお世話になってます…】
「……どうしよう、夫の同僚の相手してる妻みたいになってる…」
「な、何の話してんだよ」
「宮舘ですー」
【あ、こんにちわ】
「…惚れる」
「それはダメ!!」
「真田ですっ」
【あ、嘘、真田くん?!】
「え俺、これどうしたらいーの?!明らかに2人と反応が違…」
「まあ…真田は知名度が高いってことだね…」
「つかもう!携帯いい加減返せって!」
真田から電話を取り返した時、
梓紗はくすくすと笑っていた。
「な、何笑ってんの」
【何か、久しぶりだなって】
「え?」
【大介のこーいうの聞くのっ】
はあ…もうコイツ、俺をどーしたいんだか…。
【安心したよ、元気そうでっ】
「あ、うん」
【それじゃあ…そろそろ切った方よくない?】
「えっと…うん、それじゃあ…」
【じゃあね…「あ!」……何?】
「やっぱ今日夜、もっかい電話するわ!…待ってて」
【…うんっ!】
「夜はどんなお話するんですかー?」
「あーうぜー」
「俺らの前じゃできないお話だよっ」
「残念ながら俺は部屋が同じなんだな」
「うっわー、真田ずりーっ」
「明日、報告お願いします真田隊長ッ」
「部屋では電話しねーよっ」
次の朝、
起きた途端、翔太に
「愛してるよっ」
と茶化されたのは言うまでもない。
「涼太くーんっ」
「なに?」
「ほら、まただよ?」
「…そ、そうだね」
最近、彼氏の涼太は変な女に捕まってしまった。
隣のクラスの美少女、奥山さんだ。
しかもそれがたちの悪い美少女らしく、
1度ハマった男にはどこまでもしつこいらしい…。
そんな性格じゃなきゃ、モテるって評判の。
知らないで近づいていく人も多いみたいだけどね。
「宮舘くんも、まんざらでもなさそうな感じじゃない?」
「え、えー?!…あたしには嫌がってるように見える…んだけど、
それって都合いいだけなのかな、じゃあ?」
「…わっかないけど」
「ねー、涼太くんっ」
「なに」
「今日の放課後、空いてる?」
「…なんで?」
「んーっ、遊びたくてっ!あたし今日暇なのっ」
「…そっか、うん、ごめん、無理だね」
「えーっ!なんでえ?」
「俺にも色々あるから」
「色々ってーぇ?」
「奥山には関係こと」
「ひっどぉーい」
「彼女の前で堂々とあんなこと言えるんですね」
「…だよねえ…、知ってて言ってるよね多分」
「見せつけてますね、彼女に」
「あたしには嫌がってるように見えるんだけどなあ…」
「…まあ歓迎してはないね、明らかに」
「…さっきと言ってることが違いますけど」
「ははー」
「梓紗ぁー、帰ろー」
「うん、あ、ちょっと待ってて!」
「?…うん」
さっきあんな話をされたものだから、
涼太に誘われるなんて、毎日のことなのに驚いた。
「梓紗、しっかり聞けよ!…今日のうちにさ!!」
「…努力はします」
「明日じゃもう遅いかもしれないんだからね!」
「好きだよ、て言われたらどうしよう!」
「それはない、絶対保障するから」
「なんでわかんの」
「いーから、早く!宮舘くん待ってるよ!」
アタシは背中を押され、強引に涼太の元に。
ちょっと慌てた様子で出てきたアタシに戸惑う涼太。
「…ごめん、行こっか」
「うん」
いつもならバカみたいな会話で盛り上がれるのに…、
今日はなんだか沈黙続き。
…多分それはアタシが意識してるから…?
いつも通りじゃないアタシにを涼太は感づいたんだ。
…これ、もう聞くしかないじゃん?
「ねえ、」
「な、静かになったと思ったらしゃべり始めた!」
「ちょ、聞いてよ!」
「はいはい、何?」
「お、奥山さんさぁ…」
「あれ?気にしてんの?」
「き、気にしてるとゆーかさあ」
「ヤキモチ?」
「ば、そーじゃないけどさっ」
「…じゃあどうした?」
「涼太は奥山さんどー思ってんのかなー…って」
涼太は黙った。
え、それって、どーいう意味?
否定しない、ってこと…?
「りょ、た?」
「す、好きだと思うの?逆に」
「わ…わかんないから聞いてんのっ」
「わかんないって…、愛されてないな俺、好きじゃないよ!」
「ほんとに?」
「うん、むしろ、キライな方」
「だ、だってキライって言ってもなんだかんだで会話してるし
休み時間とか…アタシより話してるし、
それに…、そ、それに…」
なんか…泣きそうになってきた。
涼太はちゃんと否定してくれたのに、
それでも疑ってる自分が嫌で、涙が出そうだった。
「梓紗、」
目が合ったかと思うと
その瞬間涙が溢れた
涼太の優しい顔が目の前にあった
次の瞬間 引き寄せられた
あごを持ち上げられて
強引に唇を奪われた
「ちょ、涼太!」
「だから、キライって言ってんじゃん
…俺を信じらんない?」
「そーいうの、反則…ていうんだよ」
「俺はいつでも梓紗のことばっかり考えてますけど。
あんな奴のこと、眼中にないよ?」
「それ…逆にどーかと思いますよ」
「は?せっかくカッコいいこと言ってやったのに…」
「まあ、アタシもそうだけど」
「……つ、つかお前何泣いてんだよ!」
「な、泣いてないし!」
「はいはい、そーですかあ」
「…ねえ、奥山さんさ、しつこいって有名なんだって」
「じゃあ明日アイツの前でキスしてやっか」
「はー?!絶対イヤだっ」
「いつまでも俺につきまってるのとどっちが嫌?」
「えー…」
「そうしたら梓紗ちゃん、また泣いちゃうかも…」
「わ、わかったよ!すればいーんでしょっ」
「しょうがないなあ、そんなに俺が好きか」
「す、好きだよもう!」
「奥山、」
「えーっ、涼太くんから話しかけてくれるなんて珍し…あ、
彼女さん?こんにちわーっ」
「こんにちわ」
「奥山、見ててな?」
「ちょ、本気?マジでするの?」
「マジ、全然本気」
「ま、ちょっと」
「こーゆうことだから」
その日から、まさかの全校公認カップルになりました。
「ちょ、梓紗が倒れたってホント?!」
焦った。
まじで焦った。
部活中、ホントに部活中。
「ちょ、佐久間!…橘って、彼女だよな?」
「え、うん」
「さっき何か倒れたとかで保健室に連れてかれてたぞ、」
持ってたボールを投げ捨て、俺は体育館を出た。
「彼氏が1番遅いってどーいうことだよね」
「えっ…」
そこには、いつも4人でつるんでる早絵・翔太カップル。
「も、もしかして運んだの…翔太?」
「はあ…まあ……ごめんね?」
「おいおいおいおい、……じゃなくて梓紗は?!」
「こちらです」
早絵がシャーンとカーテンを開けると、
そこにはすやすやと寝息をたてて寝る梓紗。
「な、何で倒れた…?」
「疲労…だって、先生は今職員室」
「はー…もう、マヂ焦ったって」
そう言って俺は梓紗を撫でた。
梓紗は、ん…、と声を漏らして少しだけ身体を動かした。
…可愛すぎる。
「佐久間さあ…」
「何、翔太」
「今、キスしたいて思った?」
怪しい笑みを浮かべて、平然と俺に聞いてきた。
「は、はあ?!お前さ…こんなトコでやめろよ…」
…実際、間違ってないけど…。
早絵も平然と見てんなよ!!
「こんなトコって…何考えてんの、」
「お前ら、2人してマヂうるさいから!!」
2人でくすくす何なんだ、このやましーカップルは!!
「ほら、カーテン閉めてあげるからっ」
「あんまデカい声出すと…起きるよ?」
うっ…。
カーテン閉めてあげるとか…しろってことかよ…。
まあ全然したくないことはないけど…←
「…したっ?!」
「お前らがいるとこでは、ぜーったいしません!!
ていうか、学校の保健室とか、絶対しません!!」
「はいはい、じゃあ2人きりにしてあげましょーか翔太くん」
「強がってるけど、2人きりぐらいはね早絵ちゃん」
「ばいばーい」
「お前、さっきしないつったかんな?
もししたら…俺らの前でキスなっ♪」
そう言ってガラガラピシャンと保健室を出て行った。
(マヂ…おかしんじゃねーのアイツら)
その後、梓紗の寝顔にそっとキスを落としたのは、絶対内緒。
その後*
「キスした?!」
「だから、しないって言ったでしょ?」
「…え?」
「な、何梓紗」
「もしかして起きてたんじゃないのー?笑」
「…………うん」
「は?!マヂで!?…何してんのお前…」
「はい、佐久間さんの嘘つき決定ー♪」
「約束守ってもらいしょーっ」
まあ…その後歓声が上がったのは言うまでもない。