ドリーム小説
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「ねえ…最近、梓紗、真田くんと全然しゃべってなくない」
「……気にしてるとこ、全然平気で言うのね苦笑」
今はアタシの部屋で友達と談笑中…だったんだけど、
まさかの佑馬の話題へと一転。
「メールとかくるの?」
「…め、メールねえ…、来たり来なかったり?」
「あんなにラブラブだった2人はどこいったんだよー。
あの頃のお前らがアタシの憩いの場だったのに…!!」
「何だそれ笑」
佑馬は学校終わったら最近稽古続きで、
ここ半年くらいは一緒に帰ったりとか…してないんじゃないかな。
でもすれ違った時とかは、ちゃんと反応くれるし、
一応アタシのこと好きでいてくれてる…ってゆーのは…。
信じていたいけど…最近は佑馬からそんなそぶりはない。
「あんなに梓紗にデレデレだった真田くんだったのに…、
休み時間ごとに教室来たり、毎日一緒に帰ったり…
成長したんだな……まさか、野澤くんと何かあった…?!」
「な、なんもないわ!!佑馬をそっちに持ってかないでよっ!!!」
「えーでもいいんじゃない」
「よくないわ!!!」
…笑えないよー。
最近ネットとかでも野澤くんと色々妄想されてたり…、
全然佑馬じゃない人が佑馬に似てるって理由で、
変な彼女疑惑プリとか流されてるし…。
「はぁ…もう、ダメだ」
「お、限界メーター振り切りますか?」
「…うっさい!!」
「あ、電話」
ゆ、…ゆ「佑馬!!!!」
「は、早く出なよ!!」
「い、嫌だ、何かめちゃめちゃ怖い!」
「久々にラブラブトークしちゃいなよー」
「も、もしもし」
『あ、ほら真田ぁ、出たよーっ』
「……の、野澤くん?」
『あ梓紗ちゃんごめんね、今ちょっとスタジオで…』
「えーっと……ん?」
『真田が意地張って電話しないからさあ…今かわるね!!
…おい、ほら早く!!待ってるってば』
「な、何?野澤くん出たの?」
「…うん、」
「…な、なんで?わけわからんのだけど」
「なんか、佑馬が意地張ったとかって…あ!もしもし!!」
『あ梓紗?』
「佑馬…どうしたの、」
『いや、あの、なんつーか…
ちょっと声、聞きたくて』
「……ゆ、ゆーま?」
『もう、だからヤだったんだってば!!
ちょ、おい野澤!マヂ勝手に電話すんなしもう!!
…ホント、最近逢ったりできなくてごめんな?』
「ううん、…大丈夫だよ」
『ホント…逢ったりしちゃうと、ダメだったんだよ。
最近稽古続きで…逢えないこと分かってたんだけどさ…
ちょ、野澤マヂあっち行ってろって!!
…んでね、俺絶対梓紗不足だったんだよ、最近』
「…うん」
『ここで梓紗補給しちゃったら、抜けれなくなると思って…
勝手に制限かけてたんだけど…
声聞いちゃったらどーでもよくなっちゃってさ』
「ゆーま、大好き」
『俺は愛してるんですけど、』
「…大好き!!」
『はいはい、ありがとう』
愛されてないなんて思ったこと、
一瞬もなかったってことを自分で気付いた。
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「お前さ、玉森ンことまだ好きなんだろ?」
「うん、」
「アイツ何気人気あんだから、早くしねーと誰かにとられんぞ」
「う…そうやってニカは簡単に言うけどさー?!」
「別に簡単に言ってねーだろ」
玉森くん…。
カッコいい、アレは絶対カッコいい。
「はあ…」
「玉森ばっか見てんな、キモい」
「なんだよ、さっきと言ってること違う」
「見過ぎなの、お前は」
「ちょっとあんたがそこにいると、丁度見えない」
「はいはい…」
そう言ってニカはスッと身体をずらした。
そんな、知ってるよ、カッコいいことなんて。
一目惚れなんて絶対しない自信あったもん、アタシ。
なのに一目でおちちゃった。
「おい、梓紗」
「ん?」
「玉森、来たよ?」
アタシはニカの姿が目の前にあって、
玉森くんが近付いてきてること知らなかった。
「え、」
ちょっと身体をずらして、ニカの背中から顔を出す。
「さっきからスゴイ邪魔なんですけど」
玉森くんはアタシを見て冷たく言った。
「あ、ごめ…」
「橘さんじゃなくて、二階堂が」
「はあ?」
「…え?」
「二階堂が丁度橘さんにカブってて邪魔なのー」
「…ん?」
「見えないでしょ……梓紗が」
アタシはその言葉を聞いて、何やら倒れたらしい。
「祐樹さあ、」
「何ー?」
「この前メガネしてたよね?」
「…お前と居る時メガネかけたことないけど」
「雑誌で!!」
「…雑誌、チェックしてんの?」
「まあね、愛する祐樹が載ってますもの!!」
「…あほ」
あほ、なんて言ってるけど…満面の笑み。
ふへへ、こんな会話してる時間が1番幸せ。
祐樹の載ってる雑誌は全部チェックしてる、つもり。
たまに、「嘘つけ」て思うほど、デタラメ書いてるけど笑
アタシには到底言ってくれないような恋のこととか書いてたりすると、
ついニヤけて紙面を凝視しちゃう。
「ねーえ、アタシの前で何でメガネしないの?」
「だって別に目悪いわけじゃないし」
「いいじゃん!!メガネしてる祐樹を生で見たいのに」
「メガネフェチ?」
「…祐樹フェチ」
「何コイツ、さっきからあー!!」
そう言って祐樹は口角を片方だけ上げて、
アタシから少し離れた。
「今メガネあるの?」
「あるよ、」
「かけてよ」
「ヤダ」
…なんでー!!!
「だって、せっかく仕事ない日にこうして逢ってるのに…
レンズ越しなんて…もったいないじゃん?」
このやろうっ
「アタシね」
「……何」
祐樹はさっきとは違う、
口角を片方だけ上げた笑顔でアタシをチラと見た。
「祐樹のそういう、たまにしか言わない甘い言葉のために生きてんの。
…知ってた?」
「じゃー、お前一生死ねないよ?」
「いいよ?何年でも生きるよ?」
「梓紗は俺無しじゃ生きれないでしょ?」
「当たり前じゃん」
「俺も。
つーか死んだら俺が許さないし」
「俺さぁ、梓紗から名前で呼ばれた記憶がない」
「呼んでんじゃんっ!塚ちゃん♡って」
「それって、名字のあだ名じゃん!」
「えー…今さら下の名前で?…無理だよ、」
「好きとかも聞いたことない」
「それは言ったことあるよ、絶対に!」
「俺から告ってそのままな気がするもん」
そんな会話、したっけなあ。
いいよ、梓紗に名前で呼ばれなくても、
好きって言われなくても…、
一緒にいられるだけで嬉しいって思うもん。
でも、その幸せを俺は自ら…、捨てた。
「は?何言ってんの、そんな嘘…笑えない」
「嘘じゃないよ、ホント」
「あ、……アタシ置いてアメリカ行くの…?
…あ、アクロバットのため、なの?」
梓紗が泣きそうな目に弱い。
ああ…だから言いたくなかった、決心が揺らぐ。
「うん、ごめんな…」
「いっしゅーかんご…?そんなの早過ぎるよ…嫌、嘘でしょ?!
いつもみたいに、笑ってよ!!…ねえ、何で?!アタシのこと、嫌いなったの?」
「んなわけねーじゃん!!……愛してる、だけど…」
「ごめん、ごめんね…色々整理つかないや…帰るね、」
その時、予感した…もう逢うことはないんじゃないかって。
的中した…それっきり、連絡が取れなくなった。
それりゃあそうだろう。
彼氏に1週間後アメリカに行くと告げられたんだもんな。
…別れよう、そう思われてもしょーがねえよ。
結婚したいほど愛してた…、
でも俺は自分からその幸せを奪った。
出発当日、俺はその日最後の便に乗る。
一応梓紗に連絡もしてあるけど、来てくれるはずなんてない。
俺だって、期待なんてこれっぽっちも抱いてなかったし。
日時を連絡したメールの返信もなかったし。
少し気にはかかったけど、ここでうじうじして、
飛行機に乗らなかった…なんてことしたら、梓紗に申し訳ない。
大きな荷物を持ち上げて、ゲートをくぐろうとした時だった。
ふと、背後に温かいものを感じた。
懐かしい…
―――――梓紗だ、
遠くの方で梓紗が息を切らして、俺を見ていた。
「つ、塚ちゃ…、」
「あず、さ…なんでいんの?」
「み、見送りにきたに決まってんじゃんか!!」
「何で…」
「悩んだ…よ。
アタシは塚ちゃんにどう接したら1番いいのか…とか、
このまま連絡途絶えた方が塚ちゃんにとって楽かも、とか。
でも…1週間も塚ちゃんに逢わないなんてことなかったじゃん?
1回、塚ちゃんに逢わない…て自分で規制を作ったんだけど…無理だった。
気付いたら、家飛び出してたの。
もうこれから逢えなくなるよりだったら、自分のプライド捨てろ!って。
良かった、間に合って…逢えてよかった」
そう言って梓紗は泣いてくれた。
「ありがとう…、」
俺はたまらなく、梓紗を抱きしめた。
震えていた…なんで気付かなかったんだろう。
俺はちゃんと愛されてたのに。
「梓紗…俺、必ず戻ってくるから…
結婚しよう?」
「うん、待ってるよ…僚一、愛してる」
そっとキスを交わして、振り返らずに飛行機に乗った。
後ろで梓紗が泣き崩れたような気がした。
自然と涙は出なかった、
梓紗が待っててくれると思えば、どんなことも乗り越えられる。
「ちょ、梓紗聞いてっ」
「んー?」
「千賀がお前のこと好きだって」
「はあ?!」
「うっそーん♪まんざらでもないとか思ったでしょ?」
「またそーいう冗談を…」
こんなやり取り、何回あっただろうか。
誰が誰を好き意外にも、北山が結婚するだとか、
玉ちゃんがキスマイ脱退とか、藤ヶ谷の事故…。
縁起でもないことを平気で冗談にする高嗣はすごい、色んな意味でね。
そんな冗談いらないよ、
アタシは高嗣からの≪好き≫が欲しいの
そんな冗談いらないよ、
アタシは高嗣からの≪好き≫が欲しいの
「あのさあー、
そろそろそのシリーズ…飽きたよ?」
「でも相変わらず引っ掛かりますよねー?」
「うるさいなあ…ていうか、高嗣からホントのこと聞いたことないし」
「それはさすがに酷過ぎるだろ、」
高嗣は少しだけイジけた。
反対側を向いて振り返ってくれなくなった。
だってさー、高嗣が悪いんじゃんねー…?
えー…アタシが悪いの?
「高嗣ー?」
「何だよ」
「(うわ、キレ口調だよ…)、ごめんてばあー」
「いいよ、今さらぁー」
大変だ。
ご機嫌を損ねさせてしまった。
あ、
「ねぇ、じゃあ1つでいいから高嗣からホントのコト聞けたら、
ちゃんと信じるよ?…だから、何か言って?」
「俺、梓紗好き」
ん?
「え、冗談でしょ?それは冗談の部類でしょ?ホントのこと言っ」
「ホントのコト言えって言ったの梓紗でしょー?責任とれよー」
「冗談でしょ…?」
「こんな冗談つける程、俺は軽くないです」
「それって、付き合ってもいいの?」
「え、……付き合ってくれるの?」
「冗談…とか言わないよね?今更」
「言わない、絶対言わない…マヂで?お前…俺の彼女なんの?」
「なってもいい…むしろ、して」
「俺でいいの?もったいなくない!?だって…梓紗だよ?!」
「アタシから考えたら高嗣もなんですよ、」
「ああー……ごめん、さっき嘘言ったわ」
「はあ?!酷っ、ホントあんたって…もう、イヤだ!!」
「違う、違うからちゃんと聞いて?
好きじゃなくて、愛してるなの」