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ドリーム小説
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*第1話*~実践開始!戦慄の死の予言!死体消滅の謎を追え ③

先生は、アタシ達のコトを少し分かってくれたのか、
校舎の外で歩きながら話してくれた。
「西村静香って子はね、今年の新人ミステリー大賞を受賞した…天才作家だったの。
 ミステリーの若きカリスマと賞賛されてね、彼女のもとには次回作の依頼が殺到したわ。
 ただ、彼女ちょっと傲慢なところがあってね 文芸部の中でもいつも女王様気取りだった。
 特に岡田さん達は、資料探しやネタ集めにいいように使われてた」
「…つまり、その3人には、西村さんを殺す理由があったってことですか?」
キュウが言うと、先生は少し怒り気味で言う。
「バカなこと言わないでちょうだい。
 そんなことで人を殺すなんて…それにこれは私の思い過ごしかもしれないし、
 あの子達から相談を受けたわけでもないんだから」
「…そうやって、いつも知らんぷりしてたんですか」
『メグ…?』
メグが突然口を開いた。
先生は驚いている。
「学校の先生なんてみんなそう。自分の身を守るためならどんな詭弁だって言えるし、
 生徒の心だって踏みにじれる。先生に守ってもらえなかった生徒がどんな想いで
 いるかなんて考えたことないでしょ!!」
先生は目を泳がせ少し挙動不審になる。
それを見たかと思うと、メグは突然歩き出す。
『メグ?!どうしたの!』
「あっ、ちょ、待っ…すいません!ちょ、メグ!!」

「急にどうしたの、」
「…、あの先生があんまり無責任だったから、ちょっと意地悪してあげたかっただけ。
 それだよ。それより、西村静香のノートのコピー手に入れなきゃっ!」
メグはちょっと笑いながら言った。
少し不安はあるけど、いつも通りになってくれたみたいでよかった。

メグは「ごめん、寄るトコあるから先行っててっ!」で、
キュウは、「僕は疲れたから、ミッションルームに戻るよ、梓紗は?」
『アタシは…。アタシも寄るトコあるから、じゃぁ、後でねっ!』。

密室殺人の事件。
まだひっかかるトコがいっぱいある。
もう1回事件現場に戻って色々調べてみよう…。
事件が起こった部屋につながるドアの前まで何とかたどり着く。
…誰かの声がする。
聞いたことのある声。…リュウだ。

『こんなところで何している、ここは立ち入り禁止ですよ』
「…!」
ハッと後ろを振り返るリュウ。
声をかけた人物がアタシだと分かると、ホッとした顔になる。
「梓紗か、ビックリさせんなよ、ていうか何その格好」
アタシは着替えないで真っすぐ来たから制服のまま。
うっわー、ちょっと恥ずかしいな。
『えっと…キュウとメグと潜入調査で高校行ったの。
 その帰りだったからそのまま来ちゃって、この格好』
「ふぅ~ん…」
『ていうか、リュウもこういうのに引っ掛かるんだぁ~?』
「…うるさいなぁ、ボイスレコーダーに声入っちゃったよ」
『ごめんごめん、もう1回取り直しだねっ』
「はぁ…」
迷惑そうにしてるけど、ちょっと笑ってるリュウ。
こんな顔、他の人にはあんまり見せてないからアタシだけの特権。
「今度は黙っててね?変な声出したらダメだよ」
『分かってるって。それより、何か分かった?』
「いや、まだ。今来たばっかりだったし」
『そっか』
「じゃぁ、録音するからね」
『はい、』
「…事件当時、外につながるドアも閉まっていた。出入り口には10cm程の穴」
リュウはそこまでいうと、しゃがんでいたのを立ち上がって部屋の中に入る。
アタシも置いてかれないようについて行く。
「部屋は蒸し暑く、日中は40度を超えると推測される」

リュウは辺りを見回したと思うとポケットに手を入れた。
その時にリュウのポケットから追跡マーカーの粒が転がり落ちる。
『あああ』
「あ、梓紗しゃべった」
『え、ごめん。てか拾わなくていいの?』
「ま、もう撮ってないしいっか。拾うの大変だね、これは…ちょっと待って、拾わないで」
『ん?』
アタシは転がる追跡マーカーを眺める…。
でも、いつまで経っても転がりが止まらない。
「まさか、この並び…」
あ、そっか。そういうコトか。
リュウは粒が転がって行った先の部屋を床近くの壁の穴から除く。
「そういうことか」リュウが呟く。
密室のトリックはこうやって出来たんだ。

『…ん?!』
突然誰かに布で口を塞がれる。
今までこの人の気配に気づかなかったなんて…うかつだった。
アタシはその手から逃れようと必死で抵抗するけど、無理だった。
「梓紗?!…、おい、誰だ!」
アタシが声を出して、リュウが振り返った。
布には薬品がしみ込んであるみたいでドンドン意識が遠のく。
抵抗する力もなくなるし、薬品のせいで意識が消えてく。
アタシは耐えられず床に転ぶ。
「梓紗!?おい、しっかりしろ、梓紗!」
リュウがアタシの名前を叫ぶ声でアタシの意識は消えた。


目が覚めた。
どこだろう。高い天井に大きな窓。どこのお屋敷??
広いベットの上で寝てる。窓の奥には広い芝生が広がってる。
服は制服からして、あの出来事は本当のコトだろう。
頭はまだ薬品のせいかぼやぼやする。
外はまだ明るい。
何時だろう。携帯の時間を見ると、さっきからそんなに時間は経ってない。
起き上がってみる。
部屋は想像以上より広く、奥のソファーには男の人が座っていた。

『すいません、ここ、どこですか?』
「お目覚めですか。ふ、それにしても呑気なものですね。
 どこの誰にどこに連れてこられたかも分からないのに…今の状況、分かってます?」
『今の状況…まさか、誘拐とかじゃないですよねっ?!』
「誘拐だなんて…ふ、面白い方だ。さすが、あの方の好いてる人ですね」
あの方の好いてる人?あの方って誰??
でも、その前に…リュウは…?
『あの、誰か、男の子も一緒にいませんでしたか?』
「リュウ様のことですか」
『…なんで、リュウを知ってるの?!』
「ふ、そのうちお分かりになりますよ。リュウ様は庭でお休みしております。
 案内します。立てますか?」
『あ、ありがとうございます』

いつもなら、こんなうさんくさい話、信じない。
名前なんて所持物を調べればすぐに分かる。
でも、リュウのことが心配で心配で、それどころじゃなかった。
早くリュウの姿が見たかった。安心したかった。
部屋を出ると、広い廊下。
廊下の天井も高く、シャンデリアがいくつもぶら下がっている。
外へ出る扉までの距離が長い。部屋のドアがたくさんある。
何か…ギリシャとかの神殿みたいな雰囲気。

外に出ると、窓から見てた景色より広い芝生。
1つのベンチが見える。
女の人と…あれは、リュウ。
2人が腰掛けていてリュウは女の人の肩にもたれている。
すると、リュウはゆっくりと肩から頭を離したかと思うと、
怯えたようにベンチから飛び起きる。
何か言ったかと思うとリュウは歩き始めた。
「どうぞ」
男の人に行ってもいいということなので、リュウに駆け寄る。

『リュウ!!』
「…梓紗!!ケガないか?大丈夫か?」
『うん…リュウは?大丈夫?!』
「…うん」
リュウは、はぁーと深いため息をついてから、真剣な顔をした。
「ごめん、守れなくて」
ビックリした。リュウがそんなこと思ってるなんて。
アタシはリュウが無事だっただけで安心だよ?
『何?大丈夫だよっ。油断してたアタシも悪いし。リュウが謝るコトじゃないよ』
「うん…ごめん」
『あ、ほらまた謝るっ』
「え、今謝ってた?」
『あはは、うん』
でもリュウはアタシを守れなかったコトに対してだけ謝ったように見えなかった。
何か、もっと奥の真実があるような気がする。
でもやっぱりリュウの姿が見れて良かった。
しかも、ケガもしてなさそうだし…でもあの女の人って誰だったんだろう?

リュウの元気な姿に安心したら、体の力が突然抜けて、
意識が朦朧として、倒れた。
そこからはもう意識がなかった。

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