ドリーム小説
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*第4話*~ネットの恐怖から仲間を救え ③
次の日。
また亀田クンは欠席だった。
アタシ、メグ、朝吹さん、遠矢さん、富永クンの5人で朝吹さんの部屋に集まった。
「ぜぇったい佐久間が怪しいと思うんだよねぇー…アタシ、佐久間の周り徹底的にあらってみる!!」
「うん」
「俺、パソコン得意だし…そっち方面で」
『遠矢さんはどーするっ?』
「あ、…あたしは…」
「じゃあぁ…小椋絵美菜さんのコト調べてもらえるかなっ?!」
「はい、やってみます…」
「じゃあ、明日から本格的な捜査始めようっ。
キュウくんと天草クンには私と梓紗で報告しとく!!」
『あ、うん!!!』
話しが終わった後、メグと2人で校舎裏で2人に電話することに。
「じゃあ、私はキュウに電話するから、梓紗はリュウにお願い」
『おっけぇ』
メグが電話を始める、アタシもリュウに発信した。
メグの後ろ姿を見ながらアタシはリュウが電話に出るのを待つ。
後ろに人影を感じる。
アタシはメグの背中から視線をはずし、振り返る。
そこには、黒で統一された衣装をまとった人の姿が…。
コレクター?!
アタシは突然過ぎて動くことができず、身体を持ち上げられる。
『…やっ!!!』
「梓紗?!」
メグはアタシの声で振り返る。
薬品を嗅がされたみたいで意識が遠のく。
「梓紗?!…誰よ!!!」
少ししか残っていない意識でメグを見る。
すると、ドサッと音がして、メグがアタシの前に倒れる。
メグと、アタシとメグの携帯だけがアタシの視界に入った。
ゆっくりと目が覚めた。
アタシは…座っているみたいだ。
辺りは薄暗く、少しカビの臭いがする。
ここ…どこだ?
そっと顔を上げて周りの様子を伺った。
パッと横を見ると…メグがいた。
メグはまだ気を失っているみたいだった。
口にはテープが張られているし、手はイスに縛られている。
どうにかしてメグを起こそうと身体を動かしていたら、メグが目を覚ました。
アタシの存在に気付くと「ここどこ?」といった顔でアタシを見つめる。
アタシはただ頭を横に振るだけだった。
その時。
足音がした。
アタシとメグは音に気づき、ふと視線を前に向けると、
そこにいたのは…きっと、コレクターだ。
アタシ達が電話をしていた時、薬品をかがせた、アイツだ。
すり足でアタシらに近づいてくる。
恐怖で震えが止まらない。
声が出ない。
ただコレクターを見ることしかできなかった。
いや、あまりの威圧にコレクターから目をそらせなかった。
コレクターはアタシ達の前まで来ると、左折して、横にある黒幕に触った。
一瞬を切って思いっきり幕を開けたかと思うと、次に飛び込んできたのは…亀田クンだ。
亀田クンも口にテープを張られていて、上手くしゃべれていない。
少しだけ、声が漏れているだけ。
セットされてあったビデオの電源を入れる。
その近くにあったビンを手に持つ。
ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、イヤだ、イヤだ、イヤだ!!!!
それで何をする気なの。
亀田クンを?メグを?……アタシを?
やめて、これ以上人殺しなんて…やめて。
何、なんなの。
何するの、それで、いやだ…!!!
コレクターはゆっくり亀田クンに近づく…ビンを持ったまま。
亀田クンの目の前に来ると、大きくビンを振りかぶり…。
ガシャアァッンっっっ
アタシは怖くて見られなかった。
次に見た亀田クンの姿は…頭から血が流れ、目に光が無かった。
メグの呼吸が荒い。
アタシはもう、震えが止まらなくてしょうがない。
コレクターはアタシ達の前を何事もなかったかのように素通りし、
セットしてあったカメラに手を伸ばす。
カメラを持ったコレクターが近付く。
きっとカメラにアタシ達を映しているんだろう。
やだ、やだよ、やめて、いや、死にたくない!!!
メグの呼吸が更に荒くなる。
声が漏れている。
アタシはもう、怖い、怖くてしょうがない。
すると、メグに歩み寄った。
「んっ!!!んっ!!!!!」
メグは必死に声を出している。
コレクターは黒の衣装から白い布を取り出した。
それをメグの鼻元まで持っていくとメグはすぐにガクンと首を寝せた。
何か強烈な薬品なのか。
アタシの鼻元にも持ってくるコレクター。
すると、今までしなかった強烈な匂いがアタシの脳を襲う。
一瞬にして意識が消えた――――――。
リュウ……―――――助けて。
梓紗とメグいない。
そう気づいた僕達はみんなを総動員して2人を探した。
1度何手かに分かれて校内を探すことに。
僕は1人で探すことになったが、探していた最中の記憶がない。
梓紗に何かあったのか…。
まさか…コレクター…?!
梓紗に何かあったら…僕は生きていけない。
ふと気付くと集合する時間になったので、決められた場所へと向かった。
途中でキンタと合流し、その場所へ着くとキュウがそわそわして1人でいた。
「キュウ!!!」
キンタが叫び、走り出す。
僕もとっさに走る。
「メグと梓紗の携帯がここに落ちてた!!」
キュウが持っていたのは間違いなく2人の携帯だ。
僕は自分の顔が硬直するのが分かった。
キュウも挙動不審になり、息遣いが荒かった。
「まさか…メグと梓紗…」
「何かあったんだ。7時だ、もうすぐ日が暮れる」
「早く見つけなきゃ…どこだよメグ…どこにいるんだよぉ」
キュウは気がおかしくなったように、回り始める。
こんなに冷静にキュウを見ていられる僕も、相当焦っている。
梓紗にもしものことがあったら…?
もしも…もしもってなんだよ。
もしものことなんて、僕が起こさせないから…無事でいてくれ…。
「おい、落ちつけ!!俺たちがオタオタしてどーする!!」
キュウが少し落ち着いたのが分かる。
「だめだ!!」
向こうから声がした。
走ってきたのは、富永、朝吹、遠矢だ。
この3人も途中で合流したのだろう。
「美南さん…橘さん…どこにも見当たらない…」
「ねぇ、一体どーいうコトなの?」
「彼女、もしかして誰かに拉致、されたのかもしれない…!!」
「昨日姿を消した亀田も」
「亀田も?!」
「彼の部屋から、連れ去られた痕跡があったんだ」
「コレクターの仕業…?!まさか、本当にいたの?!」
朝吹さんが【コレクター】と発した瞬間、不安が怒りに変わった。
コレクターなのか?
だからって、何で梓紗なんだよ。
どうして…転校生なんかを狙うんだよ…。
「早く2人を見つけなきゃ、大変なコトになるかもしれない!!」
「…あ、そうだ」
冨永が思いついたように口を開いた。
「学院のネット掲示板を見れば、何かわかんじゃないのかな?」
僕達は急いでパソコンへと向かった。
すぐに掲示板を開くと、新しいスレが入っていた。
「掲示板に動画が貼り付けてある…」
キュウは動画へつながるURLをクリックした。
そこに出てきたのは…黒画面に赤字の「…殺人シアター……」。
そこには亀田が黒衣装を着た何者かにビンで殴られている。
破片が飛び散ったところを見ても、本当に殴っているようだ。
亀田の顔は下を向いたまま、動く術がないようだった。
周りの息をのむ音が聞こえてきた。
画面が一度黒くなり、次に映ったのは…メグ。
「メグっ!!」
画面にはメグしか映っていないが、かすかに映る制服のスカート。
「あ、梓紗!!」
「え?」
「このスカート…梓紗じゃないのか?」
「本当だ!」
「まさか…美南さんと橘さんまで?!」
カメラはメグへと近づいていく。
梓紗の姿は映らなくなってしまった。
メグの目がカメラを向けていると思われるコレクターに向けられている。
「場所はどこだよ、どこだよ!!」
「学校の外かな?」
「いや、拉致されたのが校内なら白昼外に連れ出すのは難しいし、
1度に2人もの人間を運ぶことは簡単ではない。
2回に分けたと考えたとしても、1人残ってしまうからそう遠くには行けないはず…
学校の中のどこかだ」
キュウが動画を巻き戻している。
何か手掛かりになるものを…。
「学校の時計台…」
キュウが見つけたのは、亀田が殴られる直前の背景に時計台があることだ。
時計の針が…7時を射している。
「7時…ちょうどアタシ達が合流した頃よ!」
朝吹がそう言った次の瞬間、キュウは走り出した。
僕も同時に走りだす。
時計台に着いたことは、7時を15分程過ぎていた。
僕は梓紗が連れ去られていると思われる場所を必死で探す。
「どこだ、どこからこの時計台を…」
あ、あそこか?!
「アレだ!!角度からしてあそこだ」
「体育館の倉庫だ!」
僕達は一気に走りだす。
長い廊下を駆け抜け、富永の言う体育館の倉庫へと向かう。
少し走ったところに体育館の倉庫はあった。
キュウが勢いよく扉を開けた。
「メグ!!!!」
「梓紗!!!!」
僕は梓紗が無事でいてくれることだけを望んでいて、
他は何も考えられなかった。
進んでいくとグッタリとしているメグと梓紗の姿が飛び込んできた。
「あ…梓紗!!!!!」
「メグ!!」
梓紗の元へ駆け寄る。
ダメだ、梓紗…梓紗、梓紗!!
「梓紗、しっかりしろ、大丈夫か?!梓紗!!」
僕は必死になって梓紗の肩をゆする。
すると、すぐに梓紗は目を覚ました。
少し瞳が潤んでいるのが分かった。
口に貼られてたテープをゆっくり剥がす。
隣ではメグも目を覚ましたようだった。
『あ、…リュ、リュウ…』
「だい、大丈夫か?!」
『大丈夫だよ、薬品嗅がされただけだと思うし…』
強がっているように言った梓紗の肩は震えていた。
いてもたってもいられなくなった僕はふいに抱きしめてしまった。
「ああ、もう、本当に心配させるな…
梓紗がいなくなったら僕…本当にどうしようかと…」
『ごめん、ありがとう…』
「無事ならそれでいいよ」
僕の腕から解放された梓紗は小さな笑顔を浮かべていた。
でも、目の潤みは消えていなかった。
『リュウ、ありがとう…ごめんね』
僕が泣きそうになった。
次の日。
また亀田クンは欠席だった。
アタシ、メグ、朝吹さん、遠矢さん、富永クンの5人で朝吹さんの部屋に集まった。
「ぜぇったい佐久間が怪しいと思うんだよねぇー…アタシ、佐久間の周り徹底的にあらってみる!!」
「うん」
「俺、パソコン得意だし…そっち方面で」
『遠矢さんはどーするっ?』
「あ、…あたしは…」
「じゃあぁ…小椋絵美菜さんのコト調べてもらえるかなっ?!」
「はい、やってみます…」
「じゃあ、明日から本格的な捜査始めようっ。
キュウくんと天草クンには私と梓紗で報告しとく!!」
『あ、うん!!!』
話しが終わった後、メグと2人で校舎裏で2人に電話することに。
「じゃあ、私はキュウに電話するから、梓紗はリュウにお願い」
『おっけぇ』
メグが電話を始める、アタシもリュウに発信した。
メグの後ろ姿を見ながらアタシはリュウが電話に出るのを待つ。
後ろに人影を感じる。
アタシはメグの背中から視線をはずし、振り返る。
そこには、黒で統一された衣装をまとった人の姿が…。
コレクター?!
アタシは突然過ぎて動くことができず、身体を持ち上げられる。
『…やっ!!!』
「梓紗?!」
メグはアタシの声で振り返る。
薬品を嗅がされたみたいで意識が遠のく。
「梓紗?!…誰よ!!!」
少ししか残っていない意識でメグを見る。
すると、ドサッと音がして、メグがアタシの前に倒れる。
メグと、アタシとメグの携帯だけがアタシの視界に入った。
ゆっくりと目が覚めた。
アタシは…座っているみたいだ。
辺りは薄暗く、少しカビの臭いがする。
ここ…どこだ?
そっと顔を上げて周りの様子を伺った。
パッと横を見ると…メグがいた。
メグはまだ気を失っているみたいだった。
口にはテープが張られているし、手はイスに縛られている。
どうにかしてメグを起こそうと身体を動かしていたら、メグが目を覚ました。
アタシの存在に気付くと「ここどこ?」といった顔でアタシを見つめる。
アタシはただ頭を横に振るだけだった。
その時。
足音がした。
アタシとメグは音に気づき、ふと視線を前に向けると、
そこにいたのは…きっと、コレクターだ。
アタシ達が電話をしていた時、薬品をかがせた、アイツだ。
すり足でアタシらに近づいてくる。
恐怖で震えが止まらない。
声が出ない。
ただコレクターを見ることしかできなかった。
いや、あまりの威圧にコレクターから目をそらせなかった。
コレクターはアタシ達の前まで来ると、左折して、横にある黒幕に触った。
一瞬を切って思いっきり幕を開けたかと思うと、次に飛び込んできたのは…亀田クンだ。
亀田クンも口にテープを張られていて、上手くしゃべれていない。
少しだけ、声が漏れているだけ。
セットされてあったビデオの電源を入れる。
その近くにあったビンを手に持つ。
ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、イヤだ、イヤだ、イヤだ!!!!
それで何をする気なの。
亀田クンを?メグを?……アタシを?
やめて、これ以上人殺しなんて…やめて。
何、なんなの。
何するの、それで、いやだ…!!!
コレクターはゆっくり亀田クンに近づく…ビンを持ったまま。
亀田クンの目の前に来ると、大きくビンを振りかぶり…。
ガシャアァッンっっっ
アタシは怖くて見られなかった。
次に見た亀田クンの姿は…頭から血が流れ、目に光が無かった。
メグの呼吸が荒い。
アタシはもう、震えが止まらなくてしょうがない。
コレクターはアタシ達の前を何事もなかったかのように素通りし、
セットしてあったカメラに手を伸ばす。
カメラを持ったコレクターが近付く。
きっとカメラにアタシ達を映しているんだろう。
やだ、やだよ、やめて、いや、死にたくない!!!
メグの呼吸が更に荒くなる。
声が漏れている。
アタシはもう、怖い、怖くてしょうがない。
すると、メグに歩み寄った。
「んっ!!!んっ!!!!!」
メグは必死に声を出している。
コレクターは黒の衣装から白い布を取り出した。
それをメグの鼻元まで持っていくとメグはすぐにガクンと首を寝せた。
何か強烈な薬品なのか。
アタシの鼻元にも持ってくるコレクター。
すると、今までしなかった強烈な匂いがアタシの脳を襲う。
一瞬にして意識が消えた――――――。
リュウ……―――――助けて。
梓紗とメグいない。
そう気づいた僕達はみんなを総動員して2人を探した。
1度何手かに分かれて校内を探すことに。
僕は1人で探すことになったが、探していた最中の記憶がない。
梓紗に何かあったのか…。
まさか…コレクター…?!
梓紗に何かあったら…僕は生きていけない。
ふと気付くと集合する時間になったので、決められた場所へと向かった。
途中でキンタと合流し、その場所へ着くとキュウがそわそわして1人でいた。
「キュウ!!!」
キンタが叫び、走り出す。
僕もとっさに走る。
「メグと梓紗の携帯がここに落ちてた!!」
キュウが持っていたのは間違いなく2人の携帯だ。
僕は自分の顔が硬直するのが分かった。
キュウも挙動不審になり、息遣いが荒かった。
「まさか…メグと梓紗…」
「何かあったんだ。7時だ、もうすぐ日が暮れる」
「早く見つけなきゃ…どこだよメグ…どこにいるんだよぉ」
キュウは気がおかしくなったように、回り始める。
こんなに冷静にキュウを見ていられる僕も、相当焦っている。
梓紗にもしものことがあったら…?
もしも…もしもってなんだよ。
もしものことなんて、僕が起こさせないから…無事でいてくれ…。
「おい、落ちつけ!!俺たちがオタオタしてどーする!!」
キュウが少し落ち着いたのが分かる。
「だめだ!!」
向こうから声がした。
走ってきたのは、富永、朝吹、遠矢だ。
この3人も途中で合流したのだろう。
「美南さん…橘さん…どこにも見当たらない…」
「ねぇ、一体どーいうコトなの?」
「彼女、もしかして誰かに拉致、されたのかもしれない…!!」
「昨日姿を消した亀田も」
「亀田も?!」
「彼の部屋から、連れ去られた痕跡があったんだ」
「コレクターの仕業…?!まさか、本当にいたの?!」
朝吹さんが【コレクター】と発した瞬間、不安が怒りに変わった。
コレクターなのか?
だからって、何で梓紗なんだよ。
どうして…転校生なんかを狙うんだよ…。
「早く2人を見つけなきゃ、大変なコトになるかもしれない!!」
「…あ、そうだ」
冨永が思いついたように口を開いた。
「学院のネット掲示板を見れば、何かわかんじゃないのかな?」
僕達は急いでパソコンへと向かった。
すぐに掲示板を開くと、新しいスレが入っていた。
「掲示板に動画が貼り付けてある…」
キュウは動画へつながるURLをクリックした。
そこに出てきたのは…黒画面に赤字の「…殺人シアター……」。
そこには亀田が黒衣装を着た何者かにビンで殴られている。
破片が飛び散ったところを見ても、本当に殴っているようだ。
亀田の顔は下を向いたまま、動く術がないようだった。
周りの息をのむ音が聞こえてきた。
画面が一度黒くなり、次に映ったのは…メグ。
「メグっ!!」
画面にはメグしか映っていないが、かすかに映る制服のスカート。
「あ、梓紗!!」
「え?」
「このスカート…梓紗じゃないのか?」
「本当だ!」
「まさか…美南さんと橘さんまで?!」
カメラはメグへと近づいていく。
梓紗の姿は映らなくなってしまった。
メグの目がカメラを向けていると思われるコレクターに向けられている。
「場所はどこだよ、どこだよ!!」
「学校の外かな?」
「いや、拉致されたのが校内なら白昼外に連れ出すのは難しいし、
1度に2人もの人間を運ぶことは簡単ではない。
2回に分けたと考えたとしても、1人残ってしまうからそう遠くには行けないはず…
学校の中のどこかだ」
キュウが動画を巻き戻している。
何か手掛かりになるものを…。
「学校の時計台…」
キュウが見つけたのは、亀田が殴られる直前の背景に時計台があることだ。
時計の針が…7時を射している。
「7時…ちょうどアタシ達が合流した頃よ!」
朝吹がそう言った次の瞬間、キュウは走り出した。
僕も同時に走りだす。
時計台に着いたことは、7時を15分程過ぎていた。
僕は梓紗が連れ去られていると思われる場所を必死で探す。
「どこだ、どこからこの時計台を…」
あ、あそこか?!
「アレだ!!角度からしてあそこだ」
「体育館の倉庫だ!」
僕達は一気に走りだす。
長い廊下を駆け抜け、富永の言う体育館の倉庫へと向かう。
少し走ったところに体育館の倉庫はあった。
キュウが勢いよく扉を開けた。
「メグ!!!!」
「梓紗!!!!」
僕は梓紗が無事でいてくれることだけを望んでいて、
他は何も考えられなかった。
進んでいくとグッタリとしているメグと梓紗の姿が飛び込んできた。
「あ…梓紗!!!!!」
「メグ!!」
梓紗の元へ駆け寄る。
ダメだ、梓紗…梓紗、梓紗!!
「梓紗、しっかりしろ、大丈夫か?!梓紗!!」
僕は必死になって梓紗の肩をゆする。
すると、すぐに梓紗は目を覚ました。
少し瞳が潤んでいるのが分かった。
口に貼られてたテープをゆっくり剥がす。
隣ではメグも目を覚ましたようだった。
『あ、…リュ、リュウ…』
「だい、大丈夫か?!」
『大丈夫だよ、薬品嗅がされただけだと思うし…』
強がっているように言った梓紗の肩は震えていた。
いてもたってもいられなくなった僕はふいに抱きしめてしまった。
「ああ、もう、本当に心配させるな…
梓紗がいなくなったら僕…本当にどうしようかと…」
『ごめん、ありがとう…』
「無事ならそれでいいよ」
僕の腕から解放された梓紗は小さな笑顔を浮かべていた。
でも、目の潤みは消えていなかった。
『リュウ、ありがとう…ごめんね』
僕が泣きそうになった。
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