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ドリーム小説
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*第1話*~実践開始!戦慄の死の予言!死体消滅の謎を追え ④

「梓紗?!」
梓紗は突然倒れた。
苦しそうな動作もないし、きっとケルベロスの催眠だろう。
これほどケルベロスの催眠に安心したことはない。
「リュウ様。そんなに心配なさらないで下さい。ケルベロスの催眠です。
 梓紗様が次に目を覚ました時にはここにいた記憶はなくなるようにしました」


『リュウが謝るコトじゃないよ』


梓紗にそう言われたとき心にひびが入った。
きっと梓紗は気づいている、僕が謝ったのは守れなかったコトだけじゃないことを。
でも気遣って気にしないふり、気付かないふりをしてくれたんだ。
梓紗に僕のことを話すことはできないんだ。
きっとそれを知ったら君は僕から離れて行く。それだけが怖い。
「お前ら、何で梓紗を巻き込んだ?何が目的だ」
「大丈夫ですよリュウ様。梓紗様に危害、ましてや傷もつけません。
 おじい様から通達が届いてると言ったじゃありませんか。今回の事件には関わらないようにと」
「…関わったら梓紗に何かする気か…?」
「そのようなご命令はきておりません…が、どうしましょうか」
「さっきも言った。そういうことなら余計に引き下がれないって。
 梓紗に何かしてみろ、僕がただじゃおかない。守りとおしてみせる」
梓紗は僕が守る。こんなに愛しい人をこいつらに壊されてたまるか。
事件だって、解決する。お前達の思い通りなんかにさせない。

僕は梓紗を抱きかかえ、その場を後にした。
ユリエがずっと僕を睨んでいたのは…視線で分かる。




…目が覚めた。
はっきりと分かる、ここはミッションルーム。
アレ?さっきまでリュウと事件現場の調査を…。
アタシはソファーに足をたたんで寝ている。
隣を見れば、メグ、リュウ、数馬がアタシを覗いてる。
「梓紗?!大丈夫!?」
『あ、だ、大丈夫だけど…アタシどうしたの?』
「事件現場で倒れたんだ。貧血とか熱中症とかだと思う」
あれ?そっか。
アタシは倒れたからリュウがミッションルームに連れてきてくれたのか。
『そっか…ありがと、ごめんねリュウ』
「ううん」
「梓紗ぁ~、心配したんだからぁ~っ!」
メグが泣きそうな顔で抱きつく。
『えー、ありがとうー。でもメグおおげさだよーっ』
「リュウが梓紗を抱えて入って来た時はビックリしたんだからね!
 ホント、最初は分かんなくて「何やってんだ?」って思ったけど…」
「梓紗でも、倒れるんだね」
『何よ数馬』
「別に?」
「でも、入って来た時のリュウ、結構動揺してたよね。梓紗抱えてたのにはビックリだけど」

リュウが動揺かぁ。
それ、ちょっと見たかったかも、とかって。
アタシ重いのに…ずっと抱えてくれたのかな?
『リュウ、アタシ重くなかった?』
「大丈夫、重くなかったよ。暑かったし、仕方ないよ」

良かったぁーと2人ともアタシから離れた。
すると、リュウがストンとソファーに座る。
「無事でよかったよ」
と、アタシの頭をくしゃくしゃっと撫でた。
リュウの顔はホントに安心しきってるような顔だった。

「あ、メール」
メグが携帯を見る。
「…キュウからだ」
『なんだって?』
「今、佐々木さんの家の前で見張りしてるから、メグも来ない?
 僕と2人が嫌だったら梓紗も誘っていーよ、だって」
『アタシ、行かなくていいよね?』
「何言ってんの、行くに決まってるっ!!」
なんだかんだ言って、キュウに誘われて嬉しいんだよね、メグ。
アタシ、絶対行かない方がいいと思うんだけどなぁ。
メグには逆らえないし、隙を見計らって1人で抜けるか。
リュウも行かない?って言ったら「僕はまだ調べることあるから」って、
ちょっと笑って言ったから無理に誘えなかった。
メグは途中家に寄って浴衣に着替えた。
キュウに見せるの?って言ったら「違う!気分、気分!」って…誤魔化しきれてないよ。


キュウ、発見!
佐々木さん家の前の神社の石段で携帯持ってる。
なんか呟いてるみたいだけど…通りかかるの、アタシ達で良かったね。
「キュウ見ぃっけー♪じゃーん、可愛い?」
「…何その格好!」
「…、可愛くないんだ」
「や、かわいいよ、すっごい可愛いよ!でもなんで浴衣着てこんなとこいんの?」
メグは可愛いって言われたの、嬉しいのかな。
顔がすごい笑ってる。
『メグねぇ、キュウに見せるって張り切ってたんだよーっ?』
「違うわよ!梓紗変なこと言わないでよ!ただの冷やかし。
 キュウ1人じゃ寂しがってるかなぁと思って」
「いや、別に?遊びに来てるわけじゃないんだからさー」

メグがキュウの隣に座ったので、アタシはメグの隣に座る。
メグが口を開く。
「…ねぇ、胴真っ二つって、あれ本気かなぁ」
胴体真っ二つっていうのは西村さんのノートに書かれていた内容。
次に殺される人は胴を2つにされて殺されるらしい。
人1倍死体が苦手なだけあって身震いがする。
こんなんで探偵やってけるかな?
「…どんな理由があろうと、人間がそんな残忍なことできるなんて、僕は信じたくない」
キュウの強い意志が伝わる。
なんだかんだ言ったって、キュウだってちゃんと考えてるもんね。
それ以降はみんな黙って会話が無くなり、沈黙が続く。

メグ、今日色々あって疲れたのかな?
うとうとしてきてるなぁと思ってたらキュウの肩に寄りかかって眠っちゃった。
キュウはビックリしてたけど、そのままにしてあげようと思ったのかな。
思わず、2人の幸せに頬が緩んだ。
『キュウ、嬉しいねー?浴衣だし、可愛いもんねー?』
「え、な、何だよ梓紗!」
微笑ましいのも束の間。
道路をはさんだ向かいの家から声が飛び出した。

「刑事さん!まどかがっ…まどかがいなくなったんです!!」
「何ィ?!」
アタシはすぐ立ち上がった。
キュウはメグを起こし、アタシ達は諸星さんのとこへ向かった。
「刑事さん!」
「…、またお前らか」
『そんなコト言ってる場合ですか?!何が起こったんですか?!』
「佐々木まどかが家から消えた!」
「え…、みんなにも連絡しなきゃっ!!」
アタシ達は携帯を取り出すと、それぞれ連絡を取り合う。
すると、1台のタクシーが止まった。
中から出てきたのは昼に話した文芸部の顧問の先生。
「先生!」
「どうしてあなた達ここに!?」
『説明はあとでします!どうしたんですか?!』
「さっき佐々木さんから電話があって、泣きながら助けてほしいって!」
『佐々木さんが…?』
アタシはこの時から何かが矛盾していると感づいた。
根拠は無い、…探偵の勘。
すると、先生の携帯が鳴りだす。
画面には、「まどか」の文字が。先生は諸星さんに携帯を渡した。
「もしもし、警察だ!いまどこだ、どこにいる?!」
【律子が殺された部屋です…早く助けて!】

電話はそこで切れる。
「あの子達、どこにいるんですか?!無事なんですか?!」
「岡田律子の死体が発見された部屋です!」
なんだろう。やっぱりどこか矛盾してる。
何だ、何かがひっかかってる…なんだ、何だ??
猫田さんが向こうから走ってくる。
「どうした!?」
「裏口から出たようです!!」
「よし、秋葉原へ強行だ!」
「私も一緒に行きます!」
「梓紗、キュウ?!何してんの、一緒に行くわよっ!」
「え、あ、うん!」
『あ、ごめん!』
考えてるアタシの腕を引っ張るメグ。
キュウもどこか不自然に感じたのか少し黙ってたみたい。
多分、メグに腕を引っ張られるまでずっと考えてたかも。
アタシ達はパトカーで佐々木さんのいる、岡田さんが殺害された部屋へ向かう。
岡田さんが殺害されたビルに着くと、それぞれ手に懐中電灯を持ち、
奥へ奥へ進んでいく。

「警察だ!誰か居るか?!」
諸星さんがドアを開ける。
諸星さんが懐中電灯を部屋にまわす。
ある1点に向けると、そこには目を閉じ、口元から血が流れている佐々木さん。
死んでた。どうしよう。生きてる時に少しでも関わりがあった人だよ?
どうしよう、どうしよう。死んでる、ヤダ、信じたくない、守れなかった。
気付く。佐々木さんの下半身が無い…!!!

「、諸星さん」
猫田さんの声で我に返る。猫田さんの灯りの先には佐々木さんの下半身。
叫びそうだった。あんなの、残酷すぎる。誰がこんなコトを…。
いやだよ、こんな殺され方…残酷すぎるよ…。いや、いやだ、いやだ!
アタシは気づく、メグの呼吸が荒い。
『メグ?大丈夫?』
メグは小さく頷くと、ゆっくりとふらついた足で部屋を出て行った。
アタシは心配で部屋のドアの縁まで行くと、メグの悲鳴。
『メグ!メグ!!』
「メグ!どうした?!ねぇメグ!!」
すると、そこに先生が来る。
「早く外へ!」
「、はい!」
アタシとキュウと先生が立ち上がると、どこからか爆発音。
諸星さんと猫田さんは勢いよく走り出す。

ビルの外に出ると、パトカーが燃えている。
アタシ達がさっきまで乗っていたパトカー。
怖かった、あと少し出るのが遅かったら…死んでた?
パトカーから出る白い煙がアタシの恐怖を誘う。
「どうなってんだこりゃ?!」
「諸星さん、もしかしてこれ犯人が!」
「だとしたらそう遠くには行ってない!あとは調べろ、俺がげんばを補整する!」
「はい!」
猫田さんが走りだす、すると、諸星さんの携帯が鳴った。
「もしもし、…何!?、わかった、すぐに手配する!」
「どうしたんですか?!」
「大森恭子も家から消えたそうだ!」
『…嘘…』

諸星さんがビルへ走り出す、
するとキュウは立ち止まる。怯えているメグをあやしている先生を見つめてる。
「あの、メグを…お願いします」
アタシも先生に頭を下げる。頭をあげたとき、先生はしっかり頷いてくれた。
メグを頼める、って確信できた頷きだった。

死体がある部屋の前でちょっと立ちすくむと、キュウはそれに気づき、
「大丈夫?」と声をかけてくれた。
アタシは、大丈夫と微笑み中に入る決心を固める。

…あれ?


「…死体、消えた?!」


諸星さんが言うので初めて気づいた。
佐々木さんの遺体は跡形もなく消え去っていた。
アタシは安心したと同時に、やっぱりどこか矛盾していると察した。
何だ、何か決定的な矛盾が、見つからない。

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