ドリーム小説
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*第1話*~実践開始!戦慄の死の予言!死体消滅の謎を追え ②
リュウを先頭に現場に到着。
ビルの目の前まで来ると、やっぱり怖い。
この中で人が殺された?考えただけで身震いがする。
「大丈夫」
リュウはアタシの肩を少し叩き、ちょっと笑顔を見せてら中に入って行った。
少し、楽になった気がする。「アリガト」。
事件現場にはあっさり入る事が出来た。
途中階段の奥に怖い人形みたいなの置いてあってすっごいビックリしたけど。
部屋の中に入る。
すると、死んだ岡田律子さんの死体の型があった。
ぞわっとして、本当にそこから抜け出したかった。
「…事件当時、入口のドアは内側から鍵はかけられ、この部屋に続くドアも閉まっていた」
「つまり…ドアは二重に閉まっていたってことだよね」
「そして、被害者のそばには部屋の鍵が」
「でも誰がその鍵を保管してたんだ?」
「このビルを管理してる不動産屋。そこで盗まれたみたい」
「…その鍵のコピー作れば密室もクソもねぇじゃん」
「それが、IDカードがなければコピーできない、特殊な鍵だったらしい」
みんなの言ってることはだいたい整理がつく。
アタシは怖くて、みんなの会話を聞いてることしかできなかった。
そんなアタシの様子に気づいたのかリュウは隣に来てくれた。
その時突然ドアの開く音がした。
みんながドアの方に反応し、一斉に振り返る。
リュウはアタシの手の甲を握ってくれてる。
ビックリしてリュウを見たけど、真っ直ぐドアを見てる。
かなりビックリしたけど安心したっていうのは本心。
あぁ、やっぱりリュウはアタシを安心させるのが得意だね。
すると不安から解放されたのも束の間。キュウが口を開く。
「…犯人は…何度も現場に訪れる、っていうよね…」
『え、犯人かもしれないってこと…変なこと言わないでよ、』
キュウは呟いたのも一瞬、キンタを前に押した。
「何だよ、何だよ」
「こういうときこそキンタの出番でしょ!?」
「もしものときはちゃんと骨拾うから!」
『キンタ、お願い、骨拾うからっ!』
「勝手に殺すなよっ!」
ドンドン近づく足音。
扉が開いた!キンタは一瞬の隙に入ってきた人を背負い投げ。
「いてててて、誰だ貴様!!!」
「お前こそ何者だ!」
「け、警視庁の諸星だっ!」
「…、刑事?!」
開いた警察手帳からして、嘘ではないことは確かだ。
「つまり、警察に協力を要請され、事件現状を調べるためにあそこに入り込んだ。
ってわけだな?」
「…あ、はい、そういうことです」
私達は警察署に連行さえて、さっきのことを説明させられていた。
外はもうすっかり暗くなっている。
アタシとキュウ以外、ぐったりだ。
「なるほどね…って納得すると思ってるのか!!」
刑事さんが扇子を持ったまま、机をドンと叩く。
アタシはちょっとビックリした。
「お前らみたいなガキにな、えぇ?助けを求めた覚えはねぇ!!」
「いやだから、それもっとえらい、えらーい人から、」
「もうよせ、」
キュウの言葉をキンタが遮った。
キンタの顔は、もう「くだらねぇ」というのが出ていた。
「どうせこいつら見かけでしか人を判断しねぇ。
バッジかざして威張るだけで、聞く耳なんか持たねぇーよ」
「貴様、桜田門にケンカ売ってるのか?!」
キンタが挑発したせいで刑事さんはキレちゃった。
一応ココ警察署だし、アタシらは何も悪いことしてないわけだし、
変なことする前に帰りたかったんだけどなー。
「諸星さん!」
1人の刑事が入ってきた。
その人はメグと目が合い、少し硬直する。メグは「あ、」と声を漏らしている。
その刑事さんは「いや、あのー実はですね」と諸星さんに話し始める。
でも目ではメグを追ってるコトからこの2人は知り合いだと確信。
すると諸星さんは「何だと?!」と目を大きくして驚いている。
何を聞いたんだろう??
「…警視庁からの通達だ。お前らをサポートしろってよ」
うはぁーっと、今までのグッタリ様が嘘のように、
みんな笑顔になる。(…リュウは別だけどね)
「ほーらっ!分かったらさっさと捜査資料見せろよっ!」
「ふざけるなっ!調べたかったらお前達で勝手にやれ!!」
諸星さんは怒って出て行ってしまった。
あとから来た刑事さんも困った顔して出て行った。
「…で、どうする??」
数馬が1番に口を開いた(珍しい)。
「…よーし!みんなで力を合わせて事件を解決しよう!」
『うん、それがいいよ!』
キュウが立ち上がってかなりの笑顔で叫ぶ。
アタシもそれがいいと思い、キュウに大賛成っ!!
…でもアタシとキュウ以外はまたもやグッタリ。
「時間の無駄遣いだ」
「あーあ」
「ほんっと、付き合ってらんない」
みんながのそのそと立ち上がって次々と部屋を出て行く。
リュウが部屋を出て行く時、少し目が合った。
ちょっと困ったような微笑みをして、ポケットに突っ込んでいる手を出し、
腰のあたりで小さく手を振って出て行っちゃった。
「ねぇ、何で?何でみんな一緒に調べないの?!」
「キュウ、梓紗。僕達は競争ゲームの中にいるんだよ」
「団先生の後継者は1人ってことだろ…?」
『わかってるよ、そんなの』
「だったらなおさらだ。Qクラスは仲良しグループなんかじゃない。ライバル同士なんだよ」
数馬は冷たくそう言い放ち出て行ってしまった。
そんなに冷たく言わなくたっていいじゃん…。
「自信ねぇならあの部屋で留守番でもやってろっ!」
キンタもメグも出て行ってしまった。
「…ねぇみんな!ライバルだけど…仲間でしょ?」
すると、出て行ったはずのメグが戻ってきて言った。
「梓紗の気持ちはいくらか分かるよ?でもキュウ、はっきり言ってウザい」
はっきり言ったねー。
アタシの気持ちはいくらか分かるってのも…ホントかな…??
実は、アタシもウザかったりしない?!
「そこまで言うなら梓紗と頑張るよっ!僕だってやる時はやるんだから!!
ね、梓紗、頑張ろうっ!!!」
『キュウ、無理しなくて…いいよ、悲しくなる」
「…うん」
次の日、キュウとメグが学校に編入して調査するって言うからアタシもそうすることにした。
岡田さんが通っていた高校の制服を着て調査っていうのは、
ちょっと慣れないのもあって恥ずかしい…。
「…ねぇ、昨日1人で調べるって言わなかったっけ??」
「1人じゃない!梓紗も一緒だよっ、メグ1人じゃ心細いかなーっと思って…」
「っていうか、ビビってんのキュウの方じゃん。私、梓紗と調べるからっ」
『え!?』
そう言ってメグはアタシの手を引っ張った。
キュウは後ろから早歩きでついてくる。
「ねぇ!僕達中学生だよ?!バレたらヤバいよ!」
「嫌なら帰んなさいよ。被害者は高校生だし、探るなら学校の友達が1番なのよっ」
メグは人差し指を振りながら話す。
そしたら、何かに気づいたのか向こうに行ってしまった。
すると後ろから「ねぇねぇあの子可愛くない?」との女子の先輩の声。
キュウがそれに反応する。
「隣の子誰?もしかして彼女?」
「えー嘘。でも可愛いし、いるかもねーっ!」
キュウはキョロキョロを繰り返す。
「あははは、こっち向いたっ」
「彼女の子も結構可愛くない?」
キョロキョロを繰り返しているうちにメグがいないことに気付く。
『キュウ、可愛いって褒められて嬉しがるのは分かるよ?』
「え、別に嬉しがってないよ」
『アタシをキュウの彼女にするのは、やめてほしいよね…」
「何それ!?」
「梓紗っ、こっち!」
メグがアタシを呼ぶ。
メグに近寄るとそこには体全身が映る大きな鏡。
「1度着てみたかったんだよねー、この学校の制服っ♪」
『メグって、ホント何着ても似合うよねっー、ね、キュウっ?』
「何で僕に言うの?ていうかホントにやる気あんの!?」
無事に編入も済み、放課後廊下を歩いていると、ある教室にたどり着いた。
『文芸部』と書いてある。
この部室はメグの話によると、殺された岡田さんが所属していたサークルらしい。
「失礼しまーっす!あの、岡田律子さんと親しかった人どなたはいませんか?」
メグは躊躇なく入って行き、いきなり聞き込み開始。
「いきなりかよ」
『メグ、いきなりそれはないっしょ』
「お前ら…誰だ?」
机に向かっていた男の人がこっちを見た。
おかっぱな頭で、ちょっと不気味な感じ。…ちょっとじゃないかも。
「…転校してきたばっかりの1年生でぇ…す」
「転校生が何で岡田のコト嗅ぎまわってる?」
『えっと…それは』
返事に困ったアタシとメグは両端からキュウの半袖の裾を掴んで、
前へ前へと押し出す(ごめんね、キュウ…)。
「あ、あの僕達文芸部に入部したいなーと思ってたんですけど、クラスの連中にリサーチしたら
部員が1人、1週間前に殺されたって言うじゃないですか。
おまけに密室殺人だって聞いて、その、ミステリー好きな僕らとしては、こう…
血が…うずいちゃって…」
キュウの必死の弁解。
「調べたって無駄だ。岡田は呪われたんだ」
『へ?呪われた?』
笑いそうになったアタシをキュウが腕を縦に振り、風の音で制す。
「ああ」
すると男の人は額に入った写真に近づいて行った。
額に入っているのはちょっとウェーブがかったセミロングの髪に、
賞状を持って満面の笑みで映っている綺麗な人。
「…西村静香の亡霊にね」
それを聞いてメグも笑いそうになってた。アタシだって堪えるの大変だったけど。
そしたらキュウがアタシの時と同じ動きでメグの笑いを制す。
『西村静香さんって…誰ですか?』
アタシは男の人に聞いた。
「文芸部のメンバーよ」
聞こえたのは明らかに女の人の声。
気がつかなかった…そこに人が寝てたなんて。
かなりダルそうに起き上がる姿…少し不気味…。
「1ヶ月前に亡くなったの」
2人の説明をまとめると、西村静香さんは1ヶ月前に転落事故で亡くなった、
この学校の生徒さんらしい。
警察の話によると、岡田さんの死体現場に西村さんのノートが落ちていた。
そのノートにはある話が描かれており、
【事故に見せかけて殺された少女の亡霊が真犯人である仲間達を次々復讐していく】
という内容だったみたい。
「亡くなった静香の呪いよ」
「…なんかヤバいよ、この2人」
「うん…アタシもそう思う…」
アタシとメグは小さい声で話した。キュウには睨まれちゃったけどね…。
「実はその物語には続きがあるらしいの。警察の話じゃあ、あと2人殺されるそうよ
同じ文芸部の仲間が…」
「…あの、その2人って…」
メグは言いかけたその時、突然部室のドアが開いた。
「2人とも、いくらオカルト好きだからって趣味悪いわよ」
入ってきたのは、2人の女の人。
「私達はただこの子達に事実を伝えてるだけよ」
「それじゃ、律子が静香を殺したみたいじゃないっ!」
「…佐々木まどか、何そんなにビクビクしてんだよ」
男の人が言うと、佐々木さんは黙ってしまった。
「何か身に覚えでもあるのかしら?」
「っ、あんたねぇ!!」
佐々木さんは手を挙げたが、女の人の腕で止められてる。
2人は腕を押し合い、睨みあっている。
すると、そこに顧問らしき女の人が入ってきた。
その人は気づいたように話しかける。
「あなた達、何してるの?」
それを聞いた佐々木さんと一緒に部屋に入ってきた女の子は出て行ってしまった。
「芳村さん?何かあったの?」
芳村さん…て言う人だったのか。芳村さんも何も答えず、男の人と出て行ってしまった。
「…貴方達は??」
「入部希望の1年生です…もしかして顧問の先生ですか?」
「…そうだけど」
顧問の先生は戸惑いながら答えた。
「あの、岡田律子さんが西村静香さんの亡霊に呪い殺されたって、どういう意味ですか?」
「え?」
『今、芳村さんたちに聞いてたんですけど…』
「文芸部で何かトラブルでもあったんですか?」
「どうしてそんなこと聞くの」
「純粋な好奇心です」
メグは淡々と先生を交渉していく。
メグの目に迷いはないように見えた。
「私、顧問っていっても名ばかりだし、聖とのプライベートには立ち入らないようにしてるの。
それに呪いだなんて…、」
女の人は部室を出ようと思ったのか、ドアの近くへ歩み寄る。
それを、キュウは止めた。
「ちょっと待って下さい!」
女の人は立ち止まってキュウの方へ振り返る。
「入部する前に内部事情を知っておきたいっていうか…、後々、立ち回り易いっていうか、
その…先輩達には絶対内緒にしておきます!何があったか教えてください、お願いします!」
キュウが深々と頭を下げる。
それに押され、アタシとメグも頭を下げる。
リュウを先頭に現場に到着。
ビルの目の前まで来ると、やっぱり怖い。
この中で人が殺された?考えただけで身震いがする。
「大丈夫」
リュウはアタシの肩を少し叩き、ちょっと笑顔を見せてら中に入って行った。
少し、楽になった気がする。「アリガト」。
事件現場にはあっさり入る事が出来た。
途中階段の奥に怖い人形みたいなの置いてあってすっごいビックリしたけど。
部屋の中に入る。
すると、死んだ岡田律子さんの死体の型があった。
ぞわっとして、本当にそこから抜け出したかった。
「…事件当時、入口のドアは内側から鍵はかけられ、この部屋に続くドアも閉まっていた」
「つまり…ドアは二重に閉まっていたってことだよね」
「そして、被害者のそばには部屋の鍵が」
「でも誰がその鍵を保管してたんだ?」
「このビルを管理してる不動産屋。そこで盗まれたみたい」
「…その鍵のコピー作れば密室もクソもねぇじゃん」
「それが、IDカードがなければコピーできない、特殊な鍵だったらしい」
みんなの言ってることはだいたい整理がつく。
アタシは怖くて、みんなの会話を聞いてることしかできなかった。
そんなアタシの様子に気づいたのかリュウは隣に来てくれた。
その時突然ドアの開く音がした。
みんながドアの方に反応し、一斉に振り返る。
リュウはアタシの手の甲を握ってくれてる。
ビックリしてリュウを見たけど、真っ直ぐドアを見てる。
かなりビックリしたけど安心したっていうのは本心。
あぁ、やっぱりリュウはアタシを安心させるのが得意だね。
すると不安から解放されたのも束の間。キュウが口を開く。
「…犯人は…何度も現場に訪れる、っていうよね…」
『え、犯人かもしれないってこと…変なこと言わないでよ、』
キュウは呟いたのも一瞬、キンタを前に押した。
「何だよ、何だよ」
「こういうときこそキンタの出番でしょ!?」
「もしものときはちゃんと骨拾うから!」
『キンタ、お願い、骨拾うからっ!』
「勝手に殺すなよっ!」
ドンドン近づく足音。
扉が開いた!キンタは一瞬の隙に入ってきた人を背負い投げ。
「いてててて、誰だ貴様!!!」
「お前こそ何者だ!」
「け、警視庁の諸星だっ!」
「…、刑事?!」
開いた警察手帳からして、嘘ではないことは確かだ。
「つまり、警察に協力を要請され、事件現状を調べるためにあそこに入り込んだ。
ってわけだな?」
「…あ、はい、そういうことです」
私達は警察署に連行さえて、さっきのことを説明させられていた。
外はもうすっかり暗くなっている。
アタシとキュウ以外、ぐったりだ。
「なるほどね…って納得すると思ってるのか!!」
刑事さんが扇子を持ったまま、机をドンと叩く。
アタシはちょっとビックリした。
「お前らみたいなガキにな、えぇ?助けを求めた覚えはねぇ!!」
「いやだから、それもっとえらい、えらーい人から、」
「もうよせ、」
キュウの言葉をキンタが遮った。
キンタの顔は、もう「くだらねぇ」というのが出ていた。
「どうせこいつら見かけでしか人を判断しねぇ。
バッジかざして威張るだけで、聞く耳なんか持たねぇーよ」
「貴様、桜田門にケンカ売ってるのか?!」
キンタが挑発したせいで刑事さんはキレちゃった。
一応ココ警察署だし、アタシらは何も悪いことしてないわけだし、
変なことする前に帰りたかったんだけどなー。
「諸星さん!」
1人の刑事が入ってきた。
その人はメグと目が合い、少し硬直する。メグは「あ、」と声を漏らしている。
その刑事さんは「いや、あのー実はですね」と諸星さんに話し始める。
でも目ではメグを追ってるコトからこの2人は知り合いだと確信。
すると諸星さんは「何だと?!」と目を大きくして驚いている。
何を聞いたんだろう??
「…警視庁からの通達だ。お前らをサポートしろってよ」
うはぁーっと、今までのグッタリ様が嘘のように、
みんな笑顔になる。(…リュウは別だけどね)
「ほーらっ!分かったらさっさと捜査資料見せろよっ!」
「ふざけるなっ!調べたかったらお前達で勝手にやれ!!」
諸星さんは怒って出て行ってしまった。
あとから来た刑事さんも困った顔して出て行った。
「…で、どうする??」
数馬が1番に口を開いた(珍しい)。
「…よーし!みんなで力を合わせて事件を解決しよう!」
『うん、それがいいよ!』
キュウが立ち上がってかなりの笑顔で叫ぶ。
アタシもそれがいいと思い、キュウに大賛成っ!!
…でもアタシとキュウ以外はまたもやグッタリ。
「時間の無駄遣いだ」
「あーあ」
「ほんっと、付き合ってらんない」
みんながのそのそと立ち上がって次々と部屋を出て行く。
リュウが部屋を出て行く時、少し目が合った。
ちょっと困ったような微笑みをして、ポケットに突っ込んでいる手を出し、
腰のあたりで小さく手を振って出て行っちゃった。
「ねぇ、何で?何でみんな一緒に調べないの?!」
「キュウ、梓紗。僕達は競争ゲームの中にいるんだよ」
「団先生の後継者は1人ってことだろ…?」
『わかってるよ、そんなの』
「だったらなおさらだ。Qクラスは仲良しグループなんかじゃない。ライバル同士なんだよ」
数馬は冷たくそう言い放ち出て行ってしまった。
そんなに冷たく言わなくたっていいじゃん…。
「自信ねぇならあの部屋で留守番でもやってろっ!」
キンタもメグも出て行ってしまった。
「…ねぇみんな!ライバルだけど…仲間でしょ?」
すると、出て行ったはずのメグが戻ってきて言った。
「梓紗の気持ちはいくらか分かるよ?でもキュウ、はっきり言ってウザい」
はっきり言ったねー。
アタシの気持ちはいくらか分かるってのも…ホントかな…??
実は、アタシもウザかったりしない?!
「そこまで言うなら梓紗と頑張るよっ!僕だってやる時はやるんだから!!
ね、梓紗、頑張ろうっ!!!」
『キュウ、無理しなくて…いいよ、悲しくなる」
「…うん」
次の日、キュウとメグが学校に編入して調査するって言うからアタシもそうすることにした。
岡田さんが通っていた高校の制服を着て調査っていうのは、
ちょっと慣れないのもあって恥ずかしい…。
「…ねぇ、昨日1人で調べるって言わなかったっけ??」
「1人じゃない!梓紗も一緒だよっ、メグ1人じゃ心細いかなーっと思って…」
「っていうか、ビビってんのキュウの方じゃん。私、梓紗と調べるからっ」
『え!?』
そう言ってメグはアタシの手を引っ張った。
キュウは後ろから早歩きでついてくる。
「ねぇ!僕達中学生だよ?!バレたらヤバいよ!」
「嫌なら帰んなさいよ。被害者は高校生だし、探るなら学校の友達が1番なのよっ」
メグは人差し指を振りながら話す。
そしたら、何かに気づいたのか向こうに行ってしまった。
すると後ろから「ねぇねぇあの子可愛くない?」との女子の先輩の声。
キュウがそれに反応する。
「隣の子誰?もしかして彼女?」
「えー嘘。でも可愛いし、いるかもねーっ!」
キュウはキョロキョロを繰り返す。
「あははは、こっち向いたっ」
「彼女の子も結構可愛くない?」
キョロキョロを繰り返しているうちにメグがいないことに気付く。
『キュウ、可愛いって褒められて嬉しがるのは分かるよ?』
「え、別に嬉しがってないよ」
『アタシをキュウの彼女にするのは、やめてほしいよね…」
「何それ!?」
「梓紗っ、こっち!」
メグがアタシを呼ぶ。
メグに近寄るとそこには体全身が映る大きな鏡。
「1度着てみたかったんだよねー、この学校の制服っ♪」
『メグって、ホント何着ても似合うよねっー、ね、キュウっ?』
「何で僕に言うの?ていうかホントにやる気あんの!?」
無事に編入も済み、放課後廊下を歩いていると、ある教室にたどり着いた。
『文芸部』と書いてある。
この部室はメグの話によると、殺された岡田さんが所属していたサークルらしい。
「失礼しまーっす!あの、岡田律子さんと親しかった人どなたはいませんか?」
メグは躊躇なく入って行き、いきなり聞き込み開始。
「いきなりかよ」
『メグ、いきなりそれはないっしょ』
「お前ら…誰だ?」
机に向かっていた男の人がこっちを見た。
おかっぱな頭で、ちょっと不気味な感じ。…ちょっとじゃないかも。
「…転校してきたばっかりの1年生でぇ…す」
「転校生が何で岡田のコト嗅ぎまわってる?」
『えっと…それは』
返事に困ったアタシとメグは両端からキュウの半袖の裾を掴んで、
前へ前へと押し出す(ごめんね、キュウ…)。
「あ、あの僕達文芸部に入部したいなーと思ってたんですけど、クラスの連中にリサーチしたら
部員が1人、1週間前に殺されたって言うじゃないですか。
おまけに密室殺人だって聞いて、その、ミステリー好きな僕らとしては、こう…
血が…うずいちゃって…」
キュウの必死の弁解。
「調べたって無駄だ。岡田は呪われたんだ」
『へ?呪われた?』
笑いそうになったアタシをキュウが腕を縦に振り、風の音で制す。
「ああ」
すると男の人は額に入った写真に近づいて行った。
額に入っているのはちょっとウェーブがかったセミロングの髪に、
賞状を持って満面の笑みで映っている綺麗な人。
「…西村静香の亡霊にね」
それを聞いてメグも笑いそうになってた。アタシだって堪えるの大変だったけど。
そしたらキュウがアタシの時と同じ動きでメグの笑いを制す。
『西村静香さんって…誰ですか?』
アタシは男の人に聞いた。
「文芸部のメンバーよ」
聞こえたのは明らかに女の人の声。
気がつかなかった…そこに人が寝てたなんて。
かなりダルそうに起き上がる姿…少し不気味…。
「1ヶ月前に亡くなったの」
2人の説明をまとめると、西村静香さんは1ヶ月前に転落事故で亡くなった、
この学校の生徒さんらしい。
警察の話によると、岡田さんの死体現場に西村さんのノートが落ちていた。
そのノートにはある話が描かれており、
【事故に見せかけて殺された少女の亡霊が真犯人である仲間達を次々復讐していく】
という内容だったみたい。
「亡くなった静香の呪いよ」
「…なんかヤバいよ、この2人」
「うん…アタシもそう思う…」
アタシとメグは小さい声で話した。キュウには睨まれちゃったけどね…。
「実はその物語には続きがあるらしいの。警察の話じゃあ、あと2人殺されるそうよ
同じ文芸部の仲間が…」
「…あの、その2人って…」
メグは言いかけたその時、突然部室のドアが開いた。
「2人とも、いくらオカルト好きだからって趣味悪いわよ」
入ってきたのは、2人の女の人。
「私達はただこの子達に事実を伝えてるだけよ」
「それじゃ、律子が静香を殺したみたいじゃないっ!」
「…佐々木まどか、何そんなにビクビクしてんだよ」
男の人が言うと、佐々木さんは黙ってしまった。
「何か身に覚えでもあるのかしら?」
「っ、あんたねぇ!!」
佐々木さんは手を挙げたが、女の人の腕で止められてる。
2人は腕を押し合い、睨みあっている。
すると、そこに顧問らしき女の人が入ってきた。
その人は気づいたように話しかける。
「あなた達、何してるの?」
それを聞いた佐々木さんと一緒に部屋に入ってきた女の子は出て行ってしまった。
「芳村さん?何かあったの?」
芳村さん…て言う人だったのか。芳村さんも何も答えず、男の人と出て行ってしまった。
「…貴方達は??」
「入部希望の1年生です…もしかして顧問の先生ですか?」
「…そうだけど」
顧問の先生は戸惑いながら答えた。
「あの、岡田律子さんが西村静香さんの亡霊に呪い殺されたって、どういう意味ですか?」
「え?」
『今、芳村さんたちに聞いてたんですけど…』
「文芸部で何かトラブルでもあったんですか?」
「どうしてそんなこと聞くの」
「純粋な好奇心です」
メグは淡々と先生を交渉していく。
メグの目に迷いはないように見えた。
「私、顧問っていっても名ばかりだし、聖とのプライベートには立ち入らないようにしてるの。
それに呪いだなんて…、」
女の人は部室を出ようと思ったのか、ドアの近くへ歩み寄る。
それを、キュウは止めた。
「ちょっと待って下さい!」
女の人は立ち止まってキュウの方へ振り返る。
「入部する前に内部事情を知っておきたいっていうか…、後々、立ち回り易いっていうか、
その…先輩達には絶対内緒にしておきます!何があったか教えてください、お願いします!」
キュウが深々と頭を下げる。
それに押され、アタシとメグも頭を下げる。
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