ドリーム小説
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*第2話*~神のメール? 記憶消失の謎!! ③
次の日、牧野くんが発見されて牧野くんの運ばれた病院にキュウとメグが向かった。
アタシも「行く」って言ったけど、メグに「ダメ!」って言われた。
「梓紗はさー、ほら!リュウと一緒に捜査しなよ!!」
『なんで??』
「こっちは!私とキュウで十分間に合ってるから!ね?」
『メグがキュウと2人がいいなら…それでいいけど』
「違うってば!私は梓紗を思って…」
『嘘、何が??』
「なんでもない!!」
メグがどうしても!って言うからアタシは行かないことにした。
アタシのためを思ってるみたいだし、行かないでおこう。
せっかく出てきたミッションルームに戻るはめに。
戻るとリュウが今出ようとしている時だった。
「…あれ、梓紗。病院じゃないの」
『キュウ達が行くっていうから任せてきた!』
アタシが笑って言うと、リュウは「そっか」と言った。
「よかった」
『?何が??』
「いや?別に、なんでもない」
リュウは首を横に振った。少し笑顔だった。
「今日、また竹山裕紀に会ってくる。…行く??」
リュウはアタシの微笑んで聞いてきたので、思いっきり頷く。
『行くっ!』
リュウに連れられてある公園へと着いた。
階段に1人の男の子が座っている。アレが…竹山くん??
何か、スケッチしてるのかな?絵を描いている。
少しの間眺めていると、突然黒の絵具で絵を塗りつぶしてしまっていた。
『あ、』
アタシは思わず呟いてしまった。
リュウが少し睨んで触れるだけの強さで頭を叩く。
だって、ここから見える限りじゃすごく綺麗な絵だったんだもん。
リュウは「行くよ」と言って歩きだした。
竹山くんに近づいていく。
「絵にはその人の心が描かれる…って言うよね」
竹山君は顔をあげる。
「その絵には、不安に押しつぶされそうな君の心があふれてる。
記憶を失くしたっていうの、嘘なんじゃないの??」
『…?!』
…嘘、そんなコトってあり得るの?!
全然そんなコト気付かなかった…、でも。
「受験勉強に追われ、絵を描く自由を奪われた君は、」
「お前に俺の何が分かる!」
竹山くんは怒鳴りながら立ち上がった。
『ねぇ』
「、え?」
『絵、ホントに上手いんだね!他にはどんなの描いてんの??』
「…、ああ、いいけど」
言い争ってた場の空気に耐えられず、アタシは空気を破った。
突然、話を切り出したアタシに竹山くんは驚きを隠せていない。
リュウは「やれやれ」と見ている。
本人に許可をもらったので、早速竹山くんの隣に座り、スケッチブックを開く。
中に描かれていた絵はものすごくキレイで、見とれてしまった。
「ちょ、梓紗?」
『あ!ごめん、あまりに上手で見惚れてた』
「そんな…」
『すごい!アタシなんてどんなに頑張ってもこんなに上手に描けないよ!!
それなのに…塗りつぶしちゃって…もったいないよ』
「…、うん…」
小さいけど、竹山くんは返事をしてくれた。
リュウみたいに唐突すぎるのはよくないからねっ!
『…急で悪いんだけど…、教えてくれないかな??
どうして記憶がない、なんて嘘をついたの?…本当なら本当って言ってくれればいいし』
「えっと…」
『大丈夫、誰も責めたりはしない。そんなのアタシらがさせないから、ね?』
アタシは竹山くんに言った。
竹山くんはアタシを信用してくれたのか、俯きながらゆっくり話してくれた。
神のことや、どうやって失踪したのか、など。
話し終えた後、竹山くんは笑ってくれた。
後ろめたい気持ちなんてなさそうな、真っ直ぐな笑顔。
「メールで洗脳??」
アタシとリュウがミッションルームに戻ると、みんなはもう揃っていた。
五十嵐先生殺害のトリックはキュウとメグが解いたみたい。
共鳴振動を利用したトリックって言ってるけど…実際見てみないと分かんないし…、
みんな納得してたけど、アタシはよくわかんなくて適当に相槌を打ってた。
するとリュウがアタシにこっそり「ホントは分かってないでしょ」って。
どうせ分かってませんよーっ!
そしてキンタが失踪事件についてを話すみたい。
キンタも鈴木さんに会ったらしく、話が聞きだせたみたいだ。
「最初はほんのささやかな警告だったそうだ」
【君の人生本当にそれでいいのか?もし人生をやり直せたら君はどんな自分を選ぶ?】
2人の元に届いたメールの内容だ。
『2人ともストレスが溜まってたぽい。やりたいコトもできない、受験だってあるし…っていう状況。
だから新しい自分に生まれ変わろうって思って、そのメールの失踪計画に乗ったらしいよ』
すると数馬が口を開きだす。
「2人を先導してた奴の正体は?」
「素性が割れるような話は一切してこなかったそうだ。
ただ、ハンドルネームは【神】だったそうだ」
「神?」
「発売前の雑誌や漫画なんかの噂を流したり…そういうリスペクトされるような存在を、
ネットの世界じゃ神って呼ぶんだ」
『へぇ…』
牧野くんが言ってた神の声っていうのは、このことだったのかな?
「でもキンタも梓紗もすごいよ!よくそこまで聞き出せたね」
「え?いや、大したことじゃねぇだろ」
『まぁ、そうだよね』
「ライバルに点数取られたっていうのに、キュウってホント無邪気よね」
メグは呆れた目でキュウに言う。
すると黙っていたリュウが口を開く。
「でも実際、2人ともすごいよ。相手の心を解いて真相を聞きだすなんて、
悔しいけど僕には出来ないな」
リュウが呟いた。
その横顔は…どこかで見たことのあるような、寂しそうな顔。
「ねぇ数馬、さっきから何見てるの?」
キュウが沈黙を破り、数馬に話しかける。
数馬は動き出す。テレビの前に座ったみたい。
数馬が見ていたのは、塾のエレベーターの防犯カメラだった。
突然、リモコンの停止ボタンを押す。
「塾長が毎晩、音楽を聴く習慣があるのを知っているのは、塾の関係者だけだろ?
…あれ?!」
数馬の驚いた声にみんなが一斉に立ち、数馬の元へ。
「こいつ今、防犯カメラ見てるよね」
そこに映っていたのは…牧野くん。
1人でエレベーターに乗っていて、鋭い目線がこちらに向けられている。
「メガネ、違うんだよねー」
メグが言う。
「失踪する前後で、メガネが変わってるの。見舞いに行ったときに気付いたんだけど」
メガネが…違う…
共鳴振動
死ぬ前に飛び散った血
遠くのガラスの破片
「…なんで…そんなこと……」
キュウが考え込む。
アタシだって……解ける、あとちょっと!解ける…!
現場に残った謎はあの割れたガラスの置物のみ。
あんなに遠くに置いてあったものがもみ合った時に落ちるなんて…まず、ない。
落ちたのは、ガラスの、置き物、…じゃなくて
『あ!』
「『…真犯人、分かっちゃった』」
アタシとキュウはハモる。
みんなは驚いた眼をしてこっちを見ていた。
電話をしていたメグがこっちに戻ってくる。
「鑑識が採取したガラスの置き物の破片の中から、2人が推理した例のものが発見されたそうよ」
『ありがとう、メグ!』
「、ねぇ!ネットの速報で、この辺りの中学生で失踪者が続出してるっていうニュースが流れてる」
「キンタ、梓紗!2人が失踪してた間そこに隠れてたのか知ってる?」
『小学校!』
「小学校だよ、最近廃校になったばっかりの」
そして私達は、2人が疾走している間に隠れていた廃校に向かった。
夜じゃないと潜入はできないし、廃校だからもとから暗いし…。
結構怖いけど、捜査のためだし…行くしかないよね!
「…ねえ、ほんとにいるのかなこの廃校に…」ガタンッ!!
メグが言い終わらないうちに何かが倒れる音がする。
「うわ、出た!出た!!」
「「「わーっ!!」」」
『何何何何?!ちょっと!!』
アタシはみんなの声に驚いて声をあげる。
ビックリしてリュウの腕にしがみついてしまった…情けない…。
リュウも声は出てないけど、結構ビックリしてるっぽいし。
「大丈夫?」笑いながらリュウが言った。
『リュウだってビックリしてたくせに!』「…そういうコト言うなよ」
照れながら言うリュウ。
可愛いなぁ。
すると、いまだにしがみついてたリュウの腕がピクっと動く。
「みんな」
リュウは気づいたように口を開く。
そして、近くの教室へと突然動き出す。特に変わった様子は…ないけど。
その時、アタシの腕の中からリュウの腕がするりと抜けた。
『リュウ?』
「…どうしたのリュウ、急に」
「…いや、あっちの方から人の声が聞こえた気がしたんだけど」
「体育館の方だなー…」
「行ってみよう!」
みんなが教室を忙しなく出て行く。
アタシの後をついて走り出した時、リュウが止まったままなのに気付く。
アタシはもう1回教室に入り直して聞く。
『リュウ?もしかして、さっきの嘘だったり…する?』
「え、、、梓紗にはバレるな。悪い、先行っててくれないか」
『?…うん。じゃぁ分かった。追いついてきてね、絶対!』
「うん」
アタシはそう言って振り返らずにみんなのあとを追った。
辿り着いたのは体育館。
中にはたくさんの中学生が。
人の声が聞こえたって言うのは本当だったのかな??
中にはピアノを弾いていたり、球技していたり、話したり。
やっていることはさまざま。
だけど、みんな、楽しそう。
「どうする?」
「行こう!」
キュウの言葉にアタシ達は一斉にドアを開けた。
中に入ると、すべての音が止み、すべての視線がこちらに向けられた。
「君達も神に先導されたの?だったら今すぐ家に帰った方がいい!」
「神はもうすぐ、警察に捕まるのよ」
メグが言うと、周りの人は首を傾げたり、
「意味分かんない」「そんなわけねぇじゃん」と言ったりと、
アタシ達の言っていることを少しも信用していないようだった。
その時、上の方から声が。
「勝手な真似はしないでくれる?」
体育館の2階から声。
お面をかぶった学ランの人が現れる。
「姿を見せなよ…牧野くん!!」
キュウが大声で言うと、あの人はお面を…はずす。
お面をとってあらわれた顔は…牧野くんだった。
『牧野…くん』
アタシがとっさに口から漏れた言葉。
すると、少しだけ牧野くんの眉が動いた気がした。
次の日、牧野くんが発見されて牧野くんの運ばれた病院にキュウとメグが向かった。
アタシも「行く」って言ったけど、メグに「ダメ!」って言われた。
「梓紗はさー、ほら!リュウと一緒に捜査しなよ!!」
『なんで??』
「こっちは!私とキュウで十分間に合ってるから!ね?」
『メグがキュウと2人がいいなら…それでいいけど』
「違うってば!私は梓紗を思って…」
『嘘、何が??』
「なんでもない!!」
メグがどうしても!って言うからアタシは行かないことにした。
アタシのためを思ってるみたいだし、行かないでおこう。
せっかく出てきたミッションルームに戻るはめに。
戻るとリュウが今出ようとしている時だった。
「…あれ、梓紗。病院じゃないの」
『キュウ達が行くっていうから任せてきた!』
アタシが笑って言うと、リュウは「そっか」と言った。
「よかった」
『?何が??』
「いや?別に、なんでもない」
リュウは首を横に振った。少し笑顔だった。
「今日、また竹山裕紀に会ってくる。…行く??」
リュウはアタシの微笑んで聞いてきたので、思いっきり頷く。
『行くっ!』
リュウに連れられてある公園へと着いた。
階段に1人の男の子が座っている。アレが…竹山くん??
何か、スケッチしてるのかな?絵を描いている。
少しの間眺めていると、突然黒の絵具で絵を塗りつぶしてしまっていた。
『あ、』
アタシは思わず呟いてしまった。
リュウが少し睨んで触れるだけの強さで頭を叩く。
だって、ここから見える限りじゃすごく綺麗な絵だったんだもん。
リュウは「行くよ」と言って歩きだした。
竹山くんに近づいていく。
「絵にはその人の心が描かれる…って言うよね」
竹山君は顔をあげる。
「その絵には、不安に押しつぶされそうな君の心があふれてる。
記憶を失くしたっていうの、嘘なんじゃないの??」
『…?!』
…嘘、そんなコトってあり得るの?!
全然そんなコト気付かなかった…、でも。
「受験勉強に追われ、絵を描く自由を奪われた君は、」
「お前に俺の何が分かる!」
竹山くんは怒鳴りながら立ち上がった。
『ねぇ』
「、え?」
『絵、ホントに上手いんだね!他にはどんなの描いてんの??』
「…、ああ、いいけど」
言い争ってた場の空気に耐えられず、アタシは空気を破った。
突然、話を切り出したアタシに竹山くんは驚きを隠せていない。
リュウは「やれやれ」と見ている。
本人に許可をもらったので、早速竹山くんの隣に座り、スケッチブックを開く。
中に描かれていた絵はものすごくキレイで、見とれてしまった。
「ちょ、梓紗?」
『あ!ごめん、あまりに上手で見惚れてた』
「そんな…」
『すごい!アタシなんてどんなに頑張ってもこんなに上手に描けないよ!!
それなのに…塗りつぶしちゃって…もったいないよ』
「…、うん…」
小さいけど、竹山くんは返事をしてくれた。
リュウみたいに唐突すぎるのはよくないからねっ!
『…急で悪いんだけど…、教えてくれないかな??
どうして記憶がない、なんて嘘をついたの?…本当なら本当って言ってくれればいいし』
「えっと…」
『大丈夫、誰も責めたりはしない。そんなのアタシらがさせないから、ね?』
アタシは竹山くんに言った。
竹山くんはアタシを信用してくれたのか、俯きながらゆっくり話してくれた。
神のことや、どうやって失踪したのか、など。
話し終えた後、竹山くんは笑ってくれた。
後ろめたい気持ちなんてなさそうな、真っ直ぐな笑顔。
「メールで洗脳??」
アタシとリュウがミッションルームに戻ると、みんなはもう揃っていた。
五十嵐先生殺害のトリックはキュウとメグが解いたみたい。
共鳴振動を利用したトリックって言ってるけど…実際見てみないと分かんないし…、
みんな納得してたけど、アタシはよくわかんなくて適当に相槌を打ってた。
するとリュウがアタシにこっそり「ホントは分かってないでしょ」って。
どうせ分かってませんよーっ!
そしてキンタが失踪事件についてを話すみたい。
キンタも鈴木さんに会ったらしく、話が聞きだせたみたいだ。
「最初はほんのささやかな警告だったそうだ」
【君の人生本当にそれでいいのか?もし人生をやり直せたら君はどんな自分を選ぶ?】
2人の元に届いたメールの内容だ。
『2人ともストレスが溜まってたぽい。やりたいコトもできない、受験だってあるし…っていう状況。
だから新しい自分に生まれ変わろうって思って、そのメールの失踪計画に乗ったらしいよ』
すると数馬が口を開きだす。
「2人を先導してた奴の正体は?」
「素性が割れるような話は一切してこなかったそうだ。
ただ、ハンドルネームは【神】だったそうだ」
「神?」
「発売前の雑誌や漫画なんかの噂を流したり…そういうリスペクトされるような存在を、
ネットの世界じゃ神って呼ぶんだ」
『へぇ…』
牧野くんが言ってた神の声っていうのは、このことだったのかな?
「でもキンタも梓紗もすごいよ!よくそこまで聞き出せたね」
「え?いや、大したことじゃねぇだろ」
『まぁ、そうだよね』
「ライバルに点数取られたっていうのに、キュウってホント無邪気よね」
メグは呆れた目でキュウに言う。
すると黙っていたリュウが口を開く。
「でも実際、2人ともすごいよ。相手の心を解いて真相を聞きだすなんて、
悔しいけど僕には出来ないな」
リュウが呟いた。
その横顔は…どこかで見たことのあるような、寂しそうな顔。
「ねぇ数馬、さっきから何見てるの?」
キュウが沈黙を破り、数馬に話しかける。
数馬は動き出す。テレビの前に座ったみたい。
数馬が見ていたのは、塾のエレベーターの防犯カメラだった。
突然、リモコンの停止ボタンを押す。
「塾長が毎晩、音楽を聴く習慣があるのを知っているのは、塾の関係者だけだろ?
…あれ?!」
数馬の驚いた声にみんなが一斉に立ち、数馬の元へ。
「こいつ今、防犯カメラ見てるよね」
そこに映っていたのは…牧野くん。
1人でエレベーターに乗っていて、鋭い目線がこちらに向けられている。
「メガネ、違うんだよねー」
メグが言う。
「失踪する前後で、メガネが変わってるの。見舞いに行ったときに気付いたんだけど」
メガネが…違う…
共鳴振動
死ぬ前に飛び散った血
遠くのガラスの破片
「…なんで…そんなこと……」
キュウが考え込む。
アタシだって……解ける、あとちょっと!解ける…!
現場に残った謎はあの割れたガラスの置物のみ。
あんなに遠くに置いてあったものがもみ合った時に落ちるなんて…まず、ない。
落ちたのは、ガラスの、置き物、…じゃなくて
『あ!』
「『…真犯人、分かっちゃった』」
アタシとキュウはハモる。
みんなは驚いた眼をしてこっちを見ていた。
電話をしていたメグがこっちに戻ってくる。
「鑑識が採取したガラスの置き物の破片の中から、2人が推理した例のものが発見されたそうよ」
『ありがとう、メグ!』
「、ねぇ!ネットの速報で、この辺りの中学生で失踪者が続出してるっていうニュースが流れてる」
「キンタ、梓紗!2人が失踪してた間そこに隠れてたのか知ってる?」
『小学校!』
「小学校だよ、最近廃校になったばっかりの」
そして私達は、2人が疾走している間に隠れていた廃校に向かった。
夜じゃないと潜入はできないし、廃校だからもとから暗いし…。
結構怖いけど、捜査のためだし…行くしかないよね!
「…ねえ、ほんとにいるのかなこの廃校に…」ガタンッ!!
メグが言い終わらないうちに何かが倒れる音がする。
「うわ、出た!出た!!」
「「「わーっ!!」」」
『何何何何?!ちょっと!!』
アタシはみんなの声に驚いて声をあげる。
ビックリしてリュウの腕にしがみついてしまった…情けない…。
リュウも声は出てないけど、結構ビックリしてるっぽいし。
「大丈夫?」笑いながらリュウが言った。
『リュウだってビックリしてたくせに!』「…そういうコト言うなよ」
照れながら言うリュウ。
可愛いなぁ。
すると、いまだにしがみついてたリュウの腕がピクっと動く。
「みんな」
リュウは気づいたように口を開く。
そして、近くの教室へと突然動き出す。特に変わった様子は…ないけど。
その時、アタシの腕の中からリュウの腕がするりと抜けた。
『リュウ?』
「…どうしたのリュウ、急に」
「…いや、あっちの方から人の声が聞こえた気がしたんだけど」
「体育館の方だなー…」
「行ってみよう!」
みんなが教室を忙しなく出て行く。
アタシの後をついて走り出した時、リュウが止まったままなのに気付く。
アタシはもう1回教室に入り直して聞く。
『リュウ?もしかして、さっきの嘘だったり…する?』
「え、、、梓紗にはバレるな。悪い、先行っててくれないか」
『?…うん。じゃぁ分かった。追いついてきてね、絶対!』
「うん」
アタシはそう言って振り返らずにみんなのあとを追った。
辿り着いたのは体育館。
中にはたくさんの中学生が。
人の声が聞こえたって言うのは本当だったのかな??
中にはピアノを弾いていたり、球技していたり、話したり。
やっていることはさまざま。
だけど、みんな、楽しそう。
「どうする?」
「行こう!」
キュウの言葉にアタシ達は一斉にドアを開けた。
中に入ると、すべての音が止み、すべての視線がこちらに向けられた。
「君達も神に先導されたの?だったら今すぐ家に帰った方がいい!」
「神はもうすぐ、警察に捕まるのよ」
メグが言うと、周りの人は首を傾げたり、
「意味分かんない」「そんなわけねぇじゃん」と言ったりと、
アタシ達の言っていることを少しも信用していないようだった。
その時、上の方から声が。
「勝手な真似はしないでくれる?」
体育館の2階から声。
お面をかぶった学ランの人が現れる。
「姿を見せなよ…牧野くん!!」
キュウが大声で言うと、あの人はお面を…はずす。
お面をとってあらわれた顔は…牧野くんだった。
『牧野…くん』
アタシがとっさに口から漏れた言葉。
すると、少しだけ牧野くんの眉が動いた気がした。
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