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ドリーム小説
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*第1話*~実践開始!戦慄の死の予言!死体消滅の謎を追え ①

久しぶりの休み。
休みっていってもどうせ暇だし、と思って
近くのレンタルビデオ屋に来てる。
よく見ると、見慣れた顔が…キュウだ。
キュウは『18歳未満立入禁止』のビデオコーナーを何気に覗いている。
はぁ…キュウがこんな奴だとは思わなかったよ。

『お客さん、貴方18歳未満ですよね?』
アタシはそう言ってキュウの肩を叩いた。
「うっわ、すみません、違うんで…梓紗?!」
「キュウもそんな人だったなんて…普通にショック…」
キュウは場の状況を理解したようで、手を左右に振り、
かなり必死の否定を始めた。
「違う、違う!僕、見てないからっ!」
『キュウがそういうのに興味あるとはねぇ~?』
「いやっ、だからっ、その!」
はぁ…と少しため息をついたふりして。
ホントはちょっとからかってるだけ。
『大丈夫、大丈夫。みんなには言わないからっ!』
「いや、別言う言わないの問題じゃなくて、違うって!」

すると、ジーパンの後ろポケットに入れている携帯が鳴る。
キュウもごそごそとポケットから携帯を取り出す。


「秋葉原万世橋前に金髪に黒サングラスの女がいる」
『尾行して証拠を押さえろ』

「え、今から?!」
キュウは驚いていたけど、アタシは携帯をしまい走り出す。
ちょうど暇だったし、いい運動になるっ。
キュウも大急ぎでアタシを追いかけてくる。
『大丈夫だって、そんなに急がなくても。
 アタシの方が早く現場に着いたってメグには何にも言わないからっ♪』
「梓紗、もうその話やめてって!」
キュウもそろそろからかわれてることに気付いてる(つまんないの)。
秋葉原の街を全力で走ってるのなんて、アタシらくらいじゃない?
でも、これが楽しくてやめらんない。

走っていると向こうから男の人がきた。
アタシは間一髪のトコでよけたけど、すぐに気付いた。
『キンタ?!』
「キュウ、梓紗!なんでお前ら一緒なんだ?まさかデートとか言わねぇよな?」
『ばっか、何言ってんのキンタ!偶然会っただけ!』
「これって、実習?!それとも本番?!」
「なんだよ、もしかしてビビってんのか?」
「そんなんじゃないよ!」
『キュウ、そんなビビってたら証拠押さえられないよ?笑』
「無理しねぇで俺の後ろにでも隠れてろ!」
アタシ達はそのキンタの一声でまた走り出した。
キンタは私達、探偵学園のQクラスの中の唯一の大人。
私達の保護者であり、お兄さんであり…そんな存在。
キンタ、速い…。
キュウもいつの間にか足速くなってるし。
追いつけないよーっ!

アタシが着いた頃にはもう2人は万世橋に着いてた。
橋の影に隠れてる。そんなんで見つからないもんかな?
『速いよ、2人とも』
「梓紗が遅いんでしょっ、僕をからかった罰!」
「ああ?からかった?何の話だ?」
「ううん、なんでもない!」
そう言ってアタシは2人の間に入る。
そして、アタシも金髪サングラスの女の人を見た。
「よーし、他の連中まだみてぇだなぁ」

「そこのデコボコっ!目立ちすぎっ!!」
後ろから声がする。
声は知ってるけど、足元に憶えがない。
ゆっくり顔をあげると、
『メグッ!なにその格好ッ!!』
「お前、そんな格好してたら目立つだろっ、隠れろ!」
キンタはメグの腕を引っ張りメグを隠れさす。
「メッメッメッメグッ!どうしたのそこカッコ」
「お姉ちゃんの店の手伝い。私目当ての客が多くてさ~」
『うっわー、やっぱメグすごいね!』
「メグ、お前も呑気にアイスなんか食ってねぇで見ろよっ!」
メグはアタシにアイスを「ちょっとあげる」と言って持たせ、
後ろを振り返る。
アタシは「やったw」と一口パクリ。
うーんっ、冷たくておいしい。

キュウの視線が痛い
「何?食べたいの?」
「いやっ、別に欲しくないよっ!」
「…どうでもいいけど、行っちゃうよ??」
「「『あっ』」」
アタシはメグに「ありがとっ」と言ってアイスを返して走り出した。
メグは「うん」と笑顔で返してくれた。

Qクラスはアタシも入れて全員で6人。
その中で女の子はアタシとメグだけ。
だからメグはアタシにとって唯一の親友(メグはどう思ってるか分かんないけど…)。
何気にキュウと両想いなんだけど、お互い鈍感なんだよね。
メグは「瞬間記憶能力」っていう1度見たものは忘れないっていう能力を持っていて、
その能力のおかげで何度助かったことか…。

女の人はデパートに続くエスカレーターに乗る。
「俺向こう行くからっ」
キンタはデパートの反対側に走って行った。
アタシ達3人は少し間を置いてからエスカレーターに乗って追いかける。
…?今エスカレーターの外にリュウがいたような気がしたんだけど…。
きのせいかっ、気にしない気にしないっ♪
『・・・あれ?ここにしか通じてないはず…』
そこに女の人はいなかった。
キュウもメグもキョロキョロしてる。
向こう側から来たキンタも同じだ。

「梓紗っ、ちょっと来て」
『メグ?!』
メグはアタシを連れて人目のつかないトコでしゃべりだす。
「あの人、長い黒髪で黒いスーツの人」
『あの人がどうした?』
「あの人、さっきの金髪のサングラスの女よ」
『変装したってこと!?』
「うん、だけどマニキュアは変えられなかったみたいね」
『マヂで?!メグありがとう!行こっ♪』

アタシとメグはキュウとキンタを置いて店を出て女の人を追う。
木の影に隠れながら尾行を続ける。
「おぉっ」
『何?』
「当たっちゃったぁw」
『マヂで?!』
アタシはメグの食べていたアイスが当たったのにビックリして、
それ程でもないが、少し大きな声を出してしまった。
その声が聞こえたのか、女の人は振り向く。
アタシとメグはさっと木の影に隠れる。
…良かった、気付かれなかったみたい。
女の人を追い続けてると、細く狭い路地に入った。
道は2つに分かれている。女の人はどちらかに進んだが見当たらない。
「どっち行こうか」
『じゃぁ…アタシ右行くよっ』
「分かった、じゃぁ私は左ね。危なかったら逃げてね」
『メグも気をつけて』
手を振って別れた。アタシは全力疾走で女の人探す。

しばらく走っていると広い道路に出た。見失っちゃったかな。
少し辺りを見回すと、そこにはリュウの姿が。
リュウの前には女の人が。やっぱリュウすごい。
でも、メグがいない。見失っちゃったか、キュウ達のトコに戻ったか?
『リュウっ』
「梓紗」
リュウはこっちを振り向き。少し笑ってみせる。
でもリュウは他のQクラスのメンバーに笑顔を見せてるトコを見たことない。
アタシにだってホント滅多にしか笑ってくれないけどね。
「梓紗、行くぞ」
『うんっ』
リュウは頭がよくて、推理力はずば抜けて性格。
顔もカッコいいし、クールだけど優しい一面だってある。
今だってキュウ達が見つけられやすいように追跡マーカーを落としてる。

女の人はよく分からないビルの屋上でカバンを開いた。
中には驚く程たくさんの札束。リュウはそれを見てしっかり証拠をとる。
その時、キュウ、メグ、キンタ、数馬が走ってくる。
メグも数馬もキュウ達と合流できたんだ。
「リュウ、助かったよ追跡マーカー!」
「別に、授業で習ったことを実践しただけだ」
キュウは笑ってお礼を言ってるけど、リュウは無表情で女の人を見る。
そこがいいのかもしれないけどね。

『ねぇ、メグ。あの後どうしたの??』
「笑気ガス吸わされたし、当たり棒取られちゃったし、梓紗は大丈夫だった?」
『あ、うん、大丈夫だったっ。何で数馬はそんなローテンションなの?』
「何かね、[こんな初歩的なものに壊されるなんて…]ってカメラ壊されたらしいよーっ」
「…メグ、うるさいよ…」
数馬はパソコンとかのデジタル関係が得意ですごい技術を持ってる。
本人はデジタル関係が得意だから、アタシらに「アナログ」って言ってくるけどね。
でも数馬のおかげで助かってるコトもあるし、そこは許しとこう。

「女は?」
「カバンの中に札束が入ってた。証拠は押さえたよ」
「よしっ!じゃぁついでにあの女も取り押さえよう」
リュウはパッと前に出てキンタを止める。
「僕たちのミッションはもう終わりだ」
「教科書通りにやるだけじゃつまんねぇだろっ」
リュウが止めたのにも関わらずキンタはキュウに持っていた内輪を預けて飛び出す。
メグと数馬は「はぁ…」と呆れた様子でため息をついてる。
アタシも出ていかない方がいいと思うけどなぁ…。
「さあ、それを大人しくこっちに渡してもらおうか」
キンタが女の人に向かって言うと、しばらく経ってから女の人は走り出す。
それを止めようとキンタはカバンを掴むが足で落とされる。
キンタは一瞬驚いたがすぐに態勢を立て直し集中する。
この人強い。キンタとこんなまでに戦ってる。

キンタが抑えられた!
女の人がスカートをめくったかと思うとそこには小さなナイフが。
「うそぉ?!」
キンタの驚きをよそに女の人はキンタを刺す。
『あああっ!!!!』
キンタは苦しがって地面に寝転ぶ。突然過ぎて声が出ない私達。
「がはっ……うう…ってアレ?」
キンタが押さえていた胸には傷も血も刺された跡もない。
私達は驚いて女の人を見る。
するとナイフを自分の胸に刺している。…え??
女の人の口が開く。
「遠山!思いこみで行動するなといつも言ってるだろう」
「その声…七海先生?!」
女の人は二ヤリと笑い眼鏡をはずすと、首元に手を当て大胆にマスクを剝ぎとった。
そこには見慣れた七海先生の顔があらわれた。
「「「「「『ええっーー?!』」」」」」
七海先生は団先生の右腕で、いつも私達に色々教えてくれる。
探偵としての知識、技術、体術、色々。

「ったくお前ら!それでも団校長の後継者候補か!
 俺が需要で教えた備考術ろくに実践できてないじゃないか!
 …犯人は見落とす?」
内輪で仰いでいたキュウは気づいたように目をそらす。
「油断して、返り討ちにあう?」メグはふいと横を見る。
「自分の能力を過信する?」数馬は下を向き眼鏡をあげる。
「大声は出すし、結局は人頼り?」アタシは組んでいた右腕を動かしあごに指を置く。
「最後は敵を甘く見て命を落としそうになる…か」キンタは黙って七海先生を見る。
「状況を冷静に判断して最善の行動をとれたのは天草だけだ!」
みんなの視線がリュウへ。
「ったく、どうした?…あ、俺の変装術にそんなに驚いたか。
 やる時は徹底的にやらないとな!例えばこーんな感じ??」

そう言って七海先生は後ろを向き、スカートをめくり上げた。
いいよ、別にそこまでやらなくて。
そしたらリュウがさりげなくアタシの前に立つ。その優しさにちょっと笑えた。
『リュウ、ありがと』
「…別に」
リュウは素気ない風に見えるけど、ホントはすごく優しいの知ってる。
こんなコトできるのは、当たり前だけど優しさがないとできないでしょ??

「あのぉ…そんな情けない恰好で…自慢されても…」
「…っていうか、ただの変態だろ」
「私の当たり棒!返してよ」
キュウ、数馬、メグは順に不満をぶつける。
少し沈黙が流れると七海先生の携帯が鳴る。

「はい、七海・・・団先生?!」

団先生って聞くだけでアタシ達の背筋は伸びる。
それだけ尊敬してるってこと。
「Qクラスのメンバーをですか?…分かりました」
電話を切ると「はぁ…」と深いため息をつき、振り返って、
「今すぐここへ行け」と紙をつきだす。
その紙には「ダーツバーLOOP」と書いてある。
私達は一見怪しげそうなその店に向かった。
突然ダーツバーに行けだなんて、急にも程がある。

七海先生に言われてきた場所はやっぱり正真正銘のダーツバー。
キュウはみんなより好奇心旺盛なのか部屋をドンドン入っていく。
店の女の人が「左横の扉です。非常ボタンを押してください」と説明してくれた。
少し狭い通路を進むと小さな扉があった。
キュウは開けれなくて困っている。リュウがそっとボタンを押すと、
キュウを先頭にみんな入っていく。
『いって』
「何ぶつけてんだ、バカ」
扉がちっちゃくて頭をぶつけた。後ろを歩いていたキンタに内輪で叩かれる。
キンタにバカ言われたら、終わりだって思ってたのに…。

キュウが部屋の電気をつける。
『おっぉーっ』
それぞれみんなが感嘆の声を漏らす。
その部屋はダーツバーのどこにこんな部屋隠してるんだってくらい広くて。
大きな本棚にはたくさんの本。
椅子やソファーや書斎。すっごく素敵な部屋だった。
「ここが団探偵事務所のミッションルームか」
キュウが机に座りながら嬉しそうに言う。
「すっごぉーいっ!家出したらココ泊っちゃおっ♪」
メグはソファーに座りながら辺りを見渡す。
リュウはひたすら本をめくってる。
アタシは色々探検、探検っ♪
おおーっと言いながらキンタは椅子に腰掛ける。

「みんな!」
数馬は叫んだ。書斎の上にあるDVDを見つけたみたい。
私達はすぐに部屋を暗くし、すぐに再生した。
映ったのは団先生。座っていた私達は一斉に立つ。

「御機嫌よう。今、君達がいるその部屋は、私がまだ駆け出しのころ事務所として
 使用していた場所、つまり…私の原点だ。今後、その部屋は君達の教室だと思ってくれ。
 今回、その部屋を提供したのは他でもない。君達にある事件を調査してもらうためだ。
 1週間前、秋葉原の雑居ビルで1人の女子高生の死体が発見された。
 被害者の名前は岡田律子。3年生だ」
資料映像として、殺害現場と死体が映し出された。
本物だった。今まで人間がこんな顔して死んでるの、見たことない。
何か、すごく怖かった。
「死因は刺殺による出血死。警察は殺人事件として調査を続けたが、すぐに行き詰った。
 殺害現場となった部屋の中に鍵が残され、完全な密室となっていたからだ。
 警察からの調査協力の要請を受け、今回私は思い切って君達を派遣することにした。
 それぞれに力を発揮して、事件を解決に導いてもらいたい…諸君らの健闘をを祈る」

…ここでDVDは終わった。
「…密室殺人……」
キュウの「殺人」という言葉がすごく怖かった。
初めての調査が殺害事件。突然すぎると思ったけど、やるしかない。
私達はすぐにでも殺害現場へ向かった。

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